【RIZIN LANDMARK16】RTU敗戦から約4カ月。小田魁斗、故郷=長崎で杉山廣平と対戦「相手の流れを切る」
【写真】新しい戦いに向け、東京の出稽古にも手応えを感じているようだ(C)SHOJIRO KAMEIKE
10月3日(土)、長崎市の長崎スタジアムシティ HAPPINESS ARENAで開催されるRIZIN LANDMARK16で、小田魁斗が杉山廣平と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
今年2月に小林大介をKOしてGrachanフライ級王座を防衛した小田は、Road to UFCトーナメントにエントリーした。しかし5月の初戦で、中国のチーニョーシーユエに判定負けを喫する。今後もオクタゴンを目指し、どうUFCとの契約方法を模索するのか。あるいはグラチャン王座の防衛戦か――RTU敗戦から半年が経ち、小田が復帰戦の舞台として選んだのは、生まれ故郷の長崎県で開催されるRIZINだった。そんな小田がRTUの敗戦、RIZIN出場、そして東京で行っている出稽古について語ってくれた(※取材は9月23日に行われた)。
自分の実力を皆さんに見てもらえたら、その先はまたタイミングで何かに繋がっていく
――今年5月にRoad to UFC初戦で敗れたあと、復帰戦でRIZINを選んだのは驚きでした。というのも小田選手はこれまでグラチャンで戦いつつ、ONE FFや中国JCK、さらにRTUと海外で戦う道を歩んできたという印象もあったからです。
「そう言われたら、確かにそうですね(笑)。僕の『RIZINに出る』という決意は、良いタイミングで全て重なって生まれたものだと思っています。
RTUの敗戦後……僕は今年29歳になるので、マネージメントサイドからも『来年のRTUは難しいかもしれない』と言われていました。そんななかで、自分も今後どうしていこうかと考えていた時に『RIZINはどう?』という話が来て。しかも地元――僕は長崎県対馬市の出身で、その長崎で大会が開催される。『じゃあ、ここしかない。凄いタイミングで良い話が来た』と思ったんです」
――なるほど。
「僕の中で一番大きいのは、格闘家として生きていくことです。でも大きな大会で戦っていかないと、格闘技だけで生活していくことは難しいですよね。だから皆、UFCやONEに行ったり、RIZINに出たいと思うはずで。そのためには良い意味で、『コッチがダメならコッチで』という重要さも必要じゃないか、とは考えていました。そこにRIZINさんからオファーが来たので、自分のイチから頑張っていこうとオファーを受けたんです。そうすれば――自分の実力を皆さんに見てもらえたら、その先はまたタイミングで何かに繋がっていく。良い方向に進んでいくだろうと思って」
――「イチから頑張る」ですか。
「僕は今、自分がどれくらいの立ち位置なのか、自分自身で分かっています。そして自分に才能がないことは、僕が一番よく分かっているんです。だから、どんな試合でも舐めてかかることはできない。毎試合、怖い部分はありますよ。負けたらどうしよう、とか考える。日々、そんな自分との戦いですよね」
――たとえばRIZINフライ級の中に入った時、自身はどの位置にいると思いますか。頂点が王者の神龍誠選手で、次はトニー・ララミーがベルトに挑戦する。実績からいえば扇久保博正、元谷友貴選手、伊藤裕樹選手らが続きます。
「いやいや、そこの名前を出しちゃうと……(苦笑)。今、名前を出されたファイターほどの実績はないです。改めてその名前が並ぶと、RIZINフライ級ってとんでもない世界だよな、って感じますよね」
――それはきっと小田選手のレベルがどう、ということではないかと思います。小田選手に限ったことではなく、国内のどのベルトを持っていても……それが現在のRIZINフライ級だと思います。
「はい、本当にレベルが高いですよね。そこは重々承知しています」
トップ選手というのは、一瞬一瞬の攻防の中で、とやかく考えることなく一点に集中している。僕もそこにフォーカスして練習してきました
――RIZIN初戦のお話の前に、チーニョーシューユエに判定負けを喫したRTU初戦から振り返っていただけますか。
「一番の敗因は、自分のメンタルだったと思います。これまでも自分の力を出し切れないことは、ずっと課題としてありました。試合中も『ここで出し切って、疲れたらどうしよう? 次はないかも』と、あれこれ考えてしまう。一瞬一瞬、今に懸けることができていない感覚ですよね。
もちろん細々とした技術的な課題も感じて、1カ月半ぐらい東京に出てきて、いろんな人と練習しています。やっぱり強い人たちと組んでいかないと。福岡だと、僕がトップレベルになっていて、自分がトップレベルではない環境に行きたいと思ったんです。そのほうが自分も伸びると思って」
――以前にも福岡から、沖縄のTHE BLACKBELT JAPANへ出稽古に行っていましたね。今回の東京出稽古はいつから?
「8月15日から1カ月半ぐらい、明日まで東京にいます」
――東京では、どういった場所で練習してきたのでしょうか。
「Tri.Hスタジオさんですね。吉野光さん、和田竜光さん、上久保周哉さんたちと練習させてもらいました。あとマスタージャパン東京さん、ファイトファームさんに行っていました」
――さすがに千葉のTHE BLACKBELT JAPANには行かず、と。
「アハハハ、さすがにそれは行けないですよ」
――1カ月半の東京修行で得たものはありますか。
「技術的なものはもちろんですけど――そこは難しいですよね。1カ月半じゃ伸び切らないと思います。一方でメンタルの面は、どの人と関わるかが重要なんじゃないかと思いました。トップ選手と関わることで、何か流れが変わるような気もするし、凄く心強く感じます」
――8月15日から1カ月半ということは、上久保選手がLFAの試合に臨む直前の練習も体感できたということですか。
「はい、一緒に練習させてもらいました」
――試合結果は残念でしたが、それでも海外で戦うファイターと練習を共にするのも大切な経験かと思います。
「そういう経験が一番ですよね。僕はメンタルが課題なので、『こういう時はどう考えていますか』とか訊くんです。トップ選手というのは、一瞬一瞬の攻防の中で、とやかく考えることなく一点に集中している。僕もそこにフォーカスして練習してきました。意識してやっていかないと、変わらないので」
――メンタルが強いか弱いかではなく、いろいろと考えすぎてしまうというのも驚きでした。今年2月の小林戦は苦しい展開が続いたものの、集中していたからこそ最後に倒し切ることができたのだと思っていて。
「あぁ、小林選手との試合は『ただただ殴り倒す』ということだけにフォーカスしていたんです。そこは一点だけに集中できていたと思います。もう痛いとかキツイとか感じることもなく」
――すると、なぜRTUの時は……。
「あの時期ぐらいから、いろんなことに手を出し始めたというか。打撃に関しても、いろいろと手を出した結果『どっちをやればいいんだ?』という感覚になっていた気がします。
打撃を始めて、打撃で勝負するべき。いや、今までは組みで勝負していた展開だ。でも組みで行きすぎて体力を消耗しちゃったらどうしよう……とか。そうやって思考が分散していました」
――できることが増えてきたからこそ、何を選ぶか迷うようになってしまった、と。
「そうです、そうです。朝倉海選手が『寝技ができるようになってから、どっちでやればいいんだろう、という迷いができてしまう』と言っていた動画を視た時に、『それ分かるなぁ』と思って(苦笑)」
――その点はMMAの難しさの一つでもありますね。試合の中でできることが多いからこそ、やるべきことも増えていく。今後、東京だけでなく様々な場所で練習する機会も増えそうですか。
「そうですね。いろんな選手と練習すること、いろんな場所で練習することも試合に繋がっていくのかな、って。本番のような環境――行ったことのない場所で、組んだことのない相手と練習する頻度を高める必要はあるんじゃないか、と思います」
どの場所にいようが、自分がMMAファイターとして、どんな試合をするか
――RTU敗戦から再出発となる、今回のRIZIN参戦です。これまでRIZINには、どのような印象を持っていましたか。
「自分がMMAを始める前から、RIZINは視たりしていて。それだけ凄い舞台だという認識はありました。朝倉選手とか那須川天心選手、堀口恭司選手とかが広めてくれたおかげで、皆がRIZINやMMAのことを認知してくれている。僕もそういう選手、『RIZIN? 小田魁斗が出ている大会だよね』と言われるような選手になりたい、という気持ちはあります。
と同時にRIZINがどうというより、僕自身がどうあるべきか、ということのほうが大事だとも思っています。どの場所にいようが、自分がMMAファイターとして、どんな試合をするか。僕は自分がやるべきことをやる。『RIZINだから、こういう試合をしたい』じゃない。自分がMMAファイターとしての試合をする、ということしか意識しないですね」
――そのRIZIN初戦で対戦する杉山選手は、過去に組んだことはあるのですか。
「一度だけあるんです。僕が鈴木崇矢選手に負けたあと(※2023年3月に判定負け)ぐらいに、千葉へ練習に行かせてもらった時ですね。その頃は――まぁ、やられちゃいました(苦笑)。僕はMMAを始めて2年ぐらいで、練習ではテイクダウンを取ってもすぐに立たれたりとか。あれから4年経って、自分がどれぐらい成長しているのかが楽しみです」
――スタイルの相性を考えても、どのような試合展開になるか楽しみです。杉山選手には得意のバックテイクに加え、テイクダウンディフェンスや下からのサブミッションもある。そこで打撃とテイクダウンを軸にした小田選手がどう戦うのか。求められるのはテイクダウンの先、ですよね。最近の判定基準に繋がる話でもあります。
「はい。結局はダメ―ジとか、明確なコントロールですよね。自分がテイクダウンされても、しっかり立つこととバックテイクを防ぐことは意識しないといけない。逆に自分がテイクダウンしても『この選手はコントロールしづらい』と思うようなら、その場から離れて、相手の流れを切ってから打撃で勝負していくとか。
一番の近道は遠回り、という言葉があって。近道を行こうとして焦っても、良くない方向に進んでしまうと思うんです。そこは我慢することも大切で――次の試合も、相手の流れになりかけた時でも、それを切って自分の流れに持っていきたいです」
■RIZIN LANDMARK16視聴方法(予定)
10月3日(土)
午後12時30分~ ABEMA、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMAR16対戦カード
<ライト級/5分3R>
堀江圭功(日本)
宇佐美正パトリック(日本)
<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
松嶋こよみ(日本)
<バンタム級/5分3R>
芦澤竜誠(日本)
井上聖矢(日本)
<女子スーパーアトム級/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
NOEL(日本)
<フェザー級/5分3R>
ライアン・カファロ(米国)
安井飛馬(日本)
<フライ級/5分3R>
火の鳥(日本)
上田将年(日本)
<フライ級/5分3R>
杉山廣平(日本)
小田魁斗(日本)
<ヘビー級/5分3R>
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)
長谷川賢(日本)
<バンタム級/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(日本)
山本聖悟(日本)
<ヘビー級/5分3R>
マック・パパリイ(サモア)
アルブリー・ンジャイ(カメルーン)
<ライト級/5分2R>
大木良太(日本)
ハント・レンジャーズ(日本)
<キック・フライ級/3分3R>
今村流星(日本)
上村玲音(日本)
<キック100キロ契約/3分3R>
森孝太郎(日本)
勇気(日本)
<キック65キロ契約/3分3R>
KAKERU(日本)
歩叶(日本)





















