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【HEAT36】負けられない戦いでキム・ギュファに快勝、春日井健士<01>「自分を出し切ること」

Kanten Takeshi【写真】2015年を一本勝ちで締めくくった春日井はHEATガールズを伴い満面の笑み。2016年は赤尾セイジとともに中京からの出世争いに期待したい(C)MMAPLANET

29日(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されたHEAT36。春日井健士がキム・ギュファを相手に3R2分18秒、リアネイキドチョークを極めて快勝した。

試合が終わり、『ホッとした』と安堵の表情を浮かべた春日井。今回の試合に関して、どのような精神状態で挑んでいたのかを尋ねた。

──ホッとした勝利と言われていましたが、その言葉の真意は何だったのですか。

「回りから『勝てるでしょ』という感じのことを言われていて……。自分ではそんなこと思っていなかったのですが、『和田竜光選手も勝っているから、お前も勝たないとダメでしょ』とか、『普通に勝つね』という風に言われて、それがプレッシャーになってしまって。

もう自分のなかでは『勝たないとダメ』だとか、『これに負けると終わり』だとか思わないようにしていました。ただ、自分のやりたいことをやる。それで負けたらしょうがない。勝利よりも、今の自分を出し切ることをテーマにしました」

──よく気持ちを切り替えることができましたね。

「実はゴング格闘技のキム・ドンヒョン選手のインタビューを読んで。『皆、勝たないといけないと言うけど、それはタダのプレッシャーになるだけ』と言われているのを読んで、そうだよなって。そんなのただマイナスでしかないから、僕もそういう風に考えるようにしようって。ホント、ゴン格のおかげです(笑)」

──なるほど、そういう風に考えるとやはり気持ちが楽になるものなのですね。

「気持ちの切り替えが上手くできたのは良かったです」

【写真】打撃にしっかりと進歩の跡が見られる春日井だ(C)MMAPLANET

【写真】打撃にしっかりと進歩の跡が見られる春日井だ(C)MMAPLANET

──今日の試合をみて、本当に打撃が伸びていると思いました。相手の攻撃を見る目も、自分の攻撃を当てる部分でも。同時にこれまでの武器だった組みへの流れは、まだ課題が残るのかと。特に1Rですね。

「アップの時は打撃ももっともっとシャープで、軽く動けていたんです。今日は調子が良いなって思っていたのですが、試合がいざ始まると、1Rは強烈に硬くなってしまいました。距離も半歩遠い、両手を突き出して組みに行く……自分でもやっちゃったっていう感じです。改めて試合とアップや練習は違うことが身に染みました」

──それでもしっかりと右を当てていました。

「余り自分では覚えていないです……」

──ハハハ。キム・ギュファのオーバーハンド系のパンチはしっかり見えていましたね。

「ハイ、廣田(瑞人)選手との試合映像を見て、前に出て振ってくる相手だから警戒していたし、試合中も見えていました」

──2015年は2月にRoad FCフライ級暫定王座決定戦の敗北から始まり、6月にVTJでパンクラス王者の清水清隆選手に勝利。そしてHEATで今日の一本勝ち。この1年をどのように自己評価しますか。

「まず、もう1試合戦いたかったです。1年に4試合したかったですね。10月に開催された大会からオファーをもらっていたのですが、対戦相手候補だった選手から僕とは戦えないという返答があったみたいで。

それならとその前のイベントでもオファーを貰ったのですが、試合まで1カ月を切っていたので……。2月のROAD FCが代役出場で、しっかりと体をつくることができずに戦って、スタミナ切れを起こして勝てなかったこともあり、あの二の舞だけは嫌だったので、お断りさせてもらったんです

<この項、続く>

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