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【ONE95】かつてない組技の脅威=トノン戦へ、中原由貴「15分のなかで10秒あれば、人は倒せます」

Yoshiki Nakahara【写真】とにかく、やるしかない。発言力を強めるには勝つしかない(C)MMAPLANET

17日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE95「Enter the Dragon」で中原由貴がゲイリー・トノンと戦う。

新世代グラップラーはONEでMMA戦績を4連勝とし、その本来持つグラップリングの強さにパウンドを織り交ぜたスタイルで頭角をすぐに表している。

そんなトノン戦を前に、今回の試合が決まった背景に触れながら、かつてない組技への脅威にどのように立ち向かっていくのかを尋ねた。


──ゲイリー・トノン戦を明日に控える中原選手です。まだ頬がこけていますね。

「そうですか?  まだ戻っていないですね」

──今回は他の試合が決まっていて、紆余曲折ありトノンが相手になりました。

「そうですね、フランスで練習している時に対戦相手が代わったのですが、状況説明があまりなかったことが正直悲しかったです」

──中原選手は純粋ですね。ここは決して天国ではないですよ。かといって地獄でもない(笑)。

「……マネージメントにも、ちょっと頑張ってくれよとか思いましたけど、もうとにかくゲイリー・トノンに集中しようと思いました」

──結果的にですが、素晴らしく興味深いカードになりました。

「実は面白い裏話があるんです」

──おっ、ぜひ聞かせてください。

「2月の試合が終わって次の試合が決まるまで、これからのことを考えヘンゾ・グレイシー・アカデミーで練習しようとその準備に入っていたんです。ONEで勝って、少し余裕もできたのでチケットも取っていました。アリエル・セクストンの家に泊まれそうという感じで。

そうしたら試合が決まり、試合の準備はフランスだろうと思いNY行きはキャンセルしてパリに行くことにしたんです。そうしたら、パリに着いて4日目ぐらいに対戦相手が代わり……」

──トノンになったと。NYにいっていたら、凄く気まずくなっていたでしょうね(笑)。

「キャンセルして良かったです。ただトノンに関しては、いつかやることがある……そういう想いもありながらNYに行こうと思っていました。NYでの練習が僕の苦手なところを克服することになるので。だからトノンとは、試合をすることになっても恨みっこなしで──ぐらいの想いで行くつもりでした。それなので、このタイミングかよというのは思いましたね(笑)」

──今回はそのパリから直接、シンガポール入りとなりました。

「練習自体は本当に良かったです。日本ではここまでの対策はできなかった。自分でできる動きがあるけど、そこの指摘をしてもらうことがなかったり、色々と発見もありました。

ただシンガポールに来て、時差ボケなのか眠れなくて。体は問題ないのですが、眠れない。だから今後は試合前ではないときにパリに行って、ファイト・キャンプは日本でやろうかと考えています」

──ゲイリー・トノンに関して、一番気を付けないといけない部分はどこでしょうか。

「皆は寝技だと思っているでしょうが、その前ですね。寝かされたら終わりなので。これまで経験したことのない寝技を繰り広げられると正直、ドリル練習みたいになってしまうでしょうね。だから、その前のテイクダウンを一番警戒しないといけないです」

──スクランブルで背中を預けるのも怖いかと。

「なるほどぉ。でも背中に回られるとスクランブルしないと逃げられない。引き出しの数は半端なく多いのは分かっているんですけど正攻法で逃げようとするとアレよ、アレよという間にトノンの形になってしまうので。一つでも遅れたら、メチャクチャな動きでも逃げてリセットするのが一番だと思いいます」

──トノンもまだMMAで中原選手のような素早い初弾を経験したこともなく、パンチを被弾したこともない。一発当たれば、彼はどうなるのかというのも興味深いです。

「彼も今、4連勝中でベルトが見えていると思います。そうなると、この辺りでマーチン・ウェンの打撃に対しテストをしておかないといけないと感じているタイプなのか、勝てれば何でも良いと思っているタイプなのか──ここは分かっていないです。

もしテストをしてくるつもりだったら、バチっと行った時に僕のパンチが中途半端に効くと逆に怖い。そこから徹底してテイクダウンばかりで来ると、僕は困ります。そうならないようにバチっと仕留めたいというのが本音です」

──トノンにとってもMMAファイターとして一つステップアップとなる試合で、中原選手にとってはONEのポジションを確約するために大切なファイトです。

「試合が決まった時は、そこを意識しました。ただ冷静に考えると、負けて良い試合なんてない。ということはどの試合でもキャリアにとって大切でない試合なんてないです。それにトノンが怖いというよりも、やってきたことを出せないのが一番怖くて。

それは僕自身だけでなく、色々な人に助けてもらったことを全て否定されることになる。全部出して勝てなくても、僕が否定されるだけです。でも、やったことを出せないで負けてしまうと……という恐怖はあります。前の試合から、自分のキャリア以上に負けた時は協力してくれた皆、全員が否定されると考えるようになりました」

──全ての想いを乗り越えて戦うしかない明日の試合に向けて、一言お願いします。

「どっちが勝つにしても、決まった展開じゃないですけど……皆が思った通りの展開になると思います。僕は倒しに行きます。それしかできないので。試合は15分間あり、どんな状況が続こうが諦めずに最後までやり抜きにいきます。15分のなかで10秒あれば、人は倒せます。KOできます。やってきたことに自信を持って、創りにいきます」

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