【UFC249】「18日はできた」、「ファイトアイランズの話は本当だ」(ダナ・ホワイト)@ ESPN
【写真】まだ諦めきれない様子が伝わってきたダナだが、つまりはこれが世間の目。世間を向うに回すには、米国だけでなく世界の状況は余りにもシビアなのだろう(C)MMAPLANET
9日(木・現地時間)、UFC249の延期を発表したUFC。ダナ・ホワイトがESPNのブレット・オカモト氏とのビデオ・インタビューで18日の大会が行われなくなった経緯、これからを語った。
ESPNより新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大を考慮し、別途通知があるまで当該イベントならびに以後の試合を延期するよう要請があったことで、大会の延期を決めたという公式見解を発表したUFC。
10分ほどのインタビューの冒頭で「これまで言っていたように、この問題とは1日目から格闘してきた。我々は昼夜問わず、18日に大会を開こうとパンデミックと戦い続け来たんだ。今日、ディズニーとESPNの最高レベルから連絡があった」と厳しい表情で語っていたダナは、一瞬苦笑いを見せ「私たちとESPNはパートナーシップを結んでから本当に素晴らしい関係でいたんだ。ESPNは本当に我々に良くしてくれている。そこで来週土曜日のイベントを行うなという力が動いた……」と言葉を続けた。
開催場所に関して、おとぎ話のようなファイトアイランズ計画とカリフォルニア州リムーアのタチパレスという話が挙がっていたが、ダナはこのインタビューで今回のイベントはタチパレスで開く予定だったことを明言し、「世の中が普通に戻ったら、UFCは絶対にタチパレスでイベントを行う。私と行動を共にしてくれた彼らに感謝している」と、窮地に陥った時に手を差し伸べたタチパレスとの絆を感じさせるコメントを残している。
今回の大会を取りやめたことは苦渋の選択であったことは間違いないが、それでもダナは「契約している全てのファイターには健康を第一に家族との時間を過ごし、経済的なことは心配せずに今をエンジョイしてほしい。契約のある選手は、試合を組む。4月18日に試合をする予定だった選手だけでなく、皆のケアをする」と発言し、UFCの社員もレイオフにはしないと言及した。
さらに「ファイトアイランズの話は本当で。今も進んでいる。ESPNとやっているんだ。それぐらいかな、今いえることは……」と言葉が途切れたダナだが、ファンのサポートへ感謝の言葉を述べ、スタッフは世界のベストだと話を続けると、「モノゴトが進めば、ファイトアイランズにスタッフが集まる日をESPNと決める」と再び、滑舌良くインタビューに返答するように。
「選手の安全第一はコロナ問題以前から20年に渡って行ってきた。そこが一番だ。ずっと安全に行うことに務めてきたからUFCはベストなんだ。皆ができないと言ってきたことも、やってきた。カリフォルニアで来週やろうとし、色々あった。その場合は他の開催場所も存在した。アスレチックコミッションと州知事の後押しもあった。4月18日はできたんだ」と、悔やみきれないように話を続けたダナ。
当然、彼の選択や行動力には反対意見も起こるが、そこに関しては「20年間、人に何を言われても構わなかった。NYタイムズの記事だって真実じゃない。嘘だ。そういうことばかりだった。そういう意見には負けない。多くの人は流されても……。土曜日もできた。でもESPNが求めなかった。これまでのESPNとは素晴らしい仕事をやってこられたから……。反対意見が私をKOしたくても、私は起き上る。ただし社員、ファイターを守る必要があるんだ。来週でもできる。パートナーが親指を立ててゴーサインをくれれば再開できる準備は整っている」と、18日開催を諦めきれない言葉を発しながらも、今後について以下のように話した。
「スケジュールを戻せるまで、選手は可能な限りシェイプしていてほしい。ファイトアイランズは実現させる。環境が整うとファイターに島に移ってもらい、トレーニングもそこでするようになる。1カ月あれば、みな揃う。あと1カ月、家を出ることができないけど、島で練習が可能になる。来週もできたんだけど……1カ月以内に会おう」
ファイトアイランズ構想に関しては「これまで通りでやっていくには、まず米国のファイターをどうするのかが問題になる。と同時に海外の選手についても考えないといけない。その結果、島でやっていくことになった」と発端を明かした。
そしてオカモト氏が『スタッフも含め、がっかりしている時にありがとう。ファイトが可能な限り早く戻ってくるよう、動き続けるんだね』と話しかけ、ダナの「違う。4月18日はできた。ファイトは実現できたんだ。でも、こういうことなんだ」という返答でインタビューは終了した。