【RIZIN LANDMARK16】RIZIN2戦目=安井飛馬戦。ライアン・カファロ「今のジャッジの傾向を考えると―」
【写真】本当にいつも感じの良い人です (C)MMAPLANET
10月3日(土)、長崎市の長崎スタジアムシティ HAPPINESS ARENAで開催されるRIZIN LANDMARK16。同大会でライアン・カファロが安井飛馬と対戦する。
Text by Manabu Takashima
5月の神戸大会前からSNSを駆使して、日本のファンの気持ちをキャッチしていたカファロは、戦前には不利と思われていた松嶋こよみ戦でドラゴン・スリーパーというまさかの技で一本勝ちを手にした。
この勝利で初めてフルタイムのプロフェッショナルMMAファイターという生活を手にしたカファロは、さらに高みを目指し今回も長崎に早いり。大晦日、2027年に向け、RIZINに求められているファイト、裁定基準を頭に叩き入れ安井を倒すためにケージに足を踏み入れる。
彼がタップをした瞬間、僕が一番驚いていたと思うよ(笑)
――ライアン、もう8日後にRIZIN二戦目となる安井飛馬戦が控えています。前回は相当に早く日本にやってきて調整をしていましたが、現在はどちらに?
「長崎だよ。昨日の夜に、やってきた。ニューアークからシカゴ、羽田と乗り継いでね。約24時間のフライトで、まだ少し時差ボケがあるけど、調整できる時間は十分にある。体重も順調に落ちているよ」
――私は長崎を訪れたことがないのですが、路面電車の走る情緒ある街という印象があります。
「東京や神戸とは全く違うね。今朝起きて、とても静かだった。海の風も感じられ、凄くリフレッシュできたように感じる」
――長崎に先入りして、練習場所など確保できているのでしょうか。
「今朝は公園で汗をかいた。まだ、トレーニング場所は確保できていないけど、今夜まではランニングできれば構わない。明日から、どこか近くのジムに連絡して道場を使わせてもらおうと思っている(※土曜日に095BJJを直接訪れ、松本康雄代表の許可を得て同道場でトレーニングをしているとのこと)」
――ライアンのフレンドリーさは、日本のMMA関係者は承知しているので、きっと練習場所の確保は難しくないと思います。そのライアンの存在を確かなモノとした5月の松嶋こよみ戦を振り返っていただけますか。日本のファンの多くは、ライアンはアンダードッグと捉えていたと思います。それが過去にみたことがないようなフィニッシュで一本勝ちを収めました。
「練習でも極めたことがない技で、あの勝利を手にしたことで日本の皆を驚かすことができた。試合中は1分が過ぎるごとに、マツシマが弱くなっていると感じていた。全エネルギーを使って試合を終わらせようとし、1Rの序盤で力を使い過ぎたようだった。その序盤、僕が劣勢だったことは理解できていたけど、このまま負けることはないという気持ちで戦っていたんだ。15分間を使えば、勝つことができるってね。
マツシマは思ったように試合が進まないと、動きが粗くなる。だからハイペースで戦うことを心がけた。結果、彼は動きが大雑把になり始めた。狙い通りだったよ。ただ彼の前蹴りは本当に痛かった。アレを耐えることができたのは、勝利を掴むという気持ちが僕の方が強かったからだと思う」
――試合を決めた技を仕掛けた時、フィニッシュできると思っていたのでしょうか。
「正直、あの時にどういう気持ちで戦っていたかは覚えていないんだ。首をホールドして、絞めろ、絞めろと強く思っていただけで。だから、試合の映像を視てもらうと分かるだろうけど、彼がタップをした瞬間、僕が一番驚いていたと思うよ(笑)」
――プロレスからドラゴン・スリーパーと名付けられましたが、ライアンはあの技をどのように呼んでいたのですか。
「僕の柔術関係の知り合いは、エクスキューショナー・チョークと呼んでいるけど……あれはバックを取ってRNCを仕掛けた際に、リストを取られた時のリアクションで……」
――バックからの逆ギロチンのような技ですよね。ライアンはギロチンへの対応で左側に回ってきた松嶋選手をワンフックからツイスター的に捻り上げてタップを奪いました。
「そう、だからエクスキューショナー・チョークとは別モノだよね。角度も違うし……ジョシュ・バーネットが言うようにドラゴン・スリーパーで良いと思う(笑)。だから、米国に戻ってからはずっとドラゴン・スリーパーと呼んでいるよ」
――RIZINでの1勝はライアンのファイターズ人生、そして人生にどのような変化をもたらしましたか。
「MMAとして最高レベルのなかで、やっていける技術力が僕にはある。そう確信できるようになったよ。長い間、自分自身に『ここで終わるんじゃない。コンバットスポーツの大舞台で戦うんだ』と言い聞かせてきたけど、マツシマに勝ったことでこれまでの努力が報われた。自分を引き上げてくれる勝利になった。
マツシマ戦の勝利でMMAは僕にとって、最高の趣味ではなくなった。今回の試合に向けて、初めてフルタイムで準備ができた。素晴らしいことだよ」
――では、もう指導もストップしたということでしょうか。
「普段は続けている。でも、今回の試合が決まってからは一切コーチングもストップし4カ月間、自分の練習に集中してきた。コーチが僕のスパーリングの時に、集まる。本当の意味で、プロフェッショナルファイターになれた。そんな気分だったよ」
――松嶋戦の勝利後、平本蓮戦をアピールしました。結果、安井選手との試合が決まった時はどのように感じましたか。
「レン・ヒラモトとヒュウマ・ヤスイのレコードを見比べると、それほど大きな違いはない。あの時点でヒラモトは4勝3敗、ヤスイは4勝1敗だった。そこに関しては、強く意識していたわけじゃないんだ。で、ヒラモトの超RIZINでの試合が発表された時に、僕の出番はないと理解した。
だから、RIZINには『どういうプランが残っている?』と尋ねたんだよ。僕にはまだ大晦日で戦うだけの実績がないから、10月か11月に試合を組みたいということだった。今、僕のキャリアはプライムタイムを迎えようとしている。だから、試合を待って時間を無駄にしたくなかった。
現実的な問題として家族との生活もあるから、このタイミングで試合をしないというオプションはなかったよ。僕が21歳ならもっと大きなチャンスを待ったかもしれない。でも、そんなことをしている時間はない。RIZINもそれを分かってくれて、すぐに動いてくれた。それから1週間もしないうちに、10月の対戦相手が決まった。だからヒュウマ・ヤスイと戦うことに何の不満もない。対戦相手が決まって、凄く嬉しかった」
――では安井選手の印象を教えてください。
「彼は少し、自分の柔道に自信を持ちすぎているように感じる。他にもっと柔道を巧くMMAに使っている選手はいる。彼はあまり良くないポジションでも、柔道に頼っている。結果、ファイトが粗くなる。
でも5試合しかプロファイトの経験がないからしょうがない。彼がそういう風に粗いファイトを仕掛け、エネルギーを使ってしまうと予想しているんだ。同様に僕の経験が勝利に導いてくれることを期待している」
――最近、指導力に定評のある複数MMAコーチと話をした際に「他競技で実績のある選手がMMAに転向すると、町道場でMMAを始めた選手と戦うアマ時代、そしてキャリアの序盤はフィジカルと勢いで勝てる。ただし、勢いに任せた動きで壁に当たるようになる」という話が聞かれました。「アマの間に、パウンド無しの試合でしっかりとMMAに必要なグラウンドコントロールを身につける必要性がある」という意見もあります。
「う~ん、パウンドのない試合で……というのは凄く興味深い話だよ。実は僕がアマチュア時代に戦った最初の9試合は、パウンドが許されていない試合だったんだ。アマでパウンドを使ったのは、最後の1試合だけで。
だから僕はアマ時代に、ほぼグラウンドで相手の顔面を殴っていない。そのパウンドのないファイトで、プロになるために凄く多くのことを学ぶことができた。相手をコントロールすることをね。
ヒュウマ・ヤスイがどれだけアマチュアの試合を戦ってきたかは知らない(※6戦6勝)。でも、僕にはアマとプロを合わせて33、34試合の経験がある。僕らの間は埋めることのできないキャリアのギャップが存在している。
ヒュウマは危険な技を持っているから軽視することはないし、彼の強さを認めている。しっかりとしたモノを試合の日に持ってくるだろう。それでもクリンチ、グラウンドの展開になると彼はラフになる。そういう状態で、僕を上回ることはできないだろう」
ダウトベックの話を続けるとすると、これはMMAだ。拳を負傷したなら、ヒジを使えば良い
――その一方で、MMAの裁定基準は完全にコントロール以上のことが求められるようになりました。
「そう、ダメージ重視だ。それはレン・ヒラモト×ダウトベックの試合でも明白だよね。テイクダウン&コントロールでは、ノーダメージだとジャッジは判断したんだ。ダウトベックは拳を負傷したから、コンサバに戦う必要があったんだろうけど……レン・ヒラモトが立ち上がろうとした際には、もっとダメージを与える攻撃手段はあったはずだ。
もちろん、僕は判定決着にならないように戦っている。そうはならない試合もあったけど、ダメージを与えることを考えて戦ってきた。相手が背中をつけ、僕が上を取ったら即ダメージを与える攻撃を仕掛ける。抑え込んで時間の経過を待つなんてことはしない。
ヒュウマ・ヤスイとの試合に関しても、テイクダウンからトップを取ってコントロールをしている間も彼を消耗させ、最後はスタンドでKOを狙う。今のジャッジの傾向を考えると、そういう試合展開が一番だろう」
――先ほどのダウトベックはスクランブルの時に、ダメージを与えることができたという言葉が聞かれました。確かにRIZINルールはユニファイド・ルールと比較して、多くのオプションが存在します。
「ダウトベックの話を続けるとすると、これはMMAだ。拳を負傷したなら、ヒジを使えば良い。例えヒジをケガしても、他に攻める方法はある。
僕は神戸での試合と同じように、ファンに喜んでもらえる試合をする。イベントが終わって、ファンが家に帰る時に頭に残っているのが1試合だけなら、それは僕の試合だ。スタンド打撃でのKO、パウンドアウト、サブミッション、手段は問わない。僕はヒュウマ・ヤスイをフィニッシュする。そうしないと、勝っても満足できない。
一方的に試合を支配して、エキサイティングな戦いをする。最後にフィニッシュすることで、大晦日の戦いに割って入りたい。それが実現しなくても来年には、コメインやメインで戦いたい。
だいたい、このショーに向けてもSNSで話題を提供しているのは僕だけだ。他のファイターは、僕に感謝しないといけない。RIZINはそういう点もきっと評価してくれるだろう」
――正直なところ記者の仕事をしていて、海外の選手や指導者から「RIZINで戦いたい。紹介してくれ。俺は強い。俺の生徒は強い」という連絡は本当に多いです。そんな時、自分は「強いのは当たり前、RIZINが何を求めているのか、ちゃんと研究すべき。ライアン・カファロのSNSを見るべきだ」と進言しています(笑)。
「ハハハハハ。最高だ。そうやって、他の選手の助けになれるなら嬉しいよ(笑)。実際、僕は信じられないぐらいのファンのサポートを受けている。そんなファンの期待に応えるためにも必ずヒュウマ・ヤスイを倒して、次のレベルに進みたいと思う」
■RIZIN LANDMARK16視聴方法(予定)
10月3日(土)
午後12時30分~ ABEMA、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMAR16対戦カード
<ライト級/5分3R>
堀江圭功(日本)
宇佐美正パトリック(日本)
<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
ライアン・カファロ(米国)
安井飛馬(日本)
<女子スーパーアトム級/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
NOEL(日本)
<ヘビー級/5分3R>
マック・パパリイ(サモア)
赤沢幸典(日本)
<フライ級/5分3R>
火の鳥(日本)
上田将年(日本)
<バンタム級/5分3R>
芦澤竜誠(日本)
井上聖矢(日本)
<ヘビー級/5分3R>
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)
長谷川賢(日本)
<バンタム級/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(日本)
山本聖悟(日本)
<フライ級/5分3R>
杉山廣平(日本)
小田魁斗(日本)
<ライト級/5分2R>
大木良太(日本)
ハント・レンジャーズ(日本)
<キック100キロ契約/3分3R>
森孝太郎(日本)
勇気(日本)
<キック・フライ級/3分3R>
今村流星(日本)
上村玲音(日本)
<キック65キロ契約/3分3R>
KAKERU(日本)
歩叶(日本)





















