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【Gladiator015】ある意味初出場。ミドル級チャンプ藤井章太─01─「レオス柔術のMMAクラスのおかげ」

【写真】2018年7月以来、3年2カ月ぶりの実戦復帰。そこには新しく始めたジムでの指導が関係していた(C)MMAPLANET

26日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGladiator015に、ミドル級王者の藤井章太が参戦する。

旧体制時代にGladiator武士道ミドル級のベルトを獲得していた藤井にとっては、この試合が新生グラジでは初の試合だ。加えて2018年7月のプロ修斗山口大会以来、約3年ぶりの実戦を迎える藤井に、現在の環境とグラジ参戦について訊いた。


――現在、藤井選手は地元である山口県岩国市で「STRIKE FIT(ストライクフィット)」というパーソナルジムを運営されていますよね。

「ジムを開いたのは5年前です。それと後輩で柔術全日本王者の森戸新士(JBJJF全日本2021 アダルト黒帯ライト級優勝)がやっている、岩国市のレオス柔術アカデミーで、今年7月からMMAクラスの指導を始めました」

――そんな藤井選手ですが、現役活動は2015年12月にReal FCでマルキーニョス・ソウザに敗れたあと、2018年7月にプロ修斗山口大会に出場し現在に至ります。これだけ試合間隔が空いたのは、ジムのオープンや指導とも関係しているのでしょうか。

「いえ、それは関係ないです(笑)。周りからは、どう思われていたのでしょうか……。ずっと練習は続けていたのですが、首と腰の調子が悪かったのと、特に試合のオファーもなかったので、これだけ空いてしまったという感じです」

――ジムの指導に専念していた、というわけではないのですね。

「あえて言えば、マルキーニョスに負けて、試合へのモチベーションが下がってしまったのは事実です。マルキーニョス戦では、力の差を感じました。これだけの差は、埋めることができない。もう先が見えない――という気持ちになったんです」

――マルキーニョスとの間に感じた実力差というのは、具体的にはどのような点だったのでしょうか。

「人間力です。1RにRNCで絞め落とされて、試合内容も覚えていないんですよ。あとで映像を見たら、勝ったマルキーニョスが僕を起こしてくれていたんですよね。僕がマルキーニョスの立場だったら、同じことができていたのか……。そう考えると、人間としての力に、圧倒的な差を感じてしまったんですよ」

――では、その後に修斗の試合に出場したのは……。

「プロモーターの山本(陽一Torao Nation State代表)さんから熱烈なオファーを頂いたからですね。山口大会ということで、ぜひ出場してほしい、と。僕としては腰の調子も思わしくなかったのですが、地元で行われる大会ですし出たいと思いました」

――その山口大会では、韓国のチョン・チャンヒョンにTKO勝ちを収めました。次の試合、グラジの一慶戦は約3年ぶりの試合となります。ここで試合に出ようと思った理由を聞かせてください。

「チャンピオンとしての責任ですかね。チャンピオンにとって防衛戦は義務ですし、挑戦し続けることがファイターの証だと思うので。あとは、自分の環境も変わったからでしょうか」

――環境の変化、ですか。

「僕って――自分で言うのも変ですけどマイペースで、今まで自分のやりたいことをやってきました。試合間隔が空いても別に引退したわけではないし、かといって試合をやろうというモチベーションも高まらなくて」

――そのような状況に、起きた変化というのは?

「最初にお伝えした、レオス柔術での指導ですね。レオス柔術のMMAクラスのおかげで、指導や練習の環境も整ってきたし、何より生徒のみんなに自分が活躍する姿を見せたいなと思ったんです」

――ケガの具合も良くなってきているのですか。

「ケガは……まぁ、今までベストの状態で試合に出たことはないですからね(笑)。それでも調子は良くなってきていて、十分に動ける状態にあります。それよりも、試合をしたいという気持ちが勝ちました」

――なるほど。では次の試合の舞台となる、現在のグラジエイターには、どのような印象を持っているのでしょうか。藤井選手がベルトを獲得した時のグラジエイターは、前体制の時代でした。

「関西でナンバーワンの大会ですよね。まだ会場には行ったことがないんですけど、映像は見ました。ベルトがカッコいいです」

――ベルトがカッコいい……?

「僕が持っているグラジエイターのベルトは、前に獲得したグラジエイター武士道のベルトなんですよ」

――そうですね。もともとグラジ武士道のミドル級王者であった藤井選手が、櫻井代表体勢になったグラジのミドル級王者に認定された形でした。

「新しいベルトを巻いてみたいですよね。あとはルールも変わっているので……。僕がグラジエイターに出た時は、リングだったと思います」

――新生グラジはケージを使用しています。その違いは意識しますか。

「特に意識はしないですね。リングにはリングの戦い方があって、ケージにはケージの戦い方がありますけど、その両方に対応できると思っています」

――藤井選手は過去に、Real FCや修斗などでケージでの試合を体験しています。その中でケージの戦い方のようなものは見えたのでしょうか。

「リングだとロープを掴む選手がいたり、外に出ちゃったりして、試合が止まることもあるじゃないですか。ケージにはそれがない。ということは、気が抜けないといいますか。何手も先のことを見据えながら、動き続けないといけないと思います。でも、そんなケージの戦いに対して苦手意識はないです。それがMMAですから」

<この項、続く

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