【写真】特別なことをしない特別さ。秘策でない秘策 (C)MMAPLANET

23日（日）に浦安市の舞浜アンフィシアター大会で修斗世界フェザー級チャンピオン斎藤裕に挑む、宇野薫。16年4カ月振りに修斗のベルトに挑戦する宇野がプライベートクラスを受ける青木真也インタビュー後編。

今回のタイトル挑戦に向けて宇野を追ったAbema TVのドキュメンタリーシリーズ=ONE DAYで彼自身がその必要性を語っている。

宇野は創り上げる人間ではなく、組み合わせる人間だという青木は──今回、『狂気を持っている』と言った。

＜青木真也インタビューPart.01はコチラから＞

──組み合わせる前段階として、積み上げる作業が必要です。そして青木選手と宇野選手のプライベートクラスは、積み上げている段階ですが、タイトル戦が決まってこの試合に対して即効性はあるのでしょうか。

「大丈夫です。即効性はありますから（笑）。基本が一番大切です。基本があれば、自分でコーデできます。絶対に強いと思います。本当にセレクトショップの人なので（笑）。それが分かった瞬間は、気持ち良かったです。『これだぁ』って」

──では斎藤裕選手について、青木選手はどのような印象を持っていますか。

「斎藤選手でいうと、今の修斗だからチャンピオンになったというのは絶対にあるので。僕が見て、そんなに強くはない──というのが正直な感想です。1月の試合を見させてもらって、宇野さんがいけない相手じゃないと思っています」

──ISAO選手には判定負けでしたが、打撃で上回りテイクダウンダウンされると、一旦は落ち着いても最後は立っていましたが。

「でも1月の外国人（※マイク・グランディ）、今の修斗が呼べる外国人選手に負けているのは……」

──対して今の宇野薫選手は2008年に実際に試合をした時、そして2009年から練習をするようになった時と比較して、伸びているのでしょうか。

「今の方が強いと思います。そう言わないと僕もやっていけないし、宇野さんもやっていけないと思います。体力が落ちていたり、打たれ弱くなったとしても……そう言いたいと思います。

それにブレーキを掛けるのが上手くなっています。追い込み過ぎなくなった。そういう部分での調整は巧くなっています。動きに感しては、落ちたなって思う部分はあります。でも、トータルで強くなっていると期待しています」

──斎藤戦、ズバリ宇野選手の勝てる見込みはどれぐらいだと思っていますか。

「分は悪いと思います。勝率は30、40パーセントじゃないでしょうか。3割、4割だと思います。でも、主語が宇野薫っていうことですよね。主語が宇野薫の試合なので、宇野さんの舞台に相手を立たせることはできる。

なので3-7か4-6の試合でも、宇野さんが有利に持ってくることは可能です。勝負は蓋を開けてみないと分からないけど、勝つと良いなと思っています。これは刺すわけじゃないけど、コーナーとして斎藤陣営には負けない。大内敬には負けない。でしょ?」

──『でしょ?』と言われても、何も言いようがないです（苦笑）。

「コーナーに戻ってきた時に、他の人が言えない言葉を掛けてあげられることに関しては、自信を持っています」

──つまり、青木選手が試合でセコンドに就く?

「そのつもりです。青木、五十嵐（悠哉※フィジカルコーチ）、田澤（康宏※UNO DOJOトレーナー）で就きます」

──青木選手から見て、現時点での宇野選手の体調の方はいかがでしょうか。

「コンディション面だけでいえば、凄く良いと思います。ブレーキを必死で掛けているので。『今日はこれで止めましょう』、『今日やった組みはもうこれで良いので』という風に話ができています。不安に負けず、追い込みをやめる。そこは強いと思います」

──ここまで苛め抜いて来た期間があって、宇野選手もそうできるようになったのでしょうか。

「外から見て100パーセントに近い人間じゃないですか。だから、どっかに歪みがあるはずなんですよ（笑）。それをずっと探しているんですけど、なかなか出て来なくて。なんか、凄い歪みがあるだろうから……それを引きずり出したいですね。試合までにそこを見つけたい。

正直、40歳を過ぎてここまでやっているというのは狂気……、狂気なんです。試合でその狂気が出てほしいです。

まだ分からないけど、絶対に存在している歪さ。それがある感じが良いんですよね。それが宇野さんの魅力です。狂気を持っている」

──品行方正な常識人の裏側にある狂気ですか。

「だってやるじゃないですか、試合でもケージ掴んだり──5秒ルールの人なんで（微笑）。そこも踏まえて、良いコーディネイトをしてくれるんじゃないかと期待しています」

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