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【Grachan36】岸本泰昭とライト級王座決定戦を戦う山本琢也「格闘技ばかりをやるわけにいかない」

Takuya Yamamoto【写真】日本在住、J-MMA界の未知強・山本琢也 (C)MMAPLAET

9日(日)、東京都大田区の大田区総合体育館で開催されるGRACHAN 36で岸本泰昭とGrachanライト級王座決定戦で戦う山本琢也は、非常にユニークなMMAライフを送っている。

普段の練習は週一。家族との生活を守るために仕事優先。試合が決まれば、1カ月前から練習量を増やす。そして、試合はほぼ年に1度のペースで戦う。

アマ修斗全日本王者から、グラチャンでキャリアを少しづつ積んできた──言ってみれば、国内においても謎の多いファイターは、ベルトが懸った一戦、キャリアで大きく上回る岸本戦を前にして、どのような想いでいるのかと尋ねた。

飄々とした口調のなかに、確かな勝利への執念が感じられた。


──岸本泰昭選手とGladiatorライト級王座決定戦を戦う山本選手ですが、現在の体調はいかがですか。

「体調はバッチリです。あとは体重を落として試合に臨むだけです。相手の選手はスタミナがありそうなので、今回の試合はそのへんにも少し重点を置いてきました」

──今回はタイトルマッチということで、違った調整をしてきたということでしょうか。

「週に1、2回パラエストラ千葉で練習し、週に2度トレーニングの日として、週に1度津田沼道場に出稽古に行っています。これまでは試合の1カ月前から試合用の練習をしてきたのですが、今回は1カ月半前からやってきまし。タイトルマッチということで、負けられないので……負けられないというか勝つので。皆に面白いと言ってもらえる試合をするために、練習はいつも以上にやっています」

──山本選手は2014年11月にプロデビューを行なっているのですが、4年のキャリアでまだ3勝1敗1分と5試合しか試合をしていないです。もともと2013年に全日本アマ修斗で優勝していますが、プロ修斗で試合をしなかったのはなぜなのでしょうか。

「実はプロ修斗では新人王戦にエントリーしていたのですが、試合の1週間前にキャンセルしたんです。これは公の場では諸事情としていたのですが、実は父親が突然亡くなってしまったので戦うことを断念しました。

そこから間が空いた時に、グラチャンにジムの先輩の……今は名前を挙げ辛くなってしまったのですが、山本勇気選手が出ていて……。あの時、同じジムで輝いていたのが勇気さんだったので、グラチャンに出ようと思ったんです」

──それからずっとグラチャン……といっても、ずっとというほど試合には出ていません。それも何か理由があってのことなのですか。

「ハイ、これも言い訳くさくなってしまうのですが、自分には家族がいて、子供もいます。生活があるので格闘技ばかりをやるわけにはいかないんです。なので練習は試合の1カ月前から本気でやらせてもらっている感じで」

──そもそもMMAを始めたのは?

「中学、高校と柔道をやっていて、県でベスト8ぐらいにしかなれない全然な感じだったのですが、体を動かさない生活は嫌でした。父がプロボクサーだったので、子供の頃に家にグローブが置いてあり、男4人兄弟でふざけ合っていた経験が影響したかもしれないです。

TVで見て、憧れがあったとかそういうものではなくてただ体を動かしたくて、近くにあったパラエストラ千葉に入門しました。勇気さんがアウトサイダーに出ていた頃でした」

──同じパレ千葉ネットワークの松戸や柏で練習することはあるのですか。

「月に1度、試合前に松戸のプロ練習に行っていたこともありますが、昼間なので仕事の関係で行けなくなりました。現場の仕事をしているので、昼は練習することはできないです。だから試合も年一のペースで。今年のように年に2度も戦うことは珍しいです」

──試合を見させてもらうと、技術的にも非常にしっかりとしているし、もっと練習をして上を目指そうという考えを持つことはなかったですか。

「自分1人の人生ではないので。生活が成り立っているなら、格闘技をもっとしても良いですが、それで悪影響がでるならできないです」

──至極真っ当な意見だと思います。

「他の格闘家からすれば、中途半端にやってんじゃねぇと言われるでしょうけど、こういう形でしか自分はできないです」

──では格闘家として、ご自身の実力をどのように評価していますか

「う~ん、試合が決まれば、やるかやられるかなので勝つことしか考えていなくて、これまで勝てた相手の選手よりは強かったのかと。他の選手を見て、自分がどれだけなのかとか考えたことはないです。最終的には強い人とやっていると強くなっているという面もあるとは思います。試合が決まり勝つことだけを考えて日常を送っていれば、格闘技は気持ちが大事になってくるので、そこは大丈夫です」

──そういう考えでMMAを続けてきたなかで、今回戦う岸本選手とは山本選手にとってどのような対戦相手になるでしょうか。

「自分は格闘技に詳しくなくて、名前を聞いただけでは分かっていなかったんです。でも調べてみるとキャリアはあるし、戦っている人も強い。宮崎(直人)さんは津田沼に行く前にパラエストラ千葉にいたのですが、その宮崎さんに勝っているので相当に強い選手だと思います。

だからこそ、ここで勝てば自分の強さが明確になります。毎試合、毎試合、自分の強さを確かめるために戦ってきたので、岸本選手と戦えることは嬉しいです」

──そういう意味では長岡弘樹選手に勝てた試合も、強さを確認できた試合になったのではないですか。

「成績を見ると五分五分のような感じだったのですが、パンクラスのランカーになったりしていたので、長岡選手に勝ったことで自分も少し強くなったと思って良いかと」

──なるほど。では岸本戦、どのような点を大切にして戦いたいと思っていますか。

「最後まで諦めないで戦う気持ち、引かない気持ち、攻める気持ちですね」

──ではキャリアを積むうえでベルトの持つ意味とは?

「キャリアというものを考えたことがなくて、試合は試合です。毎試合やることは同じで、ケージに入ればやるかやられるか。そこで勝つだけで……先々のことは考えていないです。その時、その時の流れがあるので1試合ずつ勝っていくだけで。

ただし、やるからにはそれなりに目立ちたいので、目立てるチャンスがあればそれは頂きたいです」

──ではMMAファイターとして、目標などはないということですね。

「そうですね。与えられた試合で、結果を残すだけです」

──そういう山本選手にとってMMAとは、生きていくうえでどんな意味を持つモノでしょうか。

「やっぱり自分は頭も良くないし、目立てる所もないので、自分が一番目立てる場所です」

──ではそんなユニークなキャリアの積み方の山本選手に注目し始めているかもしれないファンの方に一言、どのような試合をしたいかお願いします。

「やっぱり見ている人には面白いと思われる試合がしたいです。岸本選手は漬けてくるタイプなので、ガツガツ攻めていきたいです。ガツガツ攻める気持ちを見てほしいです」

■Grachan36対戦カード

<Grachanフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]阪本洋平(日本)
[挑戦者]原井徹(日本)

<Grachanライト級王座決定戦/5分3R>
山本琢也(日本)
岸本泰昭(日本)

<フェザー級/5分2R>
昇侍(日本)
近藤淳平(日本)

<ミドル級/5分2R>
圭太郎(日本)
清水来人(日本)

<バンタム級/5分2R>
中村謙作(日本)
米山千隼(日本)

<女子アトム級/5分2R>
沙弥子(日本)
チェ・ジュ(韓国)

<Grachanライト級王座決定戦/5分3R>
松場貴志(日本)
山本聖悟(日本)

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]堀友彦(日本)
[挑戦者]手塚基伸(日本)

<フェザー級/5分2R>
伊藤空也(日本)
遠藤来生(日本)

<フェザー級/5分2R>
AYA(日本)
サン・アルン(韓国)

<フライ級/5分2R>
ネコ☆佐々木(日本)
吉澤勇人(日本)

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