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【TORAO26】佐々木信治が長身ジョナタン・バイエスを封じ込め、12年ぶりの闘裸男で判定勝利

【写真】あと何回、戦う姿を見せられるのか--それでも父ちゃんは戦う、娘のために。(C)SHOJIRO KAMEIKE

5日(日)、広島市港区のBLUE LIVE HIROSHIMAでTORAO26が開催され、佐々木信治が約12年ぶりの闘裸男出場を果たした。

Text by Shojiro Kameike

2018年に韓国Road FCで大きな怪我を負った佐々木は、3年のブランクを経て今年2月にグラジエーターで復帰戦を行い、暫定ライト級王座を獲得している。そして今回、故郷といえる闘裸男のケージに入った佐々木信治が、ジョナタン・バイエスを迎え撃った一戦をお伝えしたい。


<ウェルター級/5分2R>
佐々木信治(日本)
Def.3-0:20-17.20-18.20-18.
ジョナタン・バイエス(米国)

佐々木は長女の咲耶ちゃんを抱き抱えての入場。気合いの雄たけびを挙げてケージの中に入る。プロフィールでは佐々木の身長が177センチ、バイエスは188センチと身長差は10センチほどだが、実際に向かい合うとそれ以上の体格差が感じられる。

試合が始まると、サウスポーのバイエスに対し佐々木が低い体勢から左フックを振るう。そしてバイエスが右フックを返してきたところで、パンチをかいくぐった佐々木が組み付き、右足から左足へのシングルでバイエスに尻もちを着かせた。立ち上がるバイエスのバックに回った佐々木は、相手の左足を刈るも相手を倒し切れない。すると佐々木はバックマウントを奪ってからバイエスをグラウンドに引きづりこんだ。

ケージに背中を着けて四の字クラッチを組む佐々木。バックからパンチを当てつつバイエスの首を狙う佐々木だが、バイエスも相手の腕を抱え込んでディフェンスする。すると佐々木は四の字ロックのままマウントに移行しようと試みるも、バイエスが体を起こしてきたのでバックをキープした。ケージづたいに動くバイエスを、四の字ロックで捕らえたままの佐々木だが、バイエスの固いディフェンスに阻まれて1Rを終えた。

2R、バイエスがスタンドでプレッシャーを強めてくる。足を使って回る佐々木に対して左ロー、さらに左ストレートを突き刺す。佐々木は左フックを返しながら、やや遠い距離からダブルレッグへ。1Rと同じく立ち上がるバイエスのバックに回るが、バイエスも佐々木の左腕を抱えてディフェンス。すると佐々木は左足を絡み付け、グラウンドに持ち込み四の字ロックからRNCを狙っていく。

佐々木の左腕がバイエスの首に回るも、バイエスは左側に反転。ここで佐々木の四の字ロックが解けて、バイエスに立ち上がられてしまう。すかさずダブルレッグを仕掛ける佐々木。スプロールしようとするバイエスを離さず、背中を着かせた。佐々木はバックに回り、四の字ロックからRNCを狙い続けるも、バイエスのディフェンスに阻まれてしまう。

試合時間残りわずかとなったところで、佐々木がバックから左腕を差し上げ、左側に体をずらして腕十字を仕掛けた。バイエスに背中を着かせ、クラッチを切ろうとするが、バイエスも耐えてタイムアップとなった。

裁定は、フルマークで佐々木の勝利に。

試合後、咲耶ちゃんから花束を受け取った佐々木は、マイクを持ってまずプロモーターのTorao Nation State会長、山本陽一氏に感謝を述べた。ケージサイドの山本会長も目に涙を浮かべている。

さらにこの日は、キャリアの中で初めてお母さんが観戦に来ていたという佐々木。

声に詰まりながら家族への想いを伝え、最後は妻の佐々木惠さんと咲耶ちゃんと一緒に写真に収まり、ケージを降りた。試合後、佐々木に今後について聞くと、コンディション次第という前提はありながらも「やるとすればRIZINに上がりたい。前回(2016年4月、ダロン・クルックシャンクにTKO負け)は何もできずに終わってしまったので」と語っている。

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