【UFN88】真綿で首を絞めるステーリング×大鉈を振るうキャラウェイ。水と油の対決で鍵を握るのは?
【写真】キャラウェイの積極策が、ステーリングの試合の組み立てに楔を入れることができるか(C)MMAPLANET
29日(日・現地時間)、UFC Fight Night88「Almeida vs Garbrandt」がネヴァダ州ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターで開催される。ビッグネームの参戦はないが、粒ぞろいの好カードが揃った今大会。ファイトパスの加入を促進させるべき、このところ力の入ったカードが増えているファイトパス・プレリミでアルジャメイン・ステーリング×ブライアン・キャラウェイというバンタム級ランカー対決が組まれている。
ステーリングは同大会のメインで戦うトーマス・アルメイダ&コディー・ガーブラントと同様にキャリア13連勝中で無敗の実力者だ。ただし、彼らのようにファンの支持を集めるタイプではない。オーソ中心のスイッチヒッターで、蹴りを散らしてパンチからテイクダウン狙い、あるいはクリンチから細かい打撃を入れて、テイクダウンを執拗に仕掛ける――という非常に嫌らしいタイプのファイターだ。
やり合うのではなく、組んで削る。そして、削れたところでテイクダウンに結び付け、抑え込む。ここからは相手の動きに合わせてバック、スクランブルではギロチンと絞め技で一本勝ちに結び付けている。相手の良さを消し体力を消耗させたうえで、極められるなら極めるが、取り逃してもそのままコントロールを続ける。ステーリングは確実に判定勝ちできる力を持ち、取りこぼしが少ないファイトスタイルの持ち主だ。嫌な実力者だ。
そんなステーリングに対し、キャラウェイはパンチを打ち込んでテイクダウン、そして巧みなグラウンドコントロールからRCNやギロチンを相手の動きに合わせて極める。このように書き綴ると、ステーリングと同じじゃないかと思われるかもしれないが、攻撃手段は同じでも、目的が決定的に違う。キャラウェイは倒しにいくパンチ、倒すためのテイクダウン、極めに通じるトランジッションと、常に勝負を決めるために動く。その結果、相手を消耗させて勝利を手にする。
対してステーリングの打撃は相手を惑わせ、クリンチもまず削る、ポジションも抑えて相手の反応を待つ。いってみればステーリングは真綿で首を絞めるように戦い、キャラウェイは大鉈を振って勝負を決めいくファイター。戦いの基軸が水と油のように違う。そんな両者の対決は受けの強さを持つステーリングを相手に、キャラウェイが先に何かしらのダメージを与える攻撃や、ポイントにつながる動きができるかに掛かっている。それがなれば、ステーリングの盤石な試合運びに楔を打ち込むことになる。
逆に積極的な攻めをつかれ、カウンターでテイクダウンを奪われたり、スタンドでバックコントロールを許すと、それはもうステーリングの掌に乗せられたことを意味する。ファーストからセカンド、サードまでのコンタクトでキャラウェイが何をできるのか。1Rの中間地点までの攻防が、この試合の行方を大きく左右する。
■ UFN88対戦カード
<バンタム級/5分5R>
トーマス・アルメイダ(ブラジル/7位)
コディー・ガーブラント(米国)
<フェザー級/5分3R>
ヘナン・バラォン(ブラジル/5位)
ジェレミー・スティーブンス(米国/9位)
<ウェルター級/5分3R>
タレック・サフィジーヌ(ベルギー/10位)
リック・ストーリー(米国/11位)
<ミドル級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
ヴィトー・ミランダ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ホルヘ・マスヴィダル(米国)
ロレンツ・ラーキン(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョシュ・バークマン(米国)
ポール・フェルダー(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
サラ・マクマン(米国/6位)
ジェシカ・アイ(米国/7位)
<ライト級/5分3R>
エイブル・トゥルージロ(米国)
ジョーダン・リナルディ(米国)
<ミドル級/5分3R>
ジェイク・コリアー(米国)
アルベウト・ウダ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
エリック・コク(米国)
シェーン・キャンベル(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング(米国/4位)
ブライアン・キャラウェイ(米国/8位)
<ヘビー級/5分3R>
クリス・デラロチャ(米国)
アダム・ミルステッド(米国)