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【ONE Heavy Hitters】世界女子ストロー級王者ヂィンナンに挑戦、三浦彩佳「ドロドロの試合を」

【写真】両者の表情が、まるで違うリモート・インタビュー (C)ONE

14日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Heavy Hittersで、三浦彩佳がシィオン・ヂィンナンの持つONE世界女子ストロー級王座に挑戦する。

メインイベンターの責務か、ファイトウィークに入ってもハードなプロモーションが続く三浦は、メディアデーの思わぬトラッシュトーク対談を乗り切り、忙しくイベントデーを迎えようとしている。

絶対不利の予想のなかで、三浦は自身を──そして仲間の教えを信じ、ヂィンナンに挑む。


──ファイトウィークにインタビュー、申し訳ありません。長南さんに伺うとメディアデーが終わっても、まだ忙しいそうですね(取材は1月12日の朝に行われた)。

「メインだからなのか分からないのですが、撮影がずっと入っています。今日も午後はホテルの外に出て撮影があるみたいで」

──試合以外でバブルから出られるのですね。

「それは撮影だからで。それでもアプリのバーコードを読み込んで許可を取る形のようです。その撮影が予定では午後全部だったんですけど、長南さんが交渉してくれて……それでも4時間ぐらい掛かります。今回は日本にいるときも、ずっと撮影がありました」

──三浦選手はカメラが回ると、しっかりとやってしまうだろうし。それは大変です。

「こっちにきてからも、『こうしてほしい』とか『ああしてください』っていうのは続いています。それと昨日もヂィンナンが隣の部屋にいて、ZOOMで司会の人と同時にインタビューを受けたのですが、なんか煽り合いというか……煽られっぱなしでした」

──メディアに動画が配られるヤツですね。なんかONEがトラッシュトークに目覚めたような変わりようですよね。司会者も完全にそっちモードですし。

「ですよねぇ(笑)。日本にいる時からトラッシュトークを求められている感じでした。なんかいきなり煽られても、ビックリするだけだし。私はやったことがないから、素のままでやりました。パンダはオラオラしていて、なんか『KILL YOU』とか言ってましたけど……」

──演じていますよね。普段のインタビューでは言いそうにない。

「煽られっぱなしでしたけど……『あなたが強いのは知ってますよ』って(笑)」

──しまいには三浦選手は『トラッシュトークは苦手です』と言ってしまっていたじゃないですか(笑)。まぁ、やるのが好きな選手がやっておけば良いと思います。

「でも、終ってからたまたまヂィンナンと鉢合わせしてしまって。しかも澤田(龍人)君が一緒で。私がティファニー・テオと試合をした時、澤田君がサポートをしてくれていたので気まずくなりたくなくて、あえて『うわぁ、日本語が分かるセコンドがいるわ』って話しかけたんです。そうしたら澤田君がニヤニヤしながら『押忍、スイマセン』とかって応えてくれて。ヂィンナンも一緒だったけど、雰囲気が会見の時と違って悪くなくて。『テメェ、殺しやる』って風ではなかったです」

──それは良かったです。それでも、ハードですね。

「減量もないので練習時間だけは確保してくれればプロモーションはもちろんしますけど、もう少し休みたいというのはあります」

──そうでなくても隔離措置下で制約だらけですが、それでも11カ月振りの試合です。

「ハイ。2月に試合をして……」

──放送は5月で(苦笑)。

「でしたね。で、その5月の大会でのオファーは来ていたんです。ジェリー・オルシムからウォリアーに出ていた韓国の選手とか3度ぐらい相手が代わり、結果的に大会が流れました。9月には10月にヂィンナンとの試合のオファーがあり、それが12月になり……そこもなくなって3月に、と。そうしたら1月末になり、そのつもりで準備していたら最後に2週間、早くなりました(笑)。

こんな大変な状況でイベントを開いてくれるし、選手もコロナにいくらでもなる状況とはいえ、気持ちをずっと創るのは大変でした。でも受け入れるしかないですし、いつでも行ける態勢を創り、試合モードで常に体が仕上がっていました。最初は試合が流れると、気持ちも沈みましたけど、もう笑って済ませることができるようになりました。とにかく今の時代は、ファイターは常にコンディションを創っておくものなんだと思います」

──改めてヂィンナンですが、先ほども『強いことは知っている』という発言がありました。

「半年間あったので、ヂィンナンの動きをずっと見てきました。寝技に持ち込めるチャンスがどこにあるのか、タイミングとか繰り返し練習してきました。首投げで勝ってきたのを、違うパターンも増やしました。TRIBEの(後藤)丈治君とか(若松)佑弥君、小川(徹)さんから色々なアドバイスをしてもらって。

皆が青木さんに習ったことをかみ砕いて指導してくれました。本当に色々とプラスになることが多かったので、そこを試合に出したいです」

──ヂィンナンも組み技、寝技を強化してきたようです。

「他の記者さんにヂィンナンの寝技は10段階でどれぐらいの評価ですか?って尋ねられたことが3回ぐらいあって……」

──下らねぇ(笑)。

「それで7点ぐらいって、答えました。ニコリニ対策が凄くしっかりしていて、ディフェンスがデキるということは基礎ができている。だから、試合に出していなくても寝技はできると思っています」

──ではヂィンナンに対し、三浦彩佳の打撃は10段階で何点ですか(笑)。

「アハハハハ。私は2とか3じゃないかと……。昨日の煽り合いのなかでも『ヂィンナンの打撃に対抗できますか』って尋ねられて、長南さんが笑いながら『できないだろう』って言って。私もつられて笑うと注意されちゃいました(笑)」

──アハハハハ。もちろん打撃で勝つ必要はないですが、打撃を避けても勝てません。

「そのために対応ではなくて、ボコボコにされない練習をしてきました。ちゃんと見て、行き過ぎない。アヤカ・ロックにいけなくても削って戦う。自分のデキることをペース配分して出していきたいです。

それしかできないのかって言われても、やはり首投げとアヤカ・ロックがあって今の私があります。その強味を持ったまま、他の手段で削って意識を逸らせればと思います。そこが今回の鍵になると思うので、頑張って削りたいです」

──首投げで投げられる選手が悪くて、投げる方は勝つために使い続ければ良いと思います。それだけでは勝てないから、色々と備えてきたのでしょうし。では最後にタイトル奪取へ向け、意気込みのほどをお願いします。

「ヂィンナンは間違いなく強いです。色々な人から無理なんじゃないかとか、コイツで良いのかって煽られることも多々あります。そう言われることは私自身、凄く分かっています。でもこの試合に向けて凄く真剣に取り組んできたし、自分を信じてねちっこく戦います。面白い試合にならないかもしれないですけど、勝ちにこだわってドロドロの試合をしたいです」

■視聴方法(予定)
1月14日(金・日本時間)
午後7時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時00分~ONE Super App

<ONE世界女子ストロー級(※キロ) 選手権試合/5分5R>
[王者] シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]三浦彩佳(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジェイムス・ナカシマ(米国)
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<ストロー級 (※キロ)/5分3R>
仙三(日本)
エリープトゥア・シレガール(インドネシア)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イサエフ(ロシア)
ヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
トロイ・ウォーセン(米国)
上久保周哉(日本)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ティファニー・テオ(シンガポール)
モン・ボー(中国)

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