この星の格闘技を追いかける

【on this day in】12月05日──1998年

12 05  98【写真】まさに黒山の人だかり。国技であり、賭け事。僕にとってムエタイはまか不思議な世界だった…… (C)MMAPLANET

ムエタイ・国王誕生日記念興行
@タイ・バンコク、王宮前広場
「僕らが子供の頃、皇室のことがとても好きな知り合いのおばさん、あるいはおばあちゃんが必ずといって良いほど、誰でも身近にいたものだ。日曜日の朝になると皇室の1週間を振り返るTVを見ている。街宣車で大声を出す人とは別に、一部から強烈に愛されていた天皇一家とは比較にならないほど、プミポン・アドゥンヤード国王はタイ国民から敬愛を受けている。宮殿の前を通るとタクシーの運ちゃんがハンドルから手を離して、両手を合わせているのだ。テレビで大袈裟に扱っているだけだと思っていたから、目の当たりにしたときは、ちょっと冷汗モノだった。そんなプミポン国王の誕生日12月5日には、バンコクのサナームルアン(王宮前広場)に特設リングが組まれムエタイの国王誕生日記念興行が行われている。すっかり立ち技から縁遠くなってしまったが、16年前に一度だけ取材をしたことがある。当時、オランダで旋風を起こしていたテコンドー流キックのWPKL勢がタイ人に0勝5敗で完敗。しかし、メインではセンティアンノーイがデニー・ビルに敗れるという大波乱が見られた。日本でいえば皇居前で相撲が行われ、北の湖が高見山に敗れるようなモノだ。刺激に満ちた夜、でも一番記憶に残っているのは、一緒に王宮前まで行ったG格闘技のO嬢が『これじゃ見えない。TVで見る』とホテルへ帰ってしまったこと──かもしれない」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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