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【GRACHAN52】Grachan初陣、大搗汰晟戦へ。高須将大─02─「格闘技だけは最後までやり遂げたい」

【写真】試合まで3日──Grachanで高須はどのような生き様を見せるられるか(C)GRACHAN

19日(日)、千葉市美浜区の幕張ベイパークアリーナで開催されるGrachan52で、大搗汰晟と対戦する高須将大のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ZSTでデビュー後に発覚したステージ4の肝臓がん。それは肺にまで転移し、抗がん剤治療や化学療法を繰り返しながら、高須はZSTの試合に臨んでいた。結果、遂に手術ができる状態になり、この2年間は再発していないという。

そんななかで迎えるGrachan第1戦への意気込みを訊いた。

<高須将大インタビューPart.01はコチラから>


――肝臓がんの治療を進めていくうえで、お医者さんにはMMAの試合について、どのように伝えていたのですか。

「僕がそこまでガッツリと格闘技をやっている――プロの試合に出ていることは、病院側には伝えていませんでした。化学療法から始まって、治療していくなかで『運動とかしていいんですか?』と聞いたら、大丈夫ですよと言われていたんです。だから治療の合間に格闘技を続けていくっていう状態でした」

――運動はできるといっても、まさか選手として試合に出ているとは、お医者さんも考えていなかったでしょうね。

「はい、そうは思っていなかったと思います(苦笑)。自分のなかでも『お医者さんから止められてしまうかもしれない』という気持ちもあったので、そこまで詳細は伝えていませんでした」

――治療はうまく進み、並行して練習することはできたのですか。

「最初の頃は入退院を繰り返していて、抗がん剤治療の期間は練習できませんでした。その抗がん剤治療がうまくいって、一度様子を見る期間があったんですね。錠剤を服用していたんですけど、それ以外の治療はしない状態で、その期間に練習して1試合だけ、試合をさせていただきました」

――抗がん剤治療後の、様子を見ている期間に試合ですか!?

「それが3試合目の須貝戦(2018年8月、須貝秋彦に判定勝ち)ですね。その翌月に手術をしました」

――えっ……。

「試合をすることについては、すごく悩みました。病状が落ち着いているとはいえ、まだ体の中に腫瘍がある状態で、自分でも試合をするべきではないと思っていたんです。闘病中に試合に出ることによって、同じ病気の人に伝わるのかなと思ったので、その時は試合に出ました」

――そして、試合後に手術を受けたと。

「抗がん剤治療がうまくいっていて、手術ができる状態になっていたので、肺と肝臓の腫瘍を取る手術をしました。まず手術ができると言われた時は、すごく嬉しかったです。当時は手術ができるとも思っていなかったし、そのため自分のなかでは長く生きられると考えていなかったので」

――その後、2019年5月に萩原一貴戦で判定勝ち、8月に木下尚祐戦でTKO勝利を収めています。

「はい。特に8月は目標だったZST本戦で勝つことができてうれしかったです。その後にまた肺と肝臓に再発してしまったんですが、それも抗がん剤治療が2019年に終わって、以降は再発や手術もなく、ここまで来られています」

――まだ根治や寛解という状態ではないわけですね。

「まだ根治とはいえないです。2年間、再発がないので良い状態なのかなとは思っているんですけど。今も3カ月に一度、定期検査に行っています」

――このような言い方をして良いものかどうか分かりませんが、もしかすると再発する可能性もあるわけですよね。練習や試合に出るなかで、いつ再発するのか……そんな恐怖はないですか。

「もちろん、今もまだ恐怖はあります。3カ月に一度の定期検査では、診察で検査結果を聞くまでは体が震えてしまうぐらいで」

――それでも格闘技を辞めようとは思わなかったのですね。

「そうですね。中途半端な状態で終わらせたくないっていう気持ちが、自分のなかにあります。格闘技だけは最後までやり遂げたいなっていう気持ちはあります」

――最後まで……というのは?

「今までの目標は、ずっとお世話になっていたZSTでベルトを獲ることでした。今回からGrachanで試合をさせてもらうことになって、そこで結果を残したいです」

――では対戦相手、大搗汰晟選手の印象を教えてください。

「そんなに試合映像がなくて……柔道を経験してきた選手ということで、今は組みへの対策をしています。こちらは柔術メインの道場で、さらに打撃も結構やっているので、どんな展開になっても戦えると思います」

――Grachan初参戦、どんな試合を見せたいですか。

「初参戦なので、自分のことを知らないお客さんもいると思います。そこで『この選手は凄いな』って、見てくれる人の印象に残る試合をしたいですね」

■Grachan52視聴方法(予定)
12月19日(日)
午後4時30分~GRACHAN放送局

■Grachan51視聴方法(予定)
12月19日(日)
午後1時00分~GRACHAN放送局

■ GRACHAN 52対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊藤空也(日本)
[挑戦者] 手塚基伸(日本)

<無差別級/5分3R>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
ラデック(チェコ)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
和田健太郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
善司郎(日本)
松本尚大(日本)

<バンタム級/5分2R>
フミ・グローブTV(日本)
平田純一(日本)

<フェザー級/5分2R>
高須将大(日本)
大搗汰晟(日本)

<フライ級/5分2R>
児玉勇也(日本)
御代川敏志(日本)

<フライ級/5分2R>
吉田哲之(日本)
小林大介(日本)

■GRACHAN 51 対戦カード

<フェザー級/5分2R>
小島勝志(日本)
崎山勲(日本)

<ライト級/5分3R>
藤村健悟(日本)
林 RICE 陽太(日本)

<無差別級/5分2R>
ヨコヤ・マクレガー(日本)
田馬場貴裕(日本)

<ライト級/5分2R>
宮内拓海(日本)
水谷健人(日本)

<60キロ契約/5分2R>
長野将大(日本)
佐々木歩夢(日本)

<ライトヘビー級/5分2R>
舘野コング(日本)
石川廉(日本)

<バンタム級/5分2R>
松井斗輝(日本)
池田貴一(日本)

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