【Interview】OFC出場、BJ(後編)。「3Dの動きを見せる」
【写真】BJのいうところの3Dの動きとは、どのようなものなのかレイ・ドーヨーゲン戦が楽しみだ (C)MMAPLANET
2月2日(土・現地時間)のクアラルンプール、スタジム・プトラで開催されるOne Fighting Championship07「Return of Warriors」で、フィリピンのレイ・ドーヨーゲンと戦うBJ。
マモル、漆谷康宏というかつてのライバルたちが、海外勢の壁に当たっている今、OFCを選んだBJの心境、MMAの進化に対する想いを尋ねた。
BJインタビュー、前編はコチラから。
――56キロ、フライ級という試合はほとんど日本でしか行われてこなかった時期が長いです。その日本のフライ級のトップだった漆谷康宏選手がUFCで勝ち星を挙げることができずにリリースされ、マモル選手はVTJにTPF前王者のダレル・モンテギューに敗れてしまった。一緒に戦ってきた2人の敗北を目の当たりして、どのような気持ちになりましたか。
「おのお二方が負けてしまったのは、本当にショックです。自分と対等に戦い、自分よりも強い選手が負けてしまう。なぜ、負けるのかを探る為にウルシさんのUFCの2試合だとか、マモルさんの負けた試合を見続けました。
そこで、日本人しかやらない動きに加えて、これを日本人がやるから負けてしまうんだという動きがなんとなく見えてきました。そうならないために、何かが自分にないと、僕も同じような結果になると思いました。
日本人が勝てないのは、動きや立ち位置が北米のファイターと違って単調なんじゃないかと感じました。北米の選手は3Dの動きをしているから、日本人選手はそこに合わせざるを得ない動きになっていく」
――頭の使い方の違いという部分、自由になれていない日本人という部分が、MMAは出てきやすいスポーツかもしれないですね。
「そうだと思います。『下がるな』といわれて前に出る。そこで押されると真っ直ぐ下がる。その動きが目立っています。それに対して左右の動きや3Dの動きを取り入れると、凄く戦いやすいんです。
『アッ、こういうことなのか』っていうのは、それが正解かどうか分からないですが、最近、見えてきたような気がするんです。この動きをすれば、こんなに前後しか動かない人と戦いやすいのかって」
――日本人でいえば、いち早く気付いたのが大沢ケンジ選手でしょうか。
「大沢選手とリオン武選手の試合は、凄く参考になりました。同じ日に行われたマモル選手の試合なんですが……、マモル選手に触らせないで戦うモンテギューは本当に凄いです。組みにもいかなくて、間合いで勝負して戦う。その発想自体が、僕たちにはなかったです」
――そんななか、2月2日に戦うレイ・ドーヨーゲンは北米スタイルではないフィリピン人ファイターです。
「蹴りが多彩です。あとは近づいたときの投げの豪快さですね。下になっているのに、投げ切ろうっていうような。散打の選手ということなので、そういう動きになるのでしょうが、過去の試合映像に限った話でいえば、3Dの動きではない。自分が今、使っている動きを駆使すれば、前後の動きに対し、3Dの動きで金網に詰めていくような試合ができるので、戦いやすい相手ではないかと思います」
【写真】対戦相手のレイ・ドーヨーゲンは、チーム・ラカイ所属で10戦10勝という戦績の持ち主。ご覧通り、散打独特の構えで戦う(C)MMAPLANET
――情報のないなかでフィジカルと気持ちが強いというイメージを持ってしまうのが、フィリピン人ファイターです。そんなファイターとクアラルンプールで戦うことについては、どのように考えていますか。
「何も知らない、訳の分からないところで戦うことが、自分にとって良い刺激になると捉えています。1度、タイに行った時に高温多湿で僕は動きやすかったんです。マレーシアは隣の国ですし、ああいう感じなら自分に向いている環境かなと思っています。ホテルの部屋や移動の時にエアコンがガンガン効いているのなら、ちょっと気をつけたいですね」
――今、この時点でOFCで戦う。OFCでのキャリアを今後、どのように将来のステップアップに結び付けたいと思っていますか。
「OFCの過激なルールで、自分ができるのか試したいです。それと元々、修斗のチャンピオンになった時から世界最強って何なんだって考えてきたので、そこを追求できる場所かなと思っています。最強を目指せるというのであれば、OFCに限らず、国内外どこの舞台でも戦っていきたいです」
■OFC「Return of Warriors」対戦カード
<OFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
エリック・ケリー(フィリピン)
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
<フライ級/5分3R>
レイ・ドーヨーゲン(フィリピン)
BJ(日本)
<ライト級/5分3R>
ヴィシール・コロッサ(南アフリカ)
ローウェン・タイナネス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
レオ・クリシュナ(インドネシア)
ピーター・デイビス(マレーシア)
<ウェルター級/5分3R>
ズリ・シラワント(インドネシア)
アダム・カユーン(マレーシア)
<バンタム級/5分3R>
タン・ブー(豪州)
レイモンド・タン(マレーシア)
<マレーシア・フェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
レイモンド・チュウ(マレーシア)
メルビン・イェオウ(マレーシア)
<マレーシア・フェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
AJ・リアス・マンソール(マレーシア)
ジャン・カイチー(マレーシア)
<フライ級/5分3R>
ジアンニ・スッバ(マレーシア)
サイフル・メリカン(マレーシア)
<ライトヘビー級/5分3R>
ジェイク・バトラー(米国)
アントーニ・ロムロ(インドネシア)