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【ONE127】急遽、山口V.V芽生に対戦相手が代わったジヒン・ラズワン「価値を上げるチャンス」

【写真】Shadowcatの異名をとるジヒン・ラズワン。猫型ヘッドホンは代名詞だ (C)ONE

11日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE127「 Bad Blood」が開催される。今大会でジェネリン・オルシムと対戦予定だったジヒン・ラズワンが、オルシムの欠場を受けて山口V.V芽生と戦うことが決まった。

試合まで10日で変わった対戦相手。2021年に4度も試合が流れたラズワンは、迷うことなく経験豊かな格上の相手との対戦を飲んだ。試合はなくても、ジムで過ごした日々が彼女にスタンドでもV.V芽生を上回るという自信を与えていた。


──来週の金曜日にジェネリン・オルシムの欠場を受けて急遽、山口V.V芽生選手と戦うことになりました(※取材は4日に行われた)。

「ジェネリンがケガをしたことを知ったのは5日前で、対戦相手が代わることになると知らされたわ。そして2日前にメイ・ヤマグチと戦うことが決まったの。ショートノーティスだけど、メイと戦うかコーチに確認されて。でもメイだってショートノーティスだし、53.5キロ契約で戦うことに合意したの。もう体重は52キロになっていたし、イッツ・オーケーよ(笑)」

──アトム級に拘るよりも、まずは試合がしたかったということはありますか。

「最後に試合をしたのが2020年の12月で、去年は1度も戦うことができなかったから。12月にはシンガポールにもう入国していたにも関わらず、試合がなくなったわ。イツキ・ヒラタがリトゥ・フォーガットと戦えなくなり、私と戦うはずだったジェネリンがリトゥの対戦相手に決まって……確か、あと4日で試合だったのにキャンセルになってしまって。その前にシンガポールのロックダウンとかもあって、3度も試合が流れちゃっていたし。凄くフラストレーションが溜まったわ。

MMAって凄くアクティブなスポーツなのにパンデミックで、その試合機会を失って。フラストレーションだらけだったけど、それでも次の試合の機会を待とうってモチベーションを保つように努めていたの」

──そもそもコロナにより、世界中のファイターが色々な影響を受けました。

「本当にそう。パンデミックが起こって私は1試合しか戦っていないし。でも、この間も練習を続けてたくさんのことを学んで来たわ。自分を成長させるために」

──2020年はマレーシアでは相当に規制が厳しかったようですね。

「私はしっかりと感染対策をしていたから、一度も陽性になっていないし、ずっと体調管理をしてきたから風邪もひくことがなかったの。今もパートタイムだけど動物病院でナースとして働いて……職場、それからジムの3カ所を移動しているだけで、人出の多いところに出かけることは全くないの」

──猫好きで有名なジヒンですが、動物病院で働いているのですね。

「そうなの(笑)」

──では急遽戦うこととなった芽生選手の印象を教えてください。オルシムとはサイズやスタイルも相当違います。

「私がハイスクールに通っている頃から、このスポーツで戦ってきたメイのことはとても尊敬しているわ。空手家で柔術家、どちらもブラックベルトよね。メイはウェルラウンダーで、彼女の試合からインスパイアされることもあったわ」

──そうなのですね。ジヒンは下が強いグラップラーのイメージが強いですが。

「確かに私は柔術をずっとやってきているけど、メイとの試合ではスタンドでもアドバンテージがあると思っているわ」

──本当ですか?!

「私の方が身長が高くて、リーチも長い。動きも私の方が速いわ」

──MMAは経験が生きるスポーツでもあります。その一方でフィジカルスポーツです。芽生選手の過去2戦はフィジカル差も影響したようで、以前のような動きが見られなかったです。あるいは体力そのものが以前よりも落ちているのか。

「確かに加齢とともに体は変化が起きるもの。でも、その辺りはパンデミックの影響が大きいと思うの。以前はオファーを受けてから試合まで2、3カ月という長い準備期間があったけど、今は長くて1カ月半、だいたいが1カ月程度の時点でのオファーが増えていて。メイも以前のような調整ができなかったから、その影響があるんじゃないかな。リングロスで、調子を落としていたんだと思う」

──なるほど、そういう見方もあるのですね。いずれにせよ、2度のタイトルコンテンダーと戦う試合はGPに出場できなかったジヒンにとっては非常に大切な試合になるのではないでしょうか。

「とにかくアトム級でベストの1人、メイ・ヤマグチのような経験豊かな選手と戦えることを光栄に思っているわ。そんなメイに勝てると、私はステップアップできる。この試合で勝って、価値を上げたいと思っているわ。自分の価値を上げるチャンスよ」

──ジヒン、今日はありがとうございました。最後に日本のMMAファンにメッセージをお願いします。

「コンニチワァ。私とメイ・ヤマグチの試合をONE Super App、YouTube、ABEMA TVで見て、私たち2人とも応援してね」

■放送予定
2月11日(金・日本時間)
午後7時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時00分~ONE Super App

■ ONE127対戦カード

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]ジョン・リネケル(ブラジル)

<ONE暫定世界ヘビー級王座決定戦/5分5R>
アナトリ―・マリキン(ロシア)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ムエタイ・フライ級/5分3R>
ジョナサン・ハガティー(英国)
モンコルペット・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
猿田洋祐(日本)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
マーク・アベラルド(ニュージーランド)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
ウ・ソンフン(韓国)

<53.5キロ契約/3分3R>
山口V.V芽生(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<ヘビー級(※65.8キロ)/5分3R>
ダスティン・ジェインソン(カナダ)
ウゴ・クーニャ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リン・ホーチン(中国)
ビー・ニューイェン(米国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
トーマス・ナルモ(ノルウェー)
オーディー・ディレイニー(米国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ダスティン・ジェインソン(カナダ)
ウゴ・クーニャ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スノト(タイ)
ティオル・タン(米国)

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