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【UFC163】魔の残り15秒、リョートがデイビスのTDに敗れる

<ライトヘビー級/5分3R>
フィル・デイビス(米国/7位)
Def.3-0: 29-28, 29-28, 29-28
リョート・マチダ(ブラジル/1位)

割れんばかりの声援に迎えられたリョート。試合はデイビスの右ミドルで始まった。右手を差し出すリョート、デイビスは左手でリョートの左手を制していく。リョートは左ミドルを打ち、左ストレートを伸ばす。距離を取り、間合いを外したデイビスだが、左ローを受ける。両手を下げてローを出すリョート、デイビスのスーパーマンパンチは決まらない。リョートの前蹴りを横への移動でかわすデイビスだが、左ハイを受けそうになる。

緊張感のある試合は、残り2分へ。右を打ち込んだデイビス、続く左ミドルにリョートが突きを合わせる。オーソにスイッチしたリョート、奥足も前蹴りを放ち、サウスポーに戻すと、デイビスの右ハイをブロックして、二段突きから飛びヒザを見舞っていく。距離を取ったデイビスは、リョートの左ストレートにテイクダウンを合わせる。ハーフから腕を狙うデイビス。リョートは腹の前でクラッチを組んで耐えるも、ボディへのパンチを受け初回が終わる。

2R、両者の奥足の前蹴りが交錯する。リョートはサウスポー、左回りのデイビスが右に移動すると、リョートの左ハイが襲う。前蹴りで間合いを図るリョート、やや拳に力が入っているか。デイビスは大きなハイキックでリズムを狂わせようとして、スーパーマンパンチにつなげる。しっかりと見切ったリョートは、テイクダウン狙いも跳ね返すと左の突きをヒットさせる。

左右のステップを続けるデイビスだが、やや疲れが見えるか。リョートが口を開けるシーンも。リョートの前進に、下がらずパンチを出すデイビス。間合いができると、さらに一歩下がる。リョートは突きを出し、カウンターのテイクダウン狙いを捌いて左ハイを繰り出す。テイクダウンを奪うには、デイビスも打撃の精度を上げたい。そのデイビスの右に左を合せたリョートは、ケージの前から右を打ち込む。とデイビスはボディロックから大内刈りでテイクダウンを奪い、ボディにヒザ、頭部にエルボーを落して2Rを戦い終えた。

最終回、リョートはインサイドの左ロー、デイビスはアウトサイドのローを返す。蹴りで前にでるデイビス、削られたのはリョートか? リョートも左ミドルを返し、テイクダウン狙いをここでも遮断する。オーソのリョートが右の前蹴り、そのままサウスポーに戻し、左に回る。ヒザ蹴りで組みに来たデイビスのバランスを崩すと、リョートが逆に組んで寝技へ。立ち上がったデイビスはバックを取られていたが、腕を剥がして向かい合う。

左ロー、左ジャブで前に出るデイビス、リョートが前に出ると距離を取り返す。残り2分、両者が前に出て接近戦が増えると、リョートはヒザ蹴りに組みつかれるが、抜群のバランスを駆使して、ここでも自分が上を取る。すぐに試合はスタンドに戻ると、リョートの左にデイビスは左ミドルを合せようとするが、軸が乱れている。残り1分、リョートの左ヒザに組みつき、前に押し込んだデイビス。ここでもリョートがテイクダウンを防ぐ。リョートの左ハイはブロックされるも、最後もテイクダウン狙いを切り、白熱の試合はタイムアップに。

ラウンドの多くを支配しながら、最後にテイクダウンを奪われたリョートの1&2Rをジャッジがどのように判断するか。ジャッジは3者とも29-28でデイビスを支持。場内大ブーイングのなか、デイビスはリョートを称え「作戦はテイクダウンを取ることだった。やりたいことをやった」というコメント中もブーイングは大きくなり続けた。一方のリョートは「ジャッジの判断は分からないけど、場内の声を聞いてほしい」と無念の表情を浮かべた。

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