この星の格闘技を追いかける

【Pancrase325】久米鷹介と王座統一戦、雑賀ヤン坊達也─01─「目標としてきた選手だから怖さに通じる」

【写真】恐怖を乗り越えた先に、真の強さがある (C)MMAPLANET

12日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase325で暫定ライト級KOPの雑賀ヤン坊達也が、正規ライト級KOP久米鷹介と統一戦を戦う。

スタジオコースト・グランドフィナーレといえるデカゴン・ライト級王座決定戦に挑む雑賀、昨年9月に林源平を見事なアッパーでKOして以来、実に1年3カ月ぶりのファイトが今回の久米戦となる。

キャリア7勝1敗、7つの勝利は全て初回KO勝ち──抜群の腕力と持つ雑賀だが、その一方で試合前は恐怖心と戦う日々が続くという。そんな彼をデカゴンに向かわせる原動力が所属ジム=DOBUITAでボスと慕う長岡弘樹と、ジムメイトたちの根性がつくトレーニングだった。


──ギリギリのタイミングで取材になり申し訳ありません(※取材は12月6日に行われた)。

「いえいえ、全然です。宜しくお願いします」

──久米選手との統一戦が、6日後に迫ってきました。今の心境を教えてもらえますか。

「そうですね……ついに来たかって言うのと、ついに始まってしまうのかという2つの気持ちがありますね(苦笑)」

──つまりは……。

「怖いです。いつも通り。そこは変わらないです。試合はやっぱり怖いです(苦笑)。同時に久米さんが相手となると、いつも以上に身が引き締まっているというのはあります。ずっと画面の中で見てきた選手で、目標としてきた選手ですから、その部分が今まで以上にあって……また怖さに通じてきます」

──それだけ練習に身が入るということは?

「ハイ。怖いからこそ、練習しないと不安にやってしまいます。オフは勿論挟んでいるのですが、そうしていると不安になってしまうんです。でも、この試合はそれだけ賭けているということですよね」

──暫定王者になってから、1年3カ月。この間、目標としていたRIZIN出場はならず久米戦を待つことになりました。

「僕自身アピールもしていましたし、RIZINに関わらず声を掛けてもらったこともあったのですが、試合をするにはなかなかタイミングが合わなかったです。そんな時に久米さんとのは話があったので、そこからはもう今回の試合に集中していました」

──パンクラスの暫定王者という勲章を持つヤン坊選手としては、第2、第3のブランドが立ち上がり、RIZINという舞台で戦う選手の千差万別という風になってきましたとは感じなかったでしょうか。

「そうですね。色んな選手が出ていて、思うことはありました。ただ、僕自身は出させていただくならナンバーシリーズで戦いたいという気持ちもありましたし、今もそのつもりです。僕なんて、横須賀っていう田舎でやっていて……」

──いや、田舎ではないですよ!

「まぁ、田舎ではないですけど……やっぱり下から自分の力でトップの舞台に立ちたいという意地がですかね。実力で、その機会を得るんだという気持ちはあります。だから久米さんとの試合は9月には決まっていたので、もうそこに集中するだけでした」

──その目標である久米選手が、武田選手に敗れたことはどのように捉えていましたか。

「ちょっと悔しかったですね。いや、ちょっとではなく悔しかったです。やっぱり勝ってほしかった。熱く、良い試合でしたけど、結果を残して欲しかったです」

──ところでコロナ以前は試合期間を空けずに戦ってきたヤン坊選手ですが、コロナ禍になってからは2年で2戦目ということで実戦の感が鈍っていないかという不安は?

「そこも正直、あります。コンスタントに試合をしていた頃と比較すると、林源平選手との試合でも硬かったと思います。後から動画を視ても、そう感じました。向き合った時に久しぶりという感覚が強くて、そういう不安があったので、焦って一気に突っ込んでいったんだと思います。あんな風にドタバタしてしまったのは、焦りだったと反省しています。だからこそ今回の試合もそういう風になることを頭に入れています。とにかく、戦うだけですから」

──林戦ではテイクダウンを奪われても、すぐに立ち上がることができました。久米選手との試合もキーポイントはテイクダウンとスクランブルの攻防、そこにつながる打撃がまず勝負の鍵を握るかと思われます。

「久米さんといえば、久米地獄ですからね(笑)。そこはボス(長岡弘樹)と色々と対策してきました。加えて久米選手のことを自分で研究して、自分が思ったことをボスにぶつけて、また話し合うという感じで。そうやって気になった箇所の強化と、全体的な強化をこの間も重ねてきました」

──組み、ケージ際の攻防でいえば長岡選手は本当に仮想・久米鷹介の適任ですよね。

「組みに関しては絶対にそうです。ただ久米選手は打撃を振って来る選手なので、そこは別の人に打撃のプレッシャーを掛けてもらい、そこから組んでもらう。次のラウンドは長岡さんに思い切り組んでもらうとかしてきて、まぁ本年を言えばちょっときつかったです。アハハハハ」

──その笑い声は開き直りというか、やるべきことをやってきたという感じがします。それにしてもヤン坊選手からすると、組みの練習では気持ちも鍛えられるのかと。

「ホントに窒息しそうになりますから(笑)。そういう部分でもボスのスタイルは久米選手と戦う上でドンピシャですね。根性もつきますし、本当に助けられてきました。ウチの選手ってボスがいるから、テイクダウン・ディフェンス力が嫌でもついてきます。そういう面で練習相手は精神力が強い人ばかりです」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
12月12日(日)
午後1時00分~ TIGET LIVE
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

PR
PR

関連記事

Movie