【Shooto 30th Anniv.】宇野薫、無名のオランダ人柔術家に完敗。決断の時が訪れたか……
<フェザー級/5分3R>
デュアン・ヴァン・ヘルフォート(オランダ)
Def.3-0:30-27.30-27.30-26
宇野薫(日本)
まず左の蹴りを見せた宇野だが、ヘルフォートが組みついてボディロックテイクダウン。ロールを繰り返す宇野は、バックを取られそうになっても胸を合わせて上を取ることに成功する。立ち上がった宇野にハイガードから三角で組みにいったヘルフォートだが、これは極めることができない。
ヘルフォートはクローズドガード、さらにラバーを狙う。鉄槌を落とす宇野は足を一本抜きにかかり、戻されてからの三角、続くオモプラッタを防いでパンチを打っていく。パス狙いからバックを伺った宇野に対し、ヘルフォートはガードに戻す。駆け込むように一気にパスを狙いにいったが、ここでヘルフォートが腰をコントロールしてトップを奪取、マウントからバックマウント、合間にパンチを入れて初回を取った。
2R、右を被弾し首相撲からヒザをボディに連打され宇野は、テイクダウン狙いにもバックを許し、ガードを取る。サイドを取られ、ケージを蹴って逃げようとした宇野は、スクランブルでバックを許す。両足フックから四の字で組んだヘルフォートの前に、劣勢が続く宇野をファンが宇野コールで後押しをする。
胸を合わせるため正対しようとする宇野は、四の字フックから逃れることができずパンチを受ける。胸を合わせにいっても、足が伸びておりヘルフォートが背中についていき、マウントへ。パンチを被弾し背中を見せた宇野は、ラウンド終了まで粘りぬいた。
最終回、左ミドルを蹴った宇野は組まれても、バックを譲り下になってもキムラクラッチから上を取る。腕狙いを切り、スクランブルのヘルフォートが宇野のニンジャチョークを組み伏せ、バックマウントへ。宇野はスクランブルで上を狙う。ヘルフォートはオモプラッタ・スイープでトップを取り返し、バックに回る。胸を合わせた宇野だが、腰を押されて下に。ロールのなかでマウントを取ったヘルフォートがバックマウントに移行。上を向いた宇野を殴るヘルフォートは、パンチを打ち下す。正対し上を取った宇野のパス狙いに、ヘルフォートがボディロック・リバーサルへ。ギロチンをパスで潰され、マウントを取られた宇野は顔面を大きく腫らしてタイムアップを迎えた。
結果、宇野は0-3で判定負け。頑張った──という声で称賛するのは簡単だが、この厳しい現実を前に周囲は彼のMMA後を念頭に置いた進言が必要だ。それが日本のMMAをリードし続けた努力の鉄人に対する、最大の敬意の表し方であるはずだ。