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【WJJC2016】World レビュー<04>最強決定戦はファリア×ブシェシャ? 重量級の戦い模様は??

Buchecha & Faria【写真】2016年、柔術世界一の座を争うことになるのか、ブシェシャ×ファリア (C)MMAPLANET

6月1日(水・現地時間)から5日(日・同)にかけてカリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われる。今年度におけるタイムリミット有り&ポイント有りの各階級、そして無差別級における競技柔術世界一を決定するこの大会レビュー、最終回は重量級3階級と無差別級の見所をお届けしたい。

【ヘビー級】
昨年優勝のシャンジ・ヒベイロが欠場、準優勝のルーカス・レイチはミドル級に下げて不在となったこの階級だが、昨年以上に充実したメンバーが集まっている。

一番の注目は今年に入って目覚ましい活躍を見せている新鋭のアーバース・サントス(ハイアン・グレイシー・チーム)だ。本年度のヨーロピアン大会の無差別級にて、フィリッピ・ペナ(グレイシー・バッハ)の腕を十字で破壊して(試合はチョークで一本負けしたものの)長期欠場に追い込んだサントスは、アブダビプロの階級別決勝でペナと再戦。なんと試合開始早々ペナの難攻不落のガードを超えてマウントを奪取。その後も全く主導権を渡さずに完勝してみせた。

さらに同大会の無差別級では、アトスの闘将アンドレ・ガルバォンにもパスのプレッシャーでアドバンテージを奪って快勝。その後最重量級のヴィクトー・ホノリオ相手に膠着した展開の末に痛恨の両者失格となってしまいメダルこそ逃したものの、改めてジル直者振りを証明してみせた。サントスが世界初制覇を成し遂げる可能性は大いにあるだろう。

Felipe Penaこのサントスと並ぶ優勝候補が、2年前にガルバォンを倒して鮮烈の初優勝を飾った(後に薬物使用が発覚して優勝取り消し)プレギーサことフィリッピ・ペナだ。前述の通りアブダビプロの階級別ではサントスに不覚を取ったものの、無差別級では決勝も一本勝ちを収めて溜飲を下げたペナ。この世界大会ではなんとしてもサントスにリベンジしたいところだろう。

Andre Galvaoそして、凄まじい強さを誇るこの二人の若手を迎え撃つベテランがアトス盟主のアンドレ・ガルバォンだ。アブダビプロでは階級別でペナに、無差別級ではサントスに敗れてしまったものの、どちらの試合も円熟味を増した技で堂々と渡り合った末の惜敗であり、その力に衰えは見られない。この大舞台にて、闘将健在を見せつける活躍に期待したいところだ。

さらにこの3強に加えて、昨年キーナン・コーネリアスを倒して3位になったティム・スプリッグス(ロイド・アーヴィン)や、やはり昨年3位のジャクソン・ソウザ(チェックマット)等の強豪もエントリー、悲願達成を狙う。

【スーパーヘビー級】
昨年この階級で優勝し、さらに無差別級も圧倒的な内容で制して地上最強の柔術家となったべウナウド・ファリア(アリアンシ)が今年もエントリーしている。今年に入っても、必殺のハーフガードスイープからオーバーアンダーパスのパターンを誰も止めることができず、パン大会の無差別級(階級別は不出場)でも決勝でレアンドロ・ロに一本勝ちで完全優勝。天敵のホドウフォ・ヴィエイラがまたしても欠場している今回、分かっているのに防げない、ファリアの真の意味での必殺パターンを打ち破ることができる選手が現れるのかどうかが、この階級最大の見所だ。

その有力候補として挙げられるのは、柔術界屈指の極め業師ルイス・パンザ(チェックマット)、イゴール・シウバ(GFチーム)、そしてベテランのホドリゴ・カヴァカ(ズィニスBJJ)やルシオ・ロドリゲス(グレイシー・バッハ)あたりか。なお、ファリアと同門のアリアンシからはベテランのレオ・ノゲイラも出場。クローズアウトを狙う。

【ウルトラヘビー級】
一昨年まで地上最強の柔術家の名を欲しいままにしていた、ブシェシャことマーカス・アルメイダ(チェックマット)がエントリー。昨年のこの大会におけるヒカルド・エヴァンゲリスタ(GFチーム)戦で左膝を負傷、手術を経て以来の復帰戦となる今回、あの爆発力を活かしたダイナミックな動きがどこまで戻っているのか、大注目だ。

Gabriel Lucas & Ricardo Evengelistaさらにチェックマットからは、昨年ブシェシャの負傷の穴を見事に埋めて優勝を果たしたガブリエル・ルーカスも参戦。2連覇=ブシェシャとのクローズアウトを狙う。

チェックマット勢に対抗するのが、昨年無差別ではブシェシャを負傷に追い込み、ウルトラヘビー級で準優勝を果たしたヒカルド・エヴァンゲリスタとアレキサンダー・トランスのGFチーム勢、昨年の本大会スーパーヘビー級3位にして、ADCC世界大会無差別級準優勝のガブリエル・ホシャ(ソウルファイターズ)、昨年の最重量級&無差別茶帯世界王者のモハメッド・アリー(ロイド・アーヴィン)らだろう。


【無差別級】
これまで紹介してきた階級別以上に注目なのが、本年度の世界最強の競技柔術家を決めるトーナメント=無差別級だ。

最大の期待を集めているのが、何といっても昨年世界最強の座に就いて以来無敵を誇るべウナウド・ファリア(アリアンシ)と、昨年の本大会で膝を負傷するまで数年間その座を守り続けたブシェシャことマーカス・アルメイダ(チェックマット)の一騎打ち。

それまでブシェシャとホドウフォ・ヴィエイラの厚い壁に阻まれ続けたファリア。両者が大会から遠ざかった間にハーフガード&オーバーアンドアンダーパスのコンビネーションを、誰も破ることができない必殺技の域にまで磨き上げてみせた。さらにハーフガードでスイープした体勢のまま相手の膝を自分の両足で伸ばすヒザ十字=ドッグバーや、パスガードを取った後のチョークや腕十字の精度も抜群。凄まじい確率で一本勝ちを量産している。

こうして一つの攻撃パターンを窮めたファリアに対し、ブシェシャは重量級離れした機動力をもって、相手の予測を超えた豪快な攻撃を次々に繰り出して極めを狙ってゆくタイプ。ファリアが、このブシェシャでさえ自分の型に嵌めてしまうのか、それともブシェシャの驚異的な肉体と創造性がそれを凌駕してしまうのか。現在柔術界でもっとも熱望されているのが、この二人の頂上決戦だ。

この二人に加えて、アブダビプロで恐るべき強さを見せた新鋭アーバース・サントス(チーム・ハイアン・グレイシー)、同大会無差別級覇者にして、世界最高のスイープ力を誇るプレギーサことフィリッピ・ペナ(グレイシー・バッハ)、ここのところファリアの必殺パターンに屈し続けている怪物レアンドロ・ロ(N’sブラザーフッド)、創造力の天才キーナン・コーネリアス(アトス)、昨年のADCC無差別級王者クラウジオ・カラザンス(アトス)その他多くの超重量級ファイターたちがどう優勝争いに絡むのか。

またマーシオ・アンドレのように黒帯になっても無差別級に果敢に参戦する軽量級柔術家の活躍も見逃せない。果たして、どのようなファイターが過酷な2日間に挑むことになるのか──、まさに見所満載、年に一度、世界最高峰の柔術家たちが集結しての決戦の場が、この世界大会無差別級だ。

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