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【Special】月刊、青木真也のこの一番:10月─その参─武田光司×北岡悟「虚勢を張り続けた勝利」

Takeda vs Kitaoka【写真】テイクダウンディフェンスと、右ジャブ&左ストレートで北岡を破った武田 (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ10月の一番、第3弾は27日に行われたDEEP86から武田光司×北岡悟の一戦を語らおう。


──10月の青木真也が選ぶ、この一番。3試合目はどの試合になるのでしょうか。

「武田光司×北岡悟ですねぇ。僕は代理戦争をやっていて、ツイッターの検索で試合をチェックしていたんです。そうしたら『北岡、テイクダウンできずにダウン』っていうのが挙がっていて……これ、どうなるんだって。

正直な話をするとイージーな試合になると思っていたので、負けたと知った時は信じられないという気持ちはありました」

──レスリングで勝てなくても、ケージレスリングなら勝てるというのはありました。

「僕もガッツファイトも含め、北岡さんだと思っていて。後で映像もチェックしたのですが、試合が始まった直後に圧力をかけることができずに回った。そこで勝負は決していたと思います。なんで行かなかったのか。行けって……。

武田選手は虚勢を張り続けたことが勝因です。僕もそうだし、僕と戦うヤツもそうだけど虚勢を張った方が強いんですよ。それは全ての試合に言えると思うんですけど、張子の虎でも大きく構えていた方が強いんです。

きっとグラウンドが怖かったと思います。打撃も長けているわけではない。でも、俺の方が打撃があるんだ。テイクダウンされないんだって前に出た。そうやって虚勢を張り続けたのが良かったです」

──最終回の北岡選手の反撃に対し、打ち気になっていた武田選手を『ジャブで良い。距離を取って』という指示で落ち着かせた宮田和幸さんのセコンドも勝因の一つかと。

「あそこで打ち合いになっていたら、逆転負けもあったしょうね。それを行かせなかった。要は勝負哲学ですよね。タイロン・ウッドリーとデミアン・マイアですよ。あのテイクダウン防御に徹し切ってジャブを当てるというのは、実はあまり日本のMMAでは見られなかった試合です。

でも、それを相手がやってくると僕は勝てる。キックボクサーになっちゃうから。だったらダブルレッグでも、四つでもケージに押し込んでグチャグチャにしてやろうという気概でやっていた。そこを『さぁ、来い』とできた武田選手の虚勢が勝因ですよね。張り子の虎をやり続けることができた。アレは大したものだと思います」

──そして、その試合内容が北岡選手の頑張りがあって評価されることになりました。

「北岡さんが創った試合ではあったと思います。この試合で勝った武田選手が、今後どういうところから引っ掛かって来るのか。そこは興味があります。どこまで評価されるのか。どこか、どう北岡さんに勝った彼の評価するのか……ですね。

今月は弥益ドミネーター聡志選手もそうだし、澤田龍人選手もアワード候補だったんですよね。でも、やっぱり北岡さんに勝ったのは大きい。こういうと北岡さんは気分良くないかと思うけど、やっぱりそこですね。

正直、北岡さんは仲間だし。やっぱり北岡さんの負けは触れ辛い。でも、控室とこういうところが重なってしまうのは一番良くないことだと思うので。まして青木アワードという番組を作ってもらい、そこに協力してくれる人がいて、仕事にもなっている。そこはちゃんと仕事をしたいから」

──結果、10月の青木アワード受賞者は武田選手に。

「ハイ。興味深いですよね。23歳でこの勝利は」

──青木選手とBrave勢の絡みも興味深いです。

「武田選手は僕と北岡さんは仲が良くて、チャライって分かっているから固くなるかもしれないけど……僕がBraveに何か想うとかっていうのはないです。昔、宮田さんとも渋谷で一緒に練習していたし。いや、楽しみですね」

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