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【HEAT49】MMAデビュー=清水洸視戦へ、イゴール・タナベ─02─「日の丸を背負って世界で活躍します」

【写真】寝技になれば敬愛してならない師匠の住村竜市朗を、チンチンにしてしまう力を持っているイゴール。殴られるよりも、殴られる強さを持てれば──可能性は無限大だ (C)MMAPLANET

17日(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT49でMMAデビュー戦を戦うイゴール・タナベ・インタビュー後編。

清水洸視戦を控えたイゴールは、MMAで戦うことへの本気度。そして日本を代表するファイターになるという熱い想い、信頼する師匠と仲間について熱弁をふるった。

<イゴール・タナベ・インタビューPart.01はコチラから>


──ではMMAデビューに向けて、どのような準備をしてきたのでしょうか。

「IGLOOにも近いのですが、RISEのチャンピオンの左右田泰臣選手のリベルタと、皇治さんのTEAM ONEで打撃をやり、MMAやグラップリングの練習はIGLOOとロータス世田谷で練習させてもらっています」

──青木選手が体重を落としてきたイゴールとは、組みの練習ができるようになったと言っていました。

住村 青木さんとイゴールはバチバチの練習をしていますね(笑)。

「青木さんはもともとIGLOOで水曜日にやっていましたし、今はロータスでも練習させてもらっています。あとは今日のようにIGLOOにグラント(ボクダノフ)に来てもらってやっています。グラントとは協力しあっています」

──対戦相手の清水洸志選手はアマ修斗全日本覇者ということです。

「デビュー戦同士ですから、2人ともめちゃくちゃやる気になる試合になると思います」

──イゴールとしては、どのような試合をしてみたいですか。

「グラントのようにすぐに終わらせるような試合をしたいです。バックをとって、直ぐに極める。自分に自信があるんじゃなくて、自分のやっている練習に自信があります。これまでに一番練習しました。柔術ではここまで練習したことないっていうぐらいやってきたので」

──デビュー戦後のキャリアアップの仕方に関しては、どのように考えていますか。

「そこはもうマネージャーさんに任せます。僕は決まった人と戦っていくだけです。MMAをやるからにはトップを目指しますし、一番強い人とやりたいと思っています」

──国内のミドル級は岩﨑大河選手、内藤由良選手、まだアマですが三上ヘンリー大智選手と、楽しみな選手が多いですし、そこにイゴールが加わると楽しみ倍増になります。

「もう今は対戦相手とか考えていなくて。マネージャーさんが持ってきた試合を住村さんと相談して、住村さんがやれといえばやります」

──住村選手がヘッドコーチですか。

「俺の師匠です」

住村 僕も終わりが近づいているし、ちょうど入れ替わりでイゴールのような選手が出てきてくれて。

「住村さんは23日に自分の試合があるのに、日帰りで名古屋まで来てセコンドをしてくれるんです。僕も試合まで1週間前だし、『大丈夫です。自分の試合に集中してください』って言ったんですけど、来てくれるって……。僕のキャリアが終わるまで、住村さんが師匠です。僕が世界のトップになった時もずっとそれは変わりません。僕は海外で練習するつもりもないんで。ずっと住村さんとやっていきます」

──そこまで、もう決めているのですか。

「日本を代表して戦いたい。海外で練習していたら、日本代表とは言えないですよ。日本でしっかりと強くなります。柔術では海外で練習もしました。でも結局は日本でしっかりと練習すれば強くなれると思っています。それこそ、青木さんを見れば分かるように。自分の仲間を信じて、信頼できる人と練習するのが一番です。

MMAでは俺はまだ経験もないし、そんな偉そうなことは言えないんですけど、柔術時代の経験でそう思っています。一番良い環境というのは、空気や雰囲気だと思っています。リラックスして、楽しみながらどれだけ練習できるか。セコンドも自分が一番信頼できる人についてほしくて」

住村 ここまで言ってくれるから、自分の試合より緊張しますよ(苦笑)。もうね、自分もね──大人としてね、彼のことを考えてあげたいし。これまで好き勝手やってきましたからね。

──アハハハ。否定できないです。では最後にファンに向けて、この試合への意気込みとMMAへ賭ける気持ちを話してもらえますか。

「そうですね……まず柔術界の人たちに伝えたいのは、MMAで戦っても柔術は辞めないということです。人生の最後は、柔術をやって迎えたいです。ただし、今は自分の将来、家族のことを考えてMMAを戦っていくことにしました。

柔術はタイミングを見て戦うことになるので、申し訳ない気持ちもあります。それでも、柔術の人達もこれまで通り僕のことを応援してくれると嬉しいです。MMAを戦うことで、僕と疎遠になる人もいるかもしれないですが、自分の人生を生きる上で全ての人に理解してもらえるとは思っていないです。僕にとってはやはり、家族が喜んでくれることが一番なんです。家族の幸せが一番大切です。

そこを考えた上での選択が、コレなんで。変わらす応援していただけたら、嬉しいです。4月にHEATでグラップリングの試合をした時、MMAとキックのあるHEATという大会のなかで柔術の楽しさを見せていきたいと思っていました。MMAで戦うことで、僕は柔術の楽しさではなくて、強さを見せていきたいです。そして日本を代表して戦い、世界に出ていく選手になりたいと思っています。

国籍はまだブラジルなんですけど、そこもしっかり日本国籍を取得して日の丸を背負って世界で活躍します」

──イゴールの肩書は柔術家ではなくて、MMAファイターになるということでしょうか。

「今は柔術家です。将来的には柔術家であり、MMAファイターだと胸を張って言えるようになります。普通に考えて、打撃だって10年もやればストライカーになれるじゃないですか。僕はまだ21歳、10年経っても31歳です。しっかりと世界で活躍できるMMAファイターになるので、その一歩を次のHEATで見せたいと思っています」

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