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【ADWP2017】ワールドプロ柔術85&94キロ以下級はカラザンス、プレギーサが貫禄の優勝

4月18日(現地時間・火)から22日(同・土)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのザイード・スポーツシティ内のIPICアリーナ行われたアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2017。

同大会のレビュー、第4弾は盤石の強さを誇る優勝者を輩出した──85キロ以下と94キロ以下、2階級の模様をレポートしたい。


【85キロ以下級】
ブラジル予選からの出場となるものの本命と目されたクラウジオ・カラザンスは、難敵ルーカス・バルボーザをクローズドガードに入れて攻撃させずに膠着の反則負けに追い込むなど、強さを発揮して予選を突破。本戦でもオーストラリアのキット・デールやブラジル1位代表のマルコス・コスタを倒して勝ち進み、地元UAEのファイサル・アルケトビとの決勝に駒を進めた。

<85キロ以下級決勝/6分1R>
クラウジオ・カラザンス(ブラジル)
Def. by 6-0
ファイサル・アルケトビ(UAE)

立ち技の強さに定評のある両者。まず引き込んだのはガードゲームにも自信を持つカラザンスの方。クローズドガードからクロスグリップを取ると、あっという間にオモプラッタの体勢に入る。それをアルケトビが逃れると、すぐにベリンボロに移行したカラザンスは、アルケトビが嫌がって距離を取ったところで再びオモプラッタに戻る無限ループ状態へ。そのままアルケトビの足を抱えて横回転して上となったカラザンスが2点を先行した。

下を嫌って立ち上がったアルケトビは、ヒザを付きカラザンスの右足へのシングルレッグ狙い。右足を抱えたまま立ち上がったアルケトビだが、その帯を背中で取ったカラザンスは後転しての引き込み返し一閃。ものの見事にアルケトビの巨体を舞わせて上を取り、リードを4点に広げてみせた。

下になったアルケトビはディープハーフの体勢に。しかし、その脇をすくって優位な体勢を作ったカラザンスは、やがて足を抜く。パスを避けたアルケトビは腹這いからスクランブルを試みるが、それをカラザンスはがぶって圧力をかけると、アルケトビは場外に。これが逃避とみなされたか、カラザンスに2点が追加された。

結局6-0で、立ち技と寝技のどちらでも力を見せつけたカラザンスが貫禄の優勝。大会中のブラジル予選を合わせると、全部で7試合を勝ち抜いての戴冠となった。大会期間中のブラジル人予選実施&同国人での決勝を廃するトーナメント・フォーマットの実施の狙いはここにあったのか──というべき、UAE代表アルケトビが見事に銀メダルに輝いた。

【94キロ以下級】
優勝候補筆頭のフィリッピ・ペナ・プレギーサは、ブラジル予選を順当に勝ち抜き本戦に進出。準決勝でブラジル1位代表のレジェンド、シャンジ・ヒベイロと対戦した。この二人は昨年、東京とリオのグランドスラム大会決勝で対決。2度ともペナがポイント勝利している。

<94キロ以下級準決勝/6分1R>
フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
Def. by 0-0 アドバンテージ1-0
シャンジ・ヒベイロ(ブラジル)

滑り込むようにガードを取ったプレギーサは、シャンジの両手首を握ってスイープの仕掛けを作るが、シャンジは前傾で低く体重をかけて対処。やがてシャンジが足を一本越えると、プレギーサは潜り込んで頭をシャンジの右ヒザ裏にくぐらせ、そのままXガードで煽る。体を浮かされかけたシャンジだが、側転するような形でステップオーバーして上を保つ。プレギーサが続けて煽りにかかるがシャンジはまたしても側転するように大きく動き、見事なボディバランスで上を保ってみせた。

ならばといったん下から50/50の体勢を作ったプレギーサは、シャンジの右足のズボンを対角線で掴んで手足を伸ばし、シャンジのバランスを崩してダブルガードのような姿勢に持ち込む。その状態でしばらく時間が過ぎていった。

そして終盤、プレギーサがタイミングを見計らって立ち上がりにかかると、少し遅れたシャンジもスクランブルからプレギーサの右足のズボンを掴みタックルへ。しかしプレギーサはシャンジの右足のズボンのグリップを離さず、シャンジを上からがぶる。グリップを維持したまま前にプレッシャーをかけたプレギーサは、片足で立ち上がったシャンジの軸足を刈ってテイクダウン! 

シャンジはすぐに膝立ちから立とうとするものの、プレギーサはその背中に飛びついてシングルバックに。シャンジはそのまま立ち上がって腰を下げて落とそうとするが、プレギーサは離れず。この攻撃でアドバンテージを得たプレギーサが、またしてもシャンジに勝利した。

自分の形を作って仕掛け続けたプレギーサと、世界最高の威力を誇るペナのガードからの攻撃を、見事なベースと無駄のない動きで凌ぎ続けたシャンジ。しかし最後には勝負どころのスクランブルでグリップを抑え、しっかりとポジションで上回って見せたプレギーサ。柔術の魅力が詰まった見応え溢れる一戦だった。

<94キロ以下級決勝/6分1R>
フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
Def. by 襟絞め
アダム・ワーディンスキ(ポーランド)

長身を誇るポーランドの新鋭ワーディンスキは、すぐにプレギーサをハーフに引き込む。さらにアームドラッグで引きつけてから足で浮かせるスイープを仕掛けたワーディンスキは、プレギーサのバランスを崩してみせる。長い手足をポストしてバランスを保ったプレギーサだが、消極性のペナルティを宣告された。

さらに仕掛けるワーディンスキは、シッティングから左腕を対角線のグリップで引き寄せつつ、右腕で背中に回したプレギーサのラペルを取る体勢を作ってスイープを狙う。ここでプレギーサはワーディンスキの足の上に乗り、ラペルを取られている腕側に移動して力を逃してスイープを回避。そのままワーディンスキを押し倒して片足を越え、胸を合わせてアドバンテージを取り返した。

さら横に動いてのパスで煽るプレギーサと、足を効かせて守るワーディンスキという展開が続く。やがてプレギーサは両足担ぎでワーディンスキに後転を余儀なくさせるやいなや、すぐにバックへ。そこで必死に体をずらそうとするワーディンスキからついにマウントを奪取する。さらに動いたワーディンスキの背後に付いたプレギーサは、襟に深く左腕を食い込ませ、最後は片羽絞めのような形でタップを奪ってみせた。

ガードからのスイープはもちろん、トップからのパスの圧力、スクランブルを制してバックを取る力、そして極めの強さ。全てが世界最高峰であることを見せつけたプレギーサが圧巻の優勝。同時に、そのプレギーサ相手に足を効かせ続けたワーディンスキの今後の活躍も楽しみになるような決勝戦だった。

■リザルト
【85キロ以下級】
優勝 クラウジオ・カラザンス(ブラジル)
準優勝 ファイサル・アルケトビ(UAE)
3位 マルコス・コスタ(ブラジル)

【94キロ以下級】
優勝 フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
準優勝 アダム・ワーディンスキ(ポーランド)
3位 シャンジ・ヒベイロ(ブラジル)

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