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お蔵入り厳禁【Pancrase315】林源平とライト級暫定KOPT。雑賀ヤン坊達也─02─「ゴールがRIZIN」

Saika【写真】2月から3月、3月から5月。元からなかったとして挑戦するのがベストか (C)MMAPLANET

2月16日に行われたPancrase312で、暫定ライト級KOP王者サドゥロエフ・ソリホンに挑戦予定だった雑賀・ヤン坊・達也は、ソリホン欠場を受けて一度は3月8日のPancrase313でライト級暫定KOP王座を賭けて林源平と戦うことが決まった。

しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて同大会が4月12日にスライドされ、彼の王座挑戦は5月の31日のPancrase315で組まれることに。

お蔵入り厳禁──ここでは3月8日に王座決定戦を行う予定で会見に出席した直後に行ったインタビューの後編をお届けしたい。試合は2カ月以上先になったが、これを機会に雑賀”ヤン坊”達也という選手を少しでも知ってもらえると幸いだ。

<雑賀ヤン坊達也インタビューPart.01はコチラから>


──それでもケージに入って、向き合うとスイッチが入るような感じでしょうか。

「やるしかない。逃げられないじゃないですか。そこで逃げてしまうと、もうファイターでいられないですからね。あの時点で目から火が出るというか、アドレナリンが分泌されているというのでしょうか……」

──トム・サントスは逆に我々と同じ、戦績や経験値などで余裕を持っていたかと思います。

「試合をしている最中にセコンドと喋っていて、なんか舐めているのかっていうのはありました。でも、向き合うと『意外とできないことはないな』と感じました。プレッシャーは凄かったですが、『やれる』と思いましたね。でも良いのをもらって意識が飛びましたけど(笑)。行く気持ちが強くない過ぎて、一発もらっちゃいました。

どこで行こうかと思っていて、『ここだ、行こう』ってなった時にもらってしまって。意識が飛んで朦朧としていました。で、気が付いたらトム・サントスが倒れていたんです(笑)」

──いやぁ、無意識下の意識ですね。まさに。闘争本当でダウンを奪いました。

「意識が戻ると、グラウンドで試合を決めにいってしまって(笑)。これはダメだ、もう一度立とうと思いました。あの判断は自分のなかでも正解でしたね」

Saika vs Santos──その後、右ストレートでダウンを奪いパウンドアウト。トム・サントス戦の勝利、自信になりましたか。

「自信……そうですね、僕は自分の強さは判断できないです。だから自信はないかもしれないですね(苦笑)。ソリホンとの試合も……またこんなのが来たのか、どうすんべなって(笑)。まぁ対策練習をして、何とか結果は残せているのですが、今も弱気のまんまだと思います」

──ヤン坊選手はどうしても打撃のイメージが強くて、組み技や寝技に関しては未知数なのですが、ご自身としては熟練度に関してどのように考えていますか。

「寝技はできないと思われているでしょうね。でも、練習をしているので対応はできます。それに一本を取れるからといってスタイルを変えてしまうと、俺でなくなってしまうので。寝技も対応はできると思っていますけど」

──そういう面で、普段から長岡弘樹選手のあの押し込み&テイクダウンと練習で向き合うというのは大きくないでしょうか。

「これ言っちゃって良いのか?(苦笑)。ボスのテイクダウン能力は凄いモノです、パワーもスタミナも。練習ではその組みを切って、打撃で逆にプレッシャーを掛けたり……それはデキてきていると思っています。なのでボスがウィル・チョープと戦った時に、何度も背中をつけさせていたので……あれを見て俺もできてきているのかと思いました。対組みという部分では、しっかりと練習させてもらっています。

ボスの組みを受けているので、大概の相手とは普通に対応できると思います。ドンピシャのタイミングで組まれると、それは倒れてしまうかもしれないですが、その前に打撃で圧力をかけていると、テイクダウンは取られない……ようにはしています(笑)。

そうやって練習していることで、弱気な部分とバランスがとれていっているんだと思います」

──ところで就職をしてから格闘技の練習を始めたということですが、今も仕事と格闘技を両立している形ですか。

「ハイ。米海軍のベースで、船を直す仕事をしています」

──米軍のベースで仕事をしていると、普通の企業より練習や試合がしやすいと聞いたことがあります。

「実際、超ホワイト企業ですね。仕事は定時スタートで、終る時間も決まっている通りです。有給休暇は全て消化できますし、働きながら格闘技をするには最適だと思っています」

──ご結婚は?

「20歳の時にして、子供が2人いて3年生と1年生です。ただし僕は自分のことばかりに夢中になって、良い父親ではないです。迷惑ばかりかけているので。だからこそ試合で勝って、『お前らの父ちゃんは強いんだぞ』っていうのは見せたいと想いっています」

──凄く家庭的で、なんだかヤン坊というリングネームから程遠いではないですか(笑)。

「ヤン坊は携帯のアプリで名前を付けるのに、実名の達也だけだとできなくて。その時にシルベスター・スタローンのランボーという映画が頭に浮かんで、『ヤン坊』で良いわって(笑)。で、ゲームのなかでヤン坊、ヤン坊って呼ばれるようになって、それをそのまま使ったんです」

──今日、色々と話を聞かせて頂いてヤン坊選手のイメージが凄く変わりました。目指すところがあると会見で言われていましたが、その目指す場所というのは?

「そうですね、RIZINを目指しています。RIINに行くには、僕には肩書がまだないです。パンクラスのチャンピオンになると、肩書ができるので名乗り上げるためにもベルトが欲しいです」

──林選手とのタイトルは暫定王座で、正規王者には久米鷹介という選手が控えています。

「正規王者になるつもりです。ベルトを獲って、ゴールがRIZINと考えていますっ!!」

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