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【PFL2021#10】バチバチの展開から一転、音無しの終盤3Rをまとめたカッペローザがヘビー級制す

【写真】逆転負けのピンチも乗り越え、しっかりと終盤を戦ったカッペローザは王座戴冠と賞金獲得に涙を流した(C)PFL

<ヘビー級決勝/5分5R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
Def.3-0:49-45.49-45.48-47
アンテ・デリア(クロアチア)

開始直後のダブルレッグを切ったカッペローザが、デリアに右を打ち込みダウンを奪う。パウンドの追撃をかけるカッペローザを懸命にクローズドガードで制したデリアだが、立ち上がったカッペローザがパンチを連続で落とす。

パンチに顔を覆ったデリアは、何とか足をきかせ、ハーフから両腕を差していく。腕を抜いてハーフで殴るカッペローザは、細かいパンチを続ける。肩固めを察知したデリアは頭を引き寄せて、防御に徹する。構わず右のパンチを落とすカッペローザが、再度肩固めを狙いつつ足を抜いてマウントへ。残り50秒、肩固めに入ったカッペローザだが、組みを解いてパンチに切り替える。とブリッジでリバーサルに成功したデリアが立ち上がり、フックを振るってダブルレッグへ。ケージを背負ったカッペローザがテイクダウンは許さず、ポイントでは圧倒もデリアは終わっていないことを示すラウンド終盤となった。

2R、またも真っ直ぐ飛び込んだダブルレッグを切られたデリアは、ケージに押し込まれた状態でリリースされた直後のダブルレッグを軽々とスプロールされる。カッペローザが離れてワンツーもデリアが右フックを打ちこみ、動きが止まったカッペローザをテイクダウンし、ハーフから鉄槌を連打する。

息を整えながら鉄槌を落とし、抑えるデリアに対し、カッペローザも動けない。デリアはパスから上四方、ノースサウスチョークを防いだカッペローザがアナコンダチョークがすっぽ抜けて体だけが回転したデリアのバックを取り、パンチを連打する。

亀&ワンフックでパンチを続けるカッペローザが、両足をフックし背中を伸ばしつつパンチを打つ。仰向けになったカッペローザだが、時間はなくローラーコースターのような上下を繰り返したラウンドが終わった。

3R、左ジャブを突くがワンツー、ボディを入れ止まったデリアにヒザ蹴り、ボディ、フックを連打する。勝負有りかと思われた刹那、猛然とフックを打ち返したデリアがダブルレッグへ。ケージに押し込まれたカッペローザは、体を入れ替えてシングルへ。ここから頭をあげたカッペローザが、小外刈りもテイクダウンは奪えない。続くダブルレッグも耐えたデリアも動きはなく、残り1分40秒でレフェリーがブレイクを命じる。

デリアはダブルレッグを切られ、試合は立ちの展開に。パンチを見せて組んでいくデリアだが、押し込めてもテイクダウンは奪えないまま動きがなくなった5分が終わった。

4R、ワンツーのカッペローザはテイクダウン狙いを切って、バックに回りワンフックで耳の辺りにパンチを打ち込む。殴られながら立ち上がったデリアは、ケージまで移動して胸を合わせる。両者とも、完全に緩慢な動きとなりケージ相撲の様相を呈してくる。残り3分を前に離れたカッペローザだが、デリアはひたすら組んでケージに押し込むと、ついにテイクダウンを決める。

ハーフのカッペローザは手首を掴んで必至に防御するが、振り払ったデリアが枕で固め、頭をあげると鉄槌を打っていく。ケージを利して立ち上がったカッペローザは離れて、ダブルレッグを切ると逆にケージに押し込み時間に。

最終回、カッペローザが右ロー、左伸ばして組んでケージにデリアを押し込む。このままクリンチが続くかと思われたが、カッペローザはダブルレッグでテイクダウを奪う。デリアはクローズドガードを取るが、カッペローザが右足を抜く。十分な形で抑え、殴るカッペローザは半身のデリアが腹ばいになるとバックへ。

前方に落としたデリアだが、カッペローザは直後に起き上りダブルレッグでケージにプッシュする。完全な消耗戦、動きが少ない試合となり、デリアも反撃──最後の一発逆転狙いという展開にすら持ちこめないまま、大きくデリアを抱え上げたカッペローザがスラムを決める。ひたすらサバイブに徹するデリアに最後はパンチをまとめたカッペローザが、渋い試合で判定勝ちを収め、ヘビー級王者となった。


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