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【ONE Heavy Hitters】ポイントボクシング&ディフェンシブレスリング。難攻不落のヂィンナンに三浦完敗

【写真】打撃の圧で勝てる相手には鉄壁のゲームプランをやり切ったチャンピオンだった(C)ONE

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ) 選手権試合/5分5R>
シィオン・ヂィンナン(中国)
Def.3-0
三浦彩佳(日本)

小さい構えで小刻みに動くヂィンナンが右を伸ばし、ローからワンツーを振るう。ローをキャッチした三浦がケージにヂィンナンを押し込む。押し返そうとしたヂィンナンの首に左手を回した三浦はヒザ蹴りからダブルレッグも、このタイミングでヂィンナンが離れる。

見るヂィンナンが左ジャブから右ロー、ここに三浦が組みつきドライブする。ヒザをついたダブルから起き上った三浦は左手をここでも頭に回す。差せない三浦を押したヂィンナンが離れる。ボディを入れたヂィンナンが左ミドルから右を伸ばす。ヂィンナンはスピニングバックキックから右、前に出てボディを殴る。ボディにワンツー、後ろ回し蹴りから右オーバーハンドを伸ばすヂィンナンが、ダブルレッグを切る。

三浦は左手を回しかけ、首投げ頼りでも組んで投げたいが、ヂィンナンは許さない。とはいえヂィンナンも組まれたくないのは、ボディが多く顔面へのパンチはスラッピーになっていることでも明らかだ。このままヂィンナンの打撃が優勢のまま初回が終わった。

2R、ヂィンナンが左フック。三浦のダブルレッグを回ってかわすと、ヂィンナンは前蹴りからアッパーを狙う。右フックにダブルレッグを合わせた三浦は、しっかりとケージにヂィンナンを押し込むと、尻の後ろでクラッチする。ケージを触って耐えたヂィンナンに対し、左腕を差している三浦は十分の形に。頭を抱えた三浦は右腕を差しにいく。ここで離れたヂィンナンは、ボディストレート。腹を蹴り、下がった三浦の顔面にパンチを伸ばす。

下がると殴られる三浦は、ダブルを切られローの距離から組みのフェイクを見せる。ヂィンナンも距離は遠かったが、詰めて右フックを入れる。前蹴りで尻もちをつかされた三浦は、リードを広げられた。

3R、「見えているから勇気だ。一歩入らないと」という長南氏の指示に頷いた三浦は開始早々にダブルレッグでケージに押し込むが、後ろにバランスを崩す。それでも執拗に組みつき、ついに頭の後ろで組めたがヂィンナンが押して頭を抜く。

前に出てのパンチにダブルを合わせた三浦、ヂィンナンが左を差し返す。ここも離れたヂィンナンは左ミドル、そして右ローを蹴る。ケージを背負い、テイクダウン防御に余念のないヂィンナンの右で殴られながら組んだ三浦だが、胸を合わせた態勢でエルボーを被弾する。ヂィンナンはダブルを切り、粗いパンチを振るう。最後はヒザ蹴りにダブルレッグを合わせに行った三浦だったが、倒せずに時間となった。

4R、ローを見せ、組んだ三浦がついにシングルレッグで尻もちをつかせる。すぐにスプロールしたヂィンナンに、三浦が右を当てる。殴れと頬を指さしたヂィンナンに深く頭を入れて、ダブルレッグを仕掛けた三浦がヒザをつけて押し込む。

頭を左ワキの下に押し込んだ三浦だが、やがて胸を合わせる。左腕を差し、頭を巻きにいった三浦は体を入れ替えられる。ヒザをボディに突き刺すヂィンナンが、首投げを徹底して切り続ける。パンチから蹴り、そして右と近い距離で攻撃し始めたヂィンナンは、また離れてボディを殴りローを蹴る。まっすぐ飛び込んだ三浦は、倒せず細かいパンチを打って最終回へ。

5R、すぐに組んだ三浦がケージにヂィンナンを押し込む。クリンチからもう一度ダブルを仕掛けた三浦は、胸を合わせて首投げへ。ヂィンナンは腰を押して防御し、後頭部を殴るなと三浦はレフェリーから注意を受ける。直後に離れた三浦は、ダブルレッグをスプロールしたヂィンナンの立ち上がり際に蹴りを狙う。

ダブルの足を抜き、蹴りに行ったヂィンナンは決して無理をしない厄介な戦いを続ける。余裕を持ち続けるヂィンナンが左フック、決してパンチは強くなく攻められないための攻撃を続ける。声を出して組みに行く三浦は、最後の1分でダブルも切れがない。

ダブルを切り、顔を蹴りに行ったヂィンナンにも注意が入る。最後までスピードはあるが、力を伝えないパンチで組みを切り続けたヂィンナンが3-0の判定勝ち──打撃で圧力を掛けることができないと、ヂィンナンは難攻不落か。


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