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【Bellator286】パトリシオ・フレイレ、危なげなくボリッチを下し──次はバンタム級王座狙い?

<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
Def.3-0:50-45.49-46.48-47
アダム・ボリッチ(ハンガリー)

ケージ中央のフレイレに対し、ボリッチがまず左リードフックからローを蹴る。そこにカウンターを合わせにいったフレイレは、ボリッチのヒジをかわす。ジャブを伸ばすボリッチ、右ローのフレイレの慎重な立ち上がりにブーイングが起こる。ローをチェックし、左インサイローを蹴ったボリッチの左ジャブに、左右のフックをフレイレが打つ。ボリッチは跳びヒザも左フックを受けて、背中から落ちる。すかさずバックを取ったフレイレだが、ボリッチもクラッチを剥がして離れる。直後の攻防で組んできたボリッチを投げたフレイレが、トップを取る。

ボリッチはクローズドガードで頭を引き寄せる。足を抜きに掛かる王者は、クローズドのなかでポスチャー、細かいパンチを背中やワキ腹に入れる。残り1分、レフェリーがブレイクを命じ試合がスタンドに戻ると、ボリッチが左ジャブを繰り出す。ワンツーの右を当てたフレイレは跳びヒザ、回ってかわしたボリッチの右に右フックを打ち返す。圧で王者が上回った5分だった。

2R、左ジャブから左の蹴りを見せたボリッチが、右ストレートから左フックもまだ動きが固いか。フレイレは左カーフを蹴り、右にワンツーを打ち込む。ボリッチも右ストレートを届かせるも、左ジャブを打たれる。ボリッチも右カーフを蹴り、フレイレがチェックして右をヒットする。踏込み、カウンターの反応が速いフレイレは、右ローを蹴られながらワンツーを放つ。ボリッチは左ミドルを蹴り、ジャブを伸ばす。左ローを蹴って左に回るボリッチは、待ちの姿勢の王者の懐になかなか入ることができない。と、残り40秒でローをキャッチしたフレイレがテイクダウンに成功し、トップでラウンドを戦い終えた。

3R、ジャブを伸ばすボリッチが、ボディストレートを入れる。フレイレはダブルレッグも、ボリッチが切る。それでも打撃に勢いが出てきたボリッチにテイクダウンを印象づけるクレバーな攻撃だ。ここでボリッチは跳びヒザ一閃、フレイレが足を抱えるようにしてスラム。テイクダウンを奪うと、マウントを取る。腰を押して防御するボリッチだが、足を戻すことができない。

パンチ&エルボーを受けたボリッチが暴れるが、馬乗りを続けられブリッジにバックを許す。立ち上がったボリッチは手首を掴んで、両足をフックされた状態でRNCを防御する。強引に絞めないフレイレは、着地して足払いからバックを再び取り直す。ボリッチはここでも立ち上がる。フレイレは再び足をつけると、ボリッチが体を入れ替えてケージに押し込む──ケージクリンチの攻防が続き、ラウンド終了に。

4R、ボリッチがボディストレートも、距離をつめてコンビネーションという展開には持ち込めない。カウンターの上手さで、ボリッチの積極性を排除していくフレイレはさすがに試合巧者だ。ボリッチのローに右を合わせたフレイレは、逆にローで足を流させる。ボリッチが単発の攻撃に留まるシーンが続き、その一発にもカウンターを合わされそうになる。ジャブに右のカウンターを放ったフレイレが、ボリッチのアッパーをかわしてジャブ、カーフで攻撃する。

ボリッチも覚悟を決めたようにカーフを蹴られて、ワンツーを打っていく。右カーフを入れるフレイレに対し、ボリッチが右を届かせたが威力がない。右に右を合わせ、ボリッチの組みを潰して投げを打ったフレイレがやるべきことをやり、ボリッチは思うようにならない試合展開が続いている。

最終回、まずフレイレが右カーフを蹴る。右を伸ばすボリッチが左ジャブで前に出る。左から右とケージの前で足を使うフレイレに、ボリッチがコンビで左を当てる。ケージに詰め続けることができないボリッチは、後ろ回し蹴りも距離が合っていない。ここで右アッパーを入れたフレイレ、ボリッチは大砲狙いに頼り跳びヒザをまたもテイクダウンで切り返される。

ここでも背中を取ったフレイレは、スタンドながら両足をフックする。振り落とすことができないボリッチは時間を使ってしまい、残り2分を切る。フレイレは着地して、ワンフックで胸を合わされる。櫓投げような形で初めてテイクダウンを決めたボリッチは、ハーフで抑えて肩パンチを打っていく。フィニッシュさえ許さなけえれば勝ち切れるフレイレが、スイープ狙いからスクランブル。スタンドでケージに押し込まるとジャンピングガ―ド&キムラを仕掛けて、後方に倒れ込みトップを奪い試合終了に。

ボリッチの積極性を最後まで封じ込んだフレイレが、ジャッジのスコアこそ50-45、49-46、48-47とばらつきが見られたが、3-0の判定勝ちで防衛に成功。チャンピオンは「次はアーロン・ピコを指名しようと思っていたけど、あんなことになったからどうなるか。バンタム級王座を目指すかもしれない」と勝利者インタビューで話した。


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