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【ADCC2022】ADCC予選出場、岩本健汰─02─「予選を勝つだけでは意味がありません」

【写真】MMAの練習でトータル・グラップリングが強くなっている岩本(C)MMAPLANET

19日(日・現地時間)、豪州ニューサウスウェールズ州スタンホープガーデンズのブラックタウン・レジャーセンター・スタンホープで開催される『ADCC OCEANIA AND ASIAN TRIALS 2022』77キロ級に出場する、岩本健汰インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2019年大会はオセアニア&アジア予選を勝ち抜き、世界大会に出場した岩本。あれから3年の間に起こった変化と、予選大会に向けた自信を語ってくれた。

<岩本健汰インタビューPart.01はコチラから>


――グラップリングがMMAに近づいている?

「だから僕がMMAという別競技の練習をしていてもグラップリングの試合に対応できるのは、MMAの練習を通じてその部分を強化してきたからなんです。上を取って潰すという攻防が、MMAでは重要になっています。その部分を強化してきたので」

――ルールの違いがどうではなく、そのルールにどうアジャストするかですね。ただ、ADCCはマットで行われるので、ケージの有無は大きくはないですか。

「ケージの有無は大きく変わってくるので、最近はあまりケージレスリングはやらないようにしています。スパーリングでも相手の方が、あまりケージを使わないように配慮してくれていますね」

――なるほど。2019年は66キロ級に出場しましたが、今回は77キロ級にエントリーしています。階級を上げた理由は何だったのでしょうか。

「3年前より体が大きくなっているので、減量がキツくなりました。だから77キロ級に上げました」

――それは自然と体が大きくなったのですか。それともトレーニングで大きくしてきたのでしょうか。

「自然と大きくなりましたね。練習していたら筋量がついてきた、という感じです。ウェイトトレーニングとかは全然していなくて、グラップリングで力を使うということをしてきたので。それで自然と筋肉がつきました」

――ということは、現在の体つきはレスリングをやりこんできた証なのですね。

「そうですね。レスリングの練習をすると、自然と筋トレになります」

――今はグラップリングのために、どのような環境で練習しているのでしょうか。

「IGLOO、ロータスと指導先で練習したり、指導先だとリバーサルジム東京スタンドアウトとMe,Weでグラップリングをやっています。あとはグラントのジム(グラント・ボグダノフのALMA FIGHT GYM LIFE)で練習したり、兄がいるジム(兄の岩本翔太が所属しているシュプラネル柔術アカデミー)でギの練習をやったりします」

――現在もギの練習をしているのですね。

「本当はノーギの練習のほうが良いんですけど、レスリングの攻防をロータスでやって、さらに寝技の攻防で足りないところ補いたくて、ギの練習をしています。ノーギだけで確認できる環境が少ないので」

――すでに出場選手リストは発表されています。77キロ級に出場するなかで、気になる選手はいますか。

「ひと通り、これは強そうだなという選手はチェックしました。特に見たのは、韓国のノ・ヨングァン選手ですね。2017年のアジア予選77キロ級で優勝している選手です。ただ、もともとセアニア&アジアの中では勝てると思ったので、今回はエントリーしました。前回は日本開催だったので、とりあえず出てみたんですよね。今回は豪州まで行く価値はあると思いました。勝てる自信があります」

――77キロ級には日本人選手が多数エントリーしています。

「僕が知っているところだと、竹内(稔)さんと世羅(智茂)さんですか。世羅さんとの再戦があるかどうか……50人以上出る階級なので、当たる可能性は少ないですかね。もちろん勝ち進んでいけば、決勝で当たるかもしれないですけど。とにかく1日で5試合か6試合勝たないと優勝できないので、すごくハードなトーナメントです」

――グラップリングの世界には様々なルールと大会が存在しています。その中でADDCとは、岩本選手にとっては世界最高峰の戦いなのでしょうか。

「もちろんです。出場しているメンバーが、他の大会とは全然違います。世界大会に出ている選手は、ほぼ全員が有名選手ですから。そういう大会は他にないと思います」

――その世界大会では前回、1回戦でパウロ・ミヤオに敗れました。あれから3年、岩本選手の中ではどんな点が変わりましたか。

「前回は単純に、スキルが足りなかったです。攻撃が下からの足関節ばかりになっていました。今回は、もちろん下からの攻撃に加えてレスリングとトップゲームもできるようになったので、幅が広がったなと思います」

――77キロ級ということで、減量もそれほど厳しくはないのでしょうか。

「ほぼ減量無しですね。1キロぐらい水抜くかもしれないですけど。ADCCは階級の幅が広いじゃないですか。77キロの下が66キロ、11キロの差がありますよね。それなら77キロのほうが――と思っています」

――では最後に、オセアニア&アジア予選への意気込みをお願いします。

「世界大会に向けてたった一人、オセアニア&アジアの枠があります。それは獲りたいと思っていますし、僕は獲る自信があるから出ます。ただ、予選を勝つだけでは意味がありません。世界大会の77キロに出ているのは、すごい選手ばかりです。そこに入って結果を出したいですね」

■視聴方法(予定)
6月19日(日・日本時間)
午前8時00分~Flo Grappling

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