【UFC200】ジム・ミラーと対戦する五味隆典、スカ勝ちへの方程式とは?!
【写真】2年3カ月振りの勝ち名乗りを受けることができるか、五味隆典(C)MMAPLANET
9日(土・現地時間)、UFC史上最高のカードが揃ったといっても過言でないUFC200「Cormier vs Jones 2」がネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開かれる。
今回UFC Three days、日本から唯一の出場となる五味隆典がこのメガ・イベントのファイトパス・プレリミの第1試合に出場しジム・ミラーと対戦する。
一昨年9月のマイルズ・ジュリーでキャリア初のKO負けを喫した五味は、昨年7月のジョー・ローゾンにもTKO負けし連敗中だ。これまで47戦(※35勝11敗1NC)と経験を積んできた五味にとって4度目の連敗だが、3連敗を喫したことは一度もない。そんな彼にとって今回のミラー戦は、UFCファイターとしては間違いなく剣が峰の試合となる。
そんな五味と対戦するミラーは、かつては7連勝を飾るなど世界王座挑戦まであと一歩というところまで登り詰めながら、ここ一番でベンソン・ヘンダーソン、ネイト・ディアズに敗北。現在は五味と同じく連敗中で、過去5戦でいえば1勝4敗と厳しい戦いが続いている。その4敗を喫した相手はドナルド・セラーニやディエゴ・サンチェスに混ざり、ベニール・ダリーシュ、マイケル・キエーザが含まれており、ジュリーに敗れた五味と同じように舌からの突き上げを喰っている状況だ。
柔術黒帯のミラーはキャリア25勝(※8敗NC)のうち13試合で一本勝ちしており、オクタゴンではシャーウス・オリヴェイラをヒザ十字で仕留めた一戦や、メルヴィン・ギラードをRNCで倒した試合が印象深い。とはいってもミラーはバリバリの寝技師というわけではなく、サウスポーの構えから打撃で間合いを掴んでテイクダウンに持ち込むファイター。五味が気をつけないといけないのはやや通り距離では左ロー、そして近づいてきた時の右フックだ。ミラーはこの右を効かせてから左ストレートを交えて前に出てくる。
と同時に、この瞬間がまさに五味にとってはチャンスとなる。ミラーの打撃戦は相手のパンチはバックステップでかわし距離を取り直し、自らの前進でペースを掴むというもの。下がりながらのカウンターはほとんど見られず、また前進してきたときも打ち終わりにその場に留まっていることが殆ど、だ。つまり五味は徹底して追いかけてケージに追い込むか、前に出てきたときの打ち終わりにパンチを打ち込める。特に後者は有効手段。両方の構えでKOパンチを持つ五味だけに、ミラーの前進に合わせてスイッチし攻撃を入れることも可能だろう。
ただし、あれだけ打ち合いに強かった五味も、ここ2戦を見てわかるように倒される姿を露呈している。殴り合いでなく、パンチを貰わずに如何に自らの拳を叩きこむかも大切になってくだろう。何よりも寝技に持ち込まれて心身ともに疲弊しないことが重要で、ここもミラーのテイクダウン狙いにかつてのように受け止めて上を取る動きができるかが鍵を握ってくる。
とにかくミラーが前に出てきたときの相手の攻撃の見極めと防御、自らの攻撃手段の選択と、判断力の持続=スタミナの維持が必要になってくる五味。スカ勝ちも十分に可能なミラー戦だけに、この辺りに注目したい。
■ UFC200対戦カード
<UFC世界ライトヘビー級統一王座決定戦/5分5R>
[王者] ダニエル・コーミエー(米国/正規王者)
[挑戦者] ジョン・ジョーンズ(米国/暫定王者)
<ヘビー級/5分3R>
ブロック・レスナー(米国)
マーク・ハント(ニュージーランド/8位)
<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ミーシャ・テイト(米国)
[挑戦者] アマンダ・ヌネス(ブラジル/4位)
<UFC世界フェザー級暫定王座決定戦/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル/1位)
フランク・エドガー(米国/2位)
<ヘビー級/5分3R>
ケイン・ヴェラスケス(米国/2位)
トラヴィス・ブラウン(米国/7位)
<女子バンタム級/5分3R>
キャット・ジンガーノ(米国/3位)
ジュリアナ・ペニャ(米国/5位)
<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/6位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/12位)
<バンタム級/5分3R>
TJ・ディラショー(米国/1位)
ハファエル・アスンソン(ブラジル/3位)
<ライト級/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
エンリケ・マリーン(スペイン)
<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国)
ジョー・ローゾン(米国)
<ミドル級/5分3R>
ゲガール・ムサシ(オランダ/8位)
チアゴ・サントス(ブラジル/15位)
<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
五味隆典(日本)