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【UFN218】計量終了 Road to UFC決勝大会は日本だけでなく、韓国、そしてアジアの未来が懸かった1日に

【写真】日本勢4人も、しっかりとパス。韓国勢に減量疲れがないとの現地情報も(C)Zuffa/UFC

3日(金・現地時間)、4日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」の計量が行われて全選手が滞りなくパスしている。

平良達郎と木下憂朔の揃い踏み、Road to UFCバンタム級決勝で中村倫也と風間敏臣の対戦と日本のMMA界にとって非常に大切なイベントとなる。とはいえ、それは韓国勢も同じだ。もとはソウルで開かれる予定だった今大会にはメインカードに2選手、プレリミに2選手、そしてRoad to UFC決勝戦にはフライ級の同朋対決、フェザー級の超本命イ・ジョンヨンと総勢7名の選手が韓国からは出場している。

従来APEXのファイトナイト大会は米国東部時間帯で午後4時スタート、メイン開始は7時というのが通例だが、今大会はイベントスタートが午後10時、メインスアートは午前1時と──これはもう日曜日昼に東アジアで視聴してもらうためのイベントスケジュールといっても言い過ぎでないだろう。


メインカード出場はチョン・ダウンと、チェ・ドゥホの2人。HEATで6勝0敗の戦績を残し、ライトヘビー級王者からUFC入りしたチョン・ダウンはオクタゴン戦績4勝1敗1分、アジアの重量級ファイターが世界最高峰でこの戦績を残すのはある意味、MMA版漢江の奇跡といえる。

そのチョン・ダウンも昨年7月にダスティン・ジャコビーのライトクロスで初黒星を喫し、再起戦となる。チェ・ドゥホに至っては、コロナ禍前の2019年12月のプサン大会以来、3年2カ月振りの出場で現在3連敗中、実に2016年7月以来6年以上も白星から遠ざかっている。

コリアン・スーパーボーイももう31歳、そのファイトスタイルから欧米勢に跳ね返され負傷も多いチェ・ドゥホが、正念場に挑む。連敗中といえば女子フライ級出場のキム・ジヨンも現在4連敗中だ。負傷、対戦相手の変更、惜敗と勝利が遠ざかっている彼女もチェ・ドゥホと同様に韓国と日本では無敵を誇るストライカーだった。

北米では正面勝負で勝てない状況に対し、彼女は試合前にラスベガスのシンジゲートMMAに長期滞在し解決しようと試みている。力のある女子選手と競り合うトレーニングで、活路を見出そうとするキム・ジヨンも3年4カ月振りの白星を目指す。

ミドル級のパク・ジュンヨンはUFCで5勝2敗、この階級ということを考えると岡見勇信に続き、アジア人として成功を収めているといえるだろう。デビュー戦とグレゴリー・ホドリゲス戦で敗れたとはいえ、アリク・アンダースに競り勝つなど、同門のチョン・ダウン同様に健闘以上の活躍をしている。

パク・ジュンヨン、チョン・ダウンが結果を残す裏には、KTT所属らしく徹底してレスリングを磨かれ、脱落者続出の心身ともに苦痛を伴う体力トレ、それらの厳しい練習から殴る勇気を植え付けらている点が大きい。アジアを打撃で制した選手、あるいはテイクダウンから寝技で勝ち上がった選手は、UFCではプレリミの段階でも自分の戦いを貫くことが難しい。

その点、レスリングと打撃と体力という三要素が揃ったKTTファイターは、総合力でサバイバルを可能にしている。とはいえ、ここからさらに上を目指すのではれば突出した武器も必要になってくる。パク・ジュンヨンがロシア人デニス・チュルリンを相手にそのようなファイトができるか、注目だ。

非アジア人ファイター同士のマッチアップは僅か2試合。結果、試合内容と同様に志の高さが求められるラスベガス発のUFCアジア大会だ。

■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS

■UFN218計量結果

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス: 265 ポンド(120.2キロ)
セルゲイ・スピヴァク: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン: 205ポンド(92.99キロ)
デヴィン・クラーク: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ: 253.5ポンド(114.98キロ)
ブラゴイ・イワノフ: 256.5ポンド(116.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔: 170.5ポンド(77.34キロ)
アダム・ヒューギット: 170.5ポンド(77.34キロ)

<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
ジェカ・サラギ: 155ポンド(70.31キロ)
アンシュル・ジュビリ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア: 145.5ポンド(66.0キロ)
イ・ジョンヨン: 145ポンド(65.77キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也: 136ポンド(61.69キロ)
風間敏臣: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン: 124.5ポンド(56.47キロ)
チェ・スングク: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン: 125.5ポンド(56.92キロ)
マンディ・ブーム: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
デニス・チュルリン: 186ポンド(84.37キロ)

<フライ級/5分3R>
平良達郎: 125.5ポンド(56.92キロ)
ヘスウ・サントス・アギラー: 125ポンド(56.7キロ)

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