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【UFN50】シャーウス・オリヴェイラ、流れるようなガードワーク&極で、前回のレンツ戦の再現なるか?!

Oliveira vs Lentz【写真】日沖に極めたアナコンダは、前回のレンツ戦時よりもバリエーションが増えている(C)GONGKAKUTOGI

5日(金・現地時間)、コネチカット州レッドヤードのフォックスウッズ・リゾートカジノで開催されるUFC Fight Night50「Jacare vs Mousasi」。既報の通り、当日は僅か16キロしか離れてないアンカスビルでBellator123が行われ、興業戦争と化している。

とはいっても、チケットセールスや観客動員でなく、両プロモーションの主眼はあくまでもFoxsport1とSpikeのTVレート戦争。よって、今大会ではメインが6試合も用意され、ベラトール中継開始前の視聴者数を確保しようとプレリミにもPPV級並の顔触れを揃えてきた。

そんなメイン前半戦プレリミの注目カードはシャーウス・オリヴェイラとニック・レンツの再戦だ。6月に日沖発からキャリア初タップを奪ったオリヴェイラ、対してフェザー級転向以来5勝1敗のレンツ。両者はライト級時代の2011年6月に対戦し、ノーコンテストという結果に終わっている。

とはいってもこの試合、結果こそ伴わなかったが、生涯ベストバウトといえる最高のパフォーマンスを見せていた。オリヴェイラは頑強なガードワークから極めという現代MMAでは異端派、レンツに対して寝ては柔術、立ってはムエタイと攻め続けていた。試合の序盤でレンツがテイクダウンに成功したが、下になってからのオリヴェイラが繰り出した技の流れを列挙すると以下のようになる。

アップキック→デラヒーバ→バタフライ→潜ってヒールフック→ヒザ十字→アップキック→デラヒーバ→アップキック+立ち上がる。ここからはスタンドで首相撲+ヒザ、そしてエルボーで攻勢を握ると、レンツの右ストレートにショートの右アッパーを合わせてダウンを奪う。そのままアナコンダチョーク→マウント→ギロチン→ガード&ギロチンと移行も、レンツが頭を引抜き、スクランブルのなかで逆にギロチンへ。オリヴェイラはハーフに戻し、防ぎ切った。

2Rに入ると、飛びヒザにテイクダウンを合わされたオリヴェイラは、三角のセットアップから、変形(インディアン・デスロック気味の)レッグロックを仕掛け、スタンドに戻ると、右ヒザをついている状態のレンツの顔面にヒザを打ち込んでしまう。この反則により、結果的にノーコンテスト裁定が下るのだが、レフェリーがこれを流れのなかと判断したのか見落として、オリヴェイラはパウンドからバックマウントの態勢に入り、RNCでタップを奪っている。

上にあるように結果的にはノーコンテストとなったが、レンツのギロチン以外は下になろうが、全てはオリヴェイラの思い通りに試合は進んでいた。反則のヒザ蹴りにしても、レンツの立ち上がり際だったので、あと1秒遅ければリーガル・アタックだった。決して反則を認めるわけではないが、それほどあの日のオリヴェイラの動きは秀逸だったのだ。あれから3年3カ月、オリヴェイラはテイクダウンもこなすようになったが、フェザー級転向後も4勝2敗とレンツの戦績に劣る。

カブ・スワンソン&フランキー・エドガーに敗れているオリヴェイラ、レンツの一敗はチャド・メンデスに喫したものだ。ランキング的にはレンツが8位、オリヴェイラは14位。勝ち星を積み重ねているファイターが上位に陣取り、なかなか変動が見られないのが、ランキングシステムの特徴であるものの、この試合で勝てば実力+印象点ではトップ5入りするといっても過言でない。レンツは悪夢のような前戦とは違う戦いを見せることができるのか。オリヴェイラとしては、しっかりと勝ち星を取り返したい。あの躍動感あふれる、技の連係が見られれば彼の勝利は堅い。そう断言できるほど、前回の試合でのオリヴェイラの動きは、他に比肩する者がないほど、素晴らしいものだった。

■UFN50対戦カード

<ミドル級/5分5R>
ジャカレ・ソウザ(ブラジル/4位)
ゲガール・ムサシ(オランダ/7位)

<ヘビー級/5分3R>
アリスター・オーフレイム(オランダ/7位)
ベン・ロズウェル(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マット・ミトリオン(米国)
デリック・ルイス(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョー・ローゾン(米国)
マイケル・キエーザ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ニック・レンツ(米国/8位)
シャーウス・オリベイラ(ブラジル/14位)

<フライ級/5分3R>
ジョン・モラガ(米国/5位)
ジャスティン・スコッギンス(米国)

<ライト級/5分3R>
アル・イアキンタ(米国)
ホドリゴ・ダム(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ハファエル・ナタウ(ブラジル)
クリス・カモージ(米国)

<バンタム級/5分3R>
松田干城(日本)
クリス・ビール(米国)

<フェザー級/5分3R>
ショーン・ソリアーノ(米国)
チャス・スケリー(米国)

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