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【FURY FC52】石原夜叉坊、49カ月振りの勝利はならずとも──6連敗は逃れる……痛み分け

【写真】写真は計量でのフェイスオフ。この相手には勝ちたかったが、負けなくて良かった (C)FURY FC

17日(日・現地時間)、テキサス州ヒューストンのエスケーペード2001でFury FC52が行われ、石原夜叉坊がヴィニシウス・ザニと対戦した。

7月のFury FC48の敗北でついには連敗が5となった崖っぷちの夜叉坊が、4年1カ月振りの勝利を目指しケージに上がった。


<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・ザニ(ブラジル)
Draw.1-0:29-27.28-28.28-28
石原夜叉坊(日本)

オーソのザニに対し、夜叉坊がまず右ローから左インサイドローを連続で蹴る。ザニが右ローも、かわした夜叉坊は今度は左から右ローを入れる。ここでザニも右ローが急所に当たり、試合が一旦中断。すぐに再開し、夜叉坊は左ハイで牽制する。

ザニは右ミドル、両者のパンチが交換し夜叉坊は前に出て左ボディから左ストレートを伸ばし、右ジャブに続き左ミドルを決める。左ミドルを2発、踏み込んでローを蹴った夜叉坊は、ザニの蹴りにしっかりと距離を取ると、蹴りを空振りし姿勢を乱したところで跳びヒザを狙う。

左のニーを当てた夜叉坊だが、ザニは右足をキャッチし、ワキを差してテイクダウンを決める。背中を譲った夜叉坊、こらえどころでスクランブルに持ち込む。両者スタンドで離れ、夜叉坊が左足のローをザニの奥足に蹴っていく。結果、近い距離での攻防となり夜叉坊はローからミドルを効かせる。

動きが落ちたザニに対し、夜叉坊は右ジャブを伸ばす。蹴りのフェイクで距離を詰め、右を入れる夜叉坊はスピニングバックフィストをかわす。ザニは右ミドルから左ミドル、と再び蹴りが急所に入り夜叉坊が顔をしかめる。

間をおいてリスタートし、夜叉坊が距離を詰めて右からヒザ蹴りを繰り出す。さらに左ボディを入れた夜叉坊が右ジャブ、左ストレートを入れ、ザニの左フックをかわす。最後の最後にスタンドでバックを許した夜叉坊だが、完全に初回を取った。

2R、左ストレートに右を返したザニは、ヒザ蹴りにもワイルドな右を振るっていく。勢いが増したザニはボディロックテイクダウンを決めると、夜叉坊は背中を譲らず、腕を向いてケージ際まで移動して立ち上がる。

打撃の間合いで左ボディからヒザをボディに決めた夜叉坊が、パンチを纏める。明らかに動きが落ちたザニは、一発は勢いがあるが体の軸がなくなっている。夜叉坊が果敢に前に出るが、またもザニの右ローが急所に入り、ついに減点が与えられる。

急所は痛いが、4年1カ月振りの勝利にポイント的に有利なった夜叉坊は、右ロングを受けても前に出る。ザニは再びボディロックテイクダウン、スクランブルでバックをとったザニがスピニングバックフィストを空振りする。

組みを続けることができないザニ、夜叉坊にとっては絶好のチャンスだ。ここでもボディにパンチ、ヒザを突き刺した夜叉坊はザニの大振りの左右のパン問をかわしボディストレート。と、ザニはダブルレッグでテイクダウンも夜叉坊が頭を押して即立ち上がる。

スタンドでは夜叉坊の間合いと思いきや、右オーバーハンドを受けダウン。シングルから立ち上がった夜叉坊は、踏み込んだ足が滑って開脚状態で座るという珍しい場面も。すぐに起き上った夜叉坊だったが、ニータップでバックを許し、後方にヒジを入れる。座って左腕を差していった夜叉坊、ここは下で時間となった。

減点とダウン、2Rがイーブンとなったため、夜叉坊はドローでなく勝ちには3Rを取る必要がある。

最終回、観客を煽った夜叉坊が左ローを2つ入れ、右ジャブを伸ばす。右を振るって前に出たザニがボディロック、夜叉坊は倒されずに離れる。ここで打撃の間合いに戻れたのは大きい。ザニは手数が少なく、夜叉坊がショートのコンビを見せる。クリンチも組みを持続できないザニに対し、夜叉坊も左右のボディを繰り出す。

さらに右ジャブを2つ入れた夜叉坊だったが、ケージを背負うザニにシングルレッグでテイクダウンを取られる。背中を譲り立ち上がる夜叉坊は、正対して離れる。倒される夜叉坊、コントールできないザニ──両者、淡泊な展開のなかで手数が多いのは夜叉坊であることは明らかだ。

ザニは右ミドル、夜叉坊が左ミドルを返して右フック入れる。手をマットに着けた蹴りから、ザニがシングルを決める。ここもケージ際に移動した夜叉坊に対し、ザニはコントロールを拒否して離れ時間に。夜叉坊は打撃も当ててはいるが、インパクトは少なく倒され過ぎたか。最後は打撃の間合いに戻る。

3Rを手数、精度で取れると、29-27で判定勝ちができるが──果たして、ジャッジの裁定はまず29-27でザニ。1Rまでザニのラウンドとは、理解に苦しむ。夜叉坊も首を傾げるなか、残り2人は28-28でドローに。3Rはコントロ―ルこそ許さなかったが、2度倒されたことが失点につながった。

両者の淡泊さが、ポイントゲームでザニ有利なった。つまり急所蹴りの減点がなければ夜叉坊は黒星を喫していたところ。49カ月振りの勝利はならずとも、6連敗を逃れた事実は悔しくもあり、ホッとしたところでもある。

これもまた今の夜叉坊の状態を端的に表す結果──という見方もできるかもしれないが、3Rはアレだけ当てることができる局面だったので、やはり勝ち切りたかった。

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