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【UFC178】JJ×グスタフソン02大会でケネディ×ロメロ戦

2014.07.09

Tim Kennedy

【写真】悪役ビスピンをカナダで完封し、ランク&人気も確実に上がり充実の時を迎えようとしているティム・ケネディ(C)GONGKAKUTOGI

8日(火・現地時間)、UFCより9月27日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスで開催されるUFC178「Jones vs Gustafsson 2」で、ティム・ケネディ×ヨエル・ロメロというミドル級マッチが組まれることが発表された。

UFC世界ライトヘビー級選手権試合=ジョン・ジョーンズ×アレクサンダー・グスタフソンの再戦がメインとなる同大会でストライクフォース出身、UFCでの好調をキープするファイター同士のミドル級戦が組まれることとなった。UFC移籍後、ホジャー・グレイシーを破りオクタゴン初勝利を挙げたケネディは、その後ハファエル・ナタウ、マイケル・ビスピンと2試合連続メインで勝ち星を重ねてきた。大学で民事裁判という部門で学士の資格を取得も、卒業後は米軍に入隊。アフガニスタンやイラクでは米軍レンジャー部隊に属して活動、現在もスペシャルフォースの武器部隊に籍を置く現役アーミーファイターのケネディは、知性とタフさを併せ持ち、ブライアン・スタンの後を継ぐように人気も上昇中だ。

対するロメロは、キューバ出身でシドニー五輪フリースタイルレスリング85キロ級銀メダリスト。UFC移籍と同時にミドル級に転向し4連勝、ワイドマン政権が安定期に入りつつあるミドル級で、急激に存在感を表してきた。テイクダウン能力の高さは当然だが、彼はそこに至る以前の打撃を駆使して戦うことに意義を見出しているかのように、パンチや蹴り技で試合を組み立ててきた。

跳びヒザやエルボーでKO勝ちをする一方で、打撃と組みが一体化しておらず、テイクダウンを奪われるシーンも見せてきたロメロだが、やはりここ一番で見せるテイクダウンの強さが彼の連勝を支えてきたといえるだろう。ただし、ケネディ戦までに打と組の融合が進めば良いが、そうでなければ特に序盤は、打撃&テイクダウン防御、あるいは打撃戦を捨ててテイクダウン勝負という戦いがロメロには必要になってくる。ビスピン戦で見せたケネディのねちっこいトップコントロール。一連の動きは五輪メダリストといえどもフリースタイルで競い合ってきたロメロよりも、カレッジスタイルと基本とした米国MMAで育っ培われたケネディは、この部分でアドバンテージを持つ。よってロメロは自ら倒すことを放棄するか、テイクダウンのみに拘るか。中途半端にMMAでケネディに挑むと、体力と運動能力では乗り越えることのできない蜘蛛の巣に引っ掛かる可能性も決して低くない。

なお同大会でドミニク・クルーズ戦が実現するという話も伝わってくる水垣偉弥。陣営としてはラスベガスのセミ、もしくは翌週のメインという筋でのドミニク戦の実現を望んでいる。ただ、次の週のUFCはカナダの東端ノバスコシア州ハリファックス大会とスウェーデン・ストックホルム大会、大西洋を挟んだダブルヘッダー興業となる。当然、格式的にはファイトナイト。そう考えると、水垣の次戦はラスベガスが有力と思われる。いずれにせよカードを切るのは、ドミニク。水垣は元世界王者の希望に沿った大会でビッグファイトに臨むこととなるだろう。

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