【Road to ONE02】SARAMI─02─「試合がないと生きていけないし……もう疲れた。でも試合はしたいです」
【写真】非常に気持ちが揺れている時に、取材を受ける約束をしたから──彼女は取材を受けてくれました。SARAMIという選手が何を大切にしているのかは、皆さんに伝わって欲しいです。戦う、戦わない。やる、やらないの裏で、出した答には各々が大切にしているモノが存在していると思います(C)MMAPLANET
17日(日)に開催されるRoad to ONE02に出場予定のSARAMIインタビュー後編。
12日にニューピアホールで鈴木祐子と対戦するつもりだったSARAMIだが、取材の当日に鈴木の欠場を知らされた。インタビューをした時点で大会の日時の変更と、無観客試合になることも確定していなかった。先が見えない──誰もが感じる現状に、真正面から向き合い心が揺れるSARAMIの本音とは。
<SARAMIインタビューPart.01はコチラから>
──現状、ジムの閉館問題などもあって練習が思うようにできない選手もいますし。大会があることに逆風もあるでしょうし。
「う~ん、練習環境であるなら旦那と練習すれば良いじゃないですか!! 家で」
──色々な事情があるのでしょうが、そうSARAMI選手が言いたくなるのも理解できます。
「だってあれだけ充実しているって、SNSでアップしていたじゃないですか。なんか勢いがあるし……なら、やれば良いのに……」
──重ねて、そう言いたくなるのは分かります。と同時に、今の状況は普通ではない。日常という言葉の定義が変わってしまった事態に陥っています。そのなかで選手が試合を戦う、戦わない、主催者が大会を開く、開かないという選択をする。それは尊重するしかないとも思っています。
「まぁ、そうですよね。選手のことを思って大会を開いてくれたのですが、この状況で体重の調整も始めて……練習もやっているなかで、コロナウィルスに感染したらどうしようと思うこともあります。何が正しいか、分からないです」
──分からないですよね。自分も感染したくないし、自分が感染していて人にうつすのも絶対に嫌ですしね。それでもSARAMI選手は試合がしたい?
「やりたいというか、出ると言った以上は大会があるならやらないといけないし。大会がなくなったら、仕方ないですし……」
──延期か中止はその日が終わるまで、ついて回るかと思います。同時にMMAならカットか脳震盪などで病院に行くリスクも高いなか、組み技ならそこを避けることができるのかという考えもあります。
「それは考えてなかったです。別に組み技の選手じゃないから(笑)。MMAが良いです。組み技は違います、私は」
──この取材をさせてもらっている時点では、対戦相手が宙に浮いています。これからの練習について、気持ちが上下することはないでしょうか。
「あるのか、ないのか──で揺らいだりしますけど、あると思って練習しています。勝たないといけないので。今のところ出稽古は大丈夫ですけど、この2、3日でそれも状況が変わってくるかもしれないですし」
──そうですね。我々も今のうちに選手の話を聞こうというのはありました。SARAMI選手を衝き動かしているのは、試合がしたいという気持ちでしょうか。
「試合はしたいです」
──では改めて、今の想い。Road to ONEという大会で試合をする想いをお願いします。
「今の想い……なんだろう、けっこう私は持っていないとか、本当は強くないとか言われるじゃないですか? でも、この状況でも試合があるかもしれないというのは、凄くラッキーで……持っているのかなぁと思います。ここで勝つか、負けるかは自分次第。ちゃんと10月をチャラにしたい(笑)」
──ではAbema TVのカメラに向かって、その試合がしたいという気持ちを一言お願いします。
「えっ、何て言えば良いのかなぁ(苦笑)」(とミット打ちを終えた北岡を見やる)
北岡悟 自分の言葉で言えよ。そんなに試合がしたいと思っていないなら別に言わなくて良いよ。やるのか、やらないのかって話だから。やるなら、やりたいんでしょ? ツイートしてたじゃん。LINEで返してきたじゃん。
「やれるなら、やります」
北岡 なら、やりたいってことだろ。
(北岡に向かい)「試合があるなら、したいです」
北岡 それを自分の言葉で、カメラに向かって!!
「えっ? 自分の言葉って、このままですよ!!」
北岡 じゃあ、できるんだったら試合がしたいですって、それで良いじゃん!!
「ハイ。なんて言えば、分からなかっただけだし……」
──……。北岡選手、圧力かけないで(笑)。試合はしたいと高野さんは言っていたのですし。カメラに向かってというのは苦手な選手も多いですから。
「う~ん……どうしよう……。試合はしたいですけど、ここまで振りまわされて、なくなるなら『ない』って早く言って欲しいです。でも、試合がないと生きていけないし……もう疲れた」
──世の中の人も頑張っていますから。
「ホントにどうなるんですかね……。でも試合はしたいです」