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【WJJC2016】World レビュー<01>誰が勝ってもおかしくないルースター級、群雄割拠のライトフェザー級

Rooster【写真】その質の高さ、誰が勝ち残るか分からないという点では今年の神階級になるやもしれないルースター級(C)MMAPLANET

6月1日(水・現地時間)から5日(日・同)にかけてカリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われる。今年度における各階級、そして無差別級における競技柔術世界一を決定するこの大会。まずは軽量2階級の見所をお届けしたい。

【ルースター級】
昨年、一昨年とブルーノ・マルファシーニ(アリアンシ)とジョアオ・ミヤオ(PSLPBシセロ・コスタ)が決勝で大接戦を繰り広げた(ともに僅差でマルファシーニが勝利)この階級。今年はこの2人に加え、この2年間世界大会を欠場していたもう一人の頂点=カイオ・テハ(カイオ・テハ・アソシエーション)がエントリー。ついに世界の3強が出揃って最軽量級世界一を競うことになった。

今年はまだ公式戦の場に姿を見せていないマルファシーニに対し、テハは今年のヨーロピアンオープン決勝で芝本幸司にあわやというところまで追い詰められながら、最後の数秒、スタンドからグラウンドに移行する攻防でアドバンテージを稼いで勝利、勝負強さを見せつけている。そしてジョアオは今年も大小さまざまな大会に出場し、アブダビ・ワールドプロの決勝で同門のイアゴ・シウバに優勝を譲った以外は全勝という充実ぶりだ。

マルファシーニ×ジョアオが実現すれば3年連続、マルファシーニ×テハは09年から13年まで毎回決勝で顔を合わせてきた宿命のライバル対決、そしてテハ×ジョアオは注目の初対決となる。どの組み合わせが実現しても見逃せない。

Tiago Barrosこの三強の壁を突き崩す有力候補には、昨年のライトフェザー級3位、ミヤオ兄弟の同門にして強烈なパスガードを誇るチアゴ・バロスや、今年のパン大会で芝本幸司を僅差で下し、決勝では敗れたものの難攻不落のガードを誇るマイキー・ムスメシからパスを奪ったルーカス・ピニェーロ、昨年のブラジレイロの覇者イヴァニエル・オリヴェイラといったチェックマット勢、ベテランのバタタことハファエル・フレイタス(グレイシー・バッハ)らが挙げられるだろう。

さらに日本からは、上述の芝本幸司が参戦。今年のヨーロピアン決勝でテハ相手に限りなく勝利に近づいてみせた芝本は、この一年間で自ら設定した課題=トップゲームの強化に関しても大いに手応えを感じているようだ。世界に最も近い日本人男子柔術家による悲願達成を期待したい。

Hashimotoそして昨年の茶帯同級世界王者、橋本知之(カルペディエム)もエントリー。今年のパン選手権で優勝者のマイキー・ムスメシ相手に互角の攻防を展開、世界レベルの実力を見せつけた橋本は4月のジャパニーズ・ナショナルズではあえて一階級上のライトフェザー級に参戦し、宮地一裕、鍵山士門といった日本のトップ勢に完勝している。

この23歳の若者が、世界柔術黒帯初挑戦にして世界を驚かせる可能性は大いにあるだろう。またベテランのテクニシャン、吉岡崇人もメンデス兄弟のアートオブ柔術所属で参戦する。


【ライトフェザー級】
Paulo Miyao昨年はパウロ・ミヤオ(PSLPBシセロ・コスタ)の圧勝に終わったこの階級だが、今年度は強豪が集結、屈指の大激戦区となった。

まずは前回優勝のパウロ・ミヤオの連続エントリー。今年は一つ上のフェザー級を中心に精力的に戦い続けたパウロ。ヨーロピアンとアブダビプロの決勝においては、体格上のマーシオ・アンドレに僅差の敗戦を喫したものの、パン大会では天敵のケイシーニョことオズワウド・モイジーニョを下して優勝。以前より力強さが増したパウロは、やはり不動の優勝候補筆頭と言えるだろう。ここに、同門のイアゴ・シウバもエントリーさせたPSLPBシセロ・コスタは、二人によるクローズアウトを狙う。

Musumeciシセロ・コスタ軍のワンツーフィニッシュを阻む有力候補の第一番手は、昨年の同級の茶帯世界王者の弱冠19歳、マイキー・ムスメシ(アトス)。

昨年末、黒帯昇格したばかりにしてジョアオ・ミヤオに勝利して世界を驚かせたムスメシは、今年に入ってもパン大会のルースター級を制覇。通常のベリンボロだけでなく、トラックポジションからバックを奪う技術も冴え渡るムスメシは、ミヤオ兄弟よりさらに一歩進んだモダン柔術の使い手と呼べるかも知れない。

Kakoベリンボロ等のモダン柔術に加え、強烈な極め力を持つこの男の参戦もまた、トーナメントを一段と面白くしてくれるに違いない。日本勢に目をやると──ベリンボロ使いの印象が強いオールラウンダー=加古拓渡(グラップリングシュートボクサーズ)、クローズドガード&一本勝ちにこだわる宮地一裕(修斗ジムRoots)が参戦。あまりにも厚い世界の壁に挑むこととなる。

Miyachi実質、日本勢にとっては2日目に残ること=ベスト8を目標とするのが妥当になるほどのライトフェザー級に厚みを加えている面々にフェザー級で戦ってきた米国モダン柔術の旗手、ジャンニ・グリッポ(アリアンシ)が存在する。

Grippoかつてジョアオ・ミヤオと一時間延々とダブルガードの攻防を続けた技量の持ち主のグリッポは、春のNYオープンでは二階級上のライト級を制している。体格の優位を活かしての世界初制覇の可能性は大いにあると見ていいだろう。

もう一人大注目なのは、やはりアトス所属にして久々に世界の舞台に復活を果たす怪物アリ・ファリアスだ。11年、黒帯昇格後すぐにブルーノ・マルファシーニを倒すという大仕事をやってのけたファリアスは、同年の世界柔術では決勝を当時同門のギィ・メンデスに譲ってのクローズアウト。13年の世界柔術決勝では、ガブリエル・モラエス相手に試合終了まで勝っていたものの、喜びのあまり試合場から出てしまったことでペナルティを受けて敗戦、幻の世界王者となってしまった。それ以来試合出場から遠ざかっていたファリアスが今年になって復活。

その上、13年の世界王者ガブリエル・モラエス(アリアンシ)、昨年準優勝のダニエル・ベレーザ(SASチーム)等のベテラン勢、コブリーニャの弟子で今年が世界大会黒帯初挑戦となるアイザック・ドーダーライン(アリアンシ)らの強豪も参戦。ライトフェザー級はまさに群雄割拠状態だ。

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