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【Pancrase308】暫定ライト級王座決定戦で粕谷優介と戦う、サドゥロエフ・ソリホン「いつも通り」

Salimkhan Sadulloev【写真】昨年11月にアキラをKOしたスピニングバックエルボーには相当な自信を持っているようだ(C) MMAPLANET

28日(日)に東京都江東区の新木場スタジオコーストで開催されるPacrase308で、ロシア在住のタジキスタン人ファイター=サドゥロエフ・ソリホンが粕谷優介と暫定ライト級王座を賭けて戦う。

昨年11月の初来日でアキラをスピニングバックエルボーからパウンドアウト、3月は上迫博仁を圧倒しながら2Rになって自ら試合続行を断念した。

強さと脆さを持つかと思われていたソリホンが、粕谷戦を前に試合放棄の事実を語った。


──ソリホン選手はロシアのハバロフスク在住ですが、国籍はタジキスタンになっています。

「僕は二重国籍を持っているんだ、ロシアとタジキスタンの。ラカエツという少数民族出身で、生まれも育ちもタジキスタンだけど2004年にロシアに移り住んだ。パンクラスで国籍をタジキスタンとしているのは、タジキスタンに誇りを持っているからだよ」

──タジキスタンはムスリムの国ですが、またソ連邦の一部でした。昨年タジキスタンではなくキルギスを訪れたのですが、ムスリムと共産圏文化が残る国の在り方が私にとっては別世界でした。

「僕もムスリムだよ。もともとムスリムの民族として、あの土地に住んでいた。それが60もの民族が一時的にソ連の統治下にあっただけで、我々のムスリムの分化はずっと継承されてきたよ」

──ソリホン選手からすれば、日本が全く違う文化圏ように感じられることはなかったでしょうか。

「日本は大好きだよ。人々は親切だし、とにかくどこにいっても街並みが綺麗で、本当に日本は良いところだと思っている」

──ありがとうございます。その日本、パンクラスの2戦目となった3月の上迫博仁選手との試合では、1Rを圧倒していたにも関わらず2Rにローキック一発で試合を諦めました。肋骨を折っていたという情報もあったのですが、実際のところは何が起こったのでしょうか。

「ウエサコのローキックで負けたわけじゃない。試合前にタイでキャンプを張った時に胸郭……肋骨を折ってしまって。本来は戦えるコンディションでなく、呼吸も普通の状態ではなかった。でも、あれだけの舞台を用意してもらって試合を断ることはできない。

だから1R、少しでも動ける間に試合を終わらせようと思って戦ったんだ。その結果2Rになってもうちゃんと息ができなくなったから、試合を諦めざるを得なかった」

──それだけのケガをしていて、あの動きが初回にできたことが驚愕ですが、よく体重を落とすことができましたね。

「試合ができないと言えるようなタイミングではなかったからね。やるしかない。そして1Rで終わらせることしか考えていなかった。試合を見てもらえば分かると思うけど、僕はデキるだけのことをして、初回でウエサコを倒した。あの状態を続ければ、ウエサコはもう戦えない状況になっていたのに、グラウンド状態の彼のボディを蹴ったことで、試合が中断されてしまったんだ。少しでも早く勝たないと行けなくてラッシュを掛けた僕にとっては最悪のブレイクだった」

──単なるブレイクではなく、攻めているソリホン選手にとって致命傷に通じるストップになってしまったわけですね。あのタイミングでのストップは見ていても、確かに首を傾げるものでした。あの前のパウンドが後頭部に入っていたのかとも思った次第です。

Salimkhan vs Uesako「顔を蹴ってはいけないとルールに記されているので、顔を蹴ることはない。上半身を蹴ったからね」

──負傷はタイで練習していた時に負ったと言われていましたが、どこで練習していたのですか。

「プーケットのタイガームエタイだよ。日本人のONEで戦っているヤマダ(山田哲也)とも一緒に練習していたよ。今回の試合はハバロフスクで準備してきたけどね」

──粕谷選手と対戦することで、何か対策練習は?

「特別なことはやっていないよ。いつも通りの練習をしてきた。僕はムエタイベースだけど、今やっているパンクラチオンはレスリングもサブミッションも含まれているし、全ての局面で対応できる練習はしてきたよ」

──パンクラチオンとパンクラス・ルールではどのような違いがあるのでしょうか。

「同じだよ、MMAだ。ただしグラウンド状態でヒザ蹴りが認められている。そこだけが違う」

──グラウンドでヒザ蹴りが認められているということは、ONEルールにほぼ合致しているわけですね。

「そうだね。だからというコトじゃないけど、パンクラスでベルトを取ってONEで戦いたいと思っている。この先にどんどん進みたいという気持ちはあるし、チャンピオンになった後パンクラスとの契約がどうなるのかもあるけど、ONEというのは選択肢の一つであることは間違いない」

──そのためにもどのような試合をしなければいけないと思っていますか。

「いつも通り、見ている人に楽しんでもらえる試合をするだけ。本当にいつも通りだよ」

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