【PJJC2019】ライト級本命は、欧州でルーカス・レプリを破った豪州のジョーンズレアリー!!!!
【写真】クレイグ・ジョーンズに続き、豪州からリーヴァイ・ジョーンズレアリーが現れた (C)IBJJF
21日(木・現地時間)から24日(日・同)にかけて、カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が行われる。世界選手権への前哨戦とも言えるこの大会のプレビュー最終回は1月のヨーロピアンで世界絶対王者ルーカス・レプリを倒した超新星、リーヴァイ・ジョーンズ=レアリーの出場するライト級の見どころを紹介したい。
ライト級最注目選手は、豪州出身の超新星、リーヴァイ・ジョーンズレアリー(ユニティ柔術)だ。ニューヨークのユニティ柔術でミヤオ兄弟らと練習を積み、昨年の茶帯世界王者に輝いたこの若者は、黒帯メジャー大会デビューとなる今年1月のヨーロピアン決勝にて世界5連覇(チームメイトとのクローズアウトも含む)中のルーカス・レプリと対戦。
強力なデラヒーバガードから凄まじいキレの回転系スイープを繰り出しては、レプリが必殺のニースライス・パスの仕掛けを作ろうとするたびに即座に対処し、互角以上に渡り合った。最後のレフェリー判定こそ2-1だったものの、内容的には完勝。まさに柔術界を揺るがす若干21歳のヨーロピアン戴冠劇を演じたのだった。
まさかの敗戦を喫した絶対王者レプリだが、前日の無差別級にて階級上の相手を次々と倒す獅子奮迅の活躍を見せていた。それが響き、翌日のライト級は万全には程遠い体調で臨まざるを得なかったのは事実だ。しかしそれはジョーンズレアリーの勝利がフロックだったことを意味するものではない。事実ジョーンズレアリーは、その前の準決勝でも超強豪のジャンニ・グリッポと対戦しており、相手の得意とするモダン柔術戦でベリンボロから上を取ると、レッグドラッグの形でニアパス、ニアバックテイクの体勢まで持ち込んで完勝。
ヨーロピアン直前に行われたグランドスラム・アブダビ大会では──MMAに意識がいっているとはいえ、あのホベルト・サトシ・ソウザにも完勝しているジョーンズレアリーが、驚異的な能力を持ち合わせていることは疑いえない。その世界最先端のベリンボロ・ゲームは、今大会も猛威を振るうことだろう。
ジョーンズレアリーと並ぶ優勝候補──いやむしろ本命と言うべきか──が、昨年の世界選手権準優勝者のヘナート・カヌート(チェックマット)だ。同年1年のヨーロピアンでは岩崎正寛に敗れ、その躍進のきっかけを作ってしまったカヌートだが、続く世界大会で大ブレイク。元世界王者マイケル・ランギ、ヴィクトー・シルヴェリオ、ミドル級世界準優勝者ヴィトー・オリヴェイラといった難敵を次々に倒して決勝進出を果たした。
決勝こそ絶対王者レプリとの立ち技合戦で競り負けたものの、世界の頂点に極めて近い場所にいることを証明したのだった。ヨーロピアンで世界を震撼させたジョーンズレアリーとの一戦が今回決勝で実現すれば、大会屈指の注目カードだ。
もう一人の注目選手は、本来下の階級で戦うことの多いケイシーニョことオズワウド・モイジーニョ(アレス)だ。以前ミヤオ兄弟相手にギ有り・なしの両方で勝ち続け、ミヤオ・キラーとして名を馳せたこともあるケイシーニョは、今月初めのスパイダー・インビテーショナルにてジョーンズレアリーにレフェリー判定で勝利。ライト級でも世界トップの実力を持つことを見せつけた。
今回、順当に行けば準決勝でカヌートと当たるケイシーニョ。(別ブロックから決勝に進出してくることが濃厚な)ジョーンズレアリーを直近の大会で倒しているだけに、このカヌート戦を突破すれば、戴冠の可能性がぐんと高まることになる。