【PXC49】キャリア3戦目、2度目の海外での勝ち名乗り――松嶋こよみ「日本と海外で」
【写真】キャリア3戦、海外経験が2試合。今回は4000人ほどのファンの前で戦った松嶋。時代は変わったということか。セコンドと務めたAACCの先輩・大塚隆史と(C)MMAPLANET
7日(金・現地時間)に開催されたPXC49で、キャリア3戦目にして2度目の海外での試合を行った松嶋こよみ。
エリック・ギャトマンをスラムでKOし、大きな歓声を浴びた。かつてないキャリアの積み方をしている松嶋、勝利の余韻に浸ることなく――反省ばかりを口にする彼の試合直後の声をお届けしたい。
――豪快なスラムでの勝利、おめでとうございます。
「ありがとうございます」
――あのスラムはキャンバスが硬いこともあり、狙っていたのですか。
「いえ、そんなことはないです。今回、緊張してしまっていて全く自分の動きができなかったので。取りあえず上からパウンドを落とすために、離そうとしたらああいう形になったんです」
――緊張をしたのは、会場の雰囲気など原因ですか。
「ハイ、今回がプロになって3試合目なのですが、こんな大きな場所で戦ったのは初めてなので、会場の雰囲気に飲まれました。修斗では新宿フェイス、2戦目のカナダでの試合もホテルの宴会場みたいなところで。そこも僕にすると広かったのですが、PXCは別モノでした」
――PXCで戦うことになったのは、どういった経緯だったのでしょうか。
「7月の終わりに話をもらって。通常体重に近い状態で戦っているので、体調も問題ないし戦おうって思いました」
――外国人相手に通常体重はリスクが高くならないでしょうか。
「ハイ。日本ではライト級で戦い、海外で戦うときにフェザー級に落とすつもりでやってきていました。今回は特別です。急遽出場となったので」
――日本ではライト級というのは?
「そこで負けていると、どうしようもないので。ライト級でも力負けはしたくないという考えで、今は戦っています。今夜の試合は初めて打撃を受けたので――僕のキャリアでは日本の選手のことも分からないのですが、強い選手はこういう打撃を貰うことを経験しているんだろうし……。ただ、外国人だから強いというのはそれほど感じなかったです」
――がぶられてヒザを頭に受けた後、咄嗟に手をキャンバスに着けることでて追い打ちを貰わないようにしていました。
「テイクダウンされる前にローブローがあって、それが効いてしまっていたので、とりあえず落ち着こうと思っていたらヒザを貰ってしまって……。ダメージはなかったのですが、続くと危ないと思って手を着きました。がぶられた状態は色々と練習してきたんで、怖さがそれほどなくテイクダウンの機会を伺っていました。
逆に対戦相手もがぶってから攻めてこなかったので、ブレイクが掛かるかなと思ったのですが、掛からなかったので近い位置にあった足を取っていきました。スタンドに戻したいという気持ちがあったので、少しブレイクを待っていたのですが、そうでなければもう少し早くテイクダウンも取れていたと思います」
――凄く冷静に戦えていたのですね。
「いえ、もっと早く頭を切り替えてテイクダウンを取っておくべきでした。相手も変わらないキャリアの持ち主でしたし……。海外で戦うから、もっと経験のある強い選手と戦うことになると覚悟していたので。でも、戦績も少ない相手だと分かって本当にチャンスなのでインパクトが残る試合をしようと思っていました。そう考えると舞い上がってしまって、たくさん改良点があることは分かりました」
――改めてPXCで戦った感想を教えてください。
「緊張はしたのですが、戦っていて気持ち良かったです。お客さんも試合後に握手してくれたり、そういうなかで戦えたのは嬉しかったです」
――今後の試合予定は?
「今年は修斗の新人王トーナメントに出ているので、そこをまず取りたいです。新人王を取ってからのことは分からないですが、日本と海外の両方で戦ってキャリアを積んでいきたいです」
――このPXC出場を機に、これまで前例のなかったキャリアを積んでいけるかもしれないですね。
「目標はUFCでチャンピオンになる、そのためにやっているので他の選手がしていることと同じじゃなく、自分のやりかたでUFCを目指したいと思っています」
――UFCでチャンピオンになるには、今回セコンドに就いていた大塚隆史選手を練習で圧倒するぐらいでないと(笑)。
「めちゃくちゃ強いですし、普段からずっと一緒にやってもらっているので……。大塚さんも上を目指してやっているので、今はついていっている状態ですが、自分が引っ張れるぐらいになりたいです」
――この松嶋選手の言葉を打撃を見てくれている岩崎(達也)コーチも目にすると思います。
「もう、この試合に関しては間違いなく怒られます。帰るのが怖いです。でも、改善点があるということはノビシロがあるということなので、まだまだ自分を試合で出せていないので出せるように頑張ります」