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【ONE Revolution】猿田洋祐の挑戦を受けるジョシュア・パシオ─01─「仕事の依頼を受けるのは当然」

【写真】ZOOM取材でもヘアスタイルをしっかりとしてくるのが、ジョシュア・パシオだ(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でジョシュア・パシオが、猿田洋祐の挑戦を受けてONE世界ストロー級王座防衛戦を戦う。

パンデミック後、チーム・ラカイ勢はコンディションにバラツキが見られる。それでも戦い続けるチームリーダー=エドゥアルド・フォラヤンの背中を見て、若きチャンピオンはどのように思っているのか。1年9カ月振りの実戦を前に、パシオに話を訊いた。


──10日後に猿田洋祐選手の挑戦を受けます(※取材は9月14日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「最高だよ。もう準備はできている。早くシンガポールに行きたくて、ムズムズしているんだ」

──2020年1月以来の実戦になります。この間、昨年11月に猿田選手の挑戦を受けることが決まっていたのですが、この時は実現しませんでした。何があったのでしょうか。

「パンデミックが起こり、とにかく全てが大変な状況に陥ってしまった。去年の11月は……コロナの影響で日常生活も、トレーニングも以前とは違っていると感じていて、まだ試合ができる状況じゃなかった」

──確かに去年の10月からONEの国際大会が復活して、チーム・ラカイのメンバーはコンディションが整っていなかったことが多かったように感じました。

「そうだね。去年はジムで練習すること自体が難しくて。今年になってからは、徐々に普通に戻って来たけどね。ジムでもジム以外でもトレーニングできるようになったし、そこは凄く改善されたよ。でも、僕自身は3月に感染して……しばらく練習できなくなっていたんだ」

──そうだったのですか!!

「ずっと自分の部屋にいないといけなくて、凄く退屈だった。でも、後遺症もないし、そこは本当に助かったよ。陽性になったときも無症状だったし、だいたいいつ感染したのかも覚えがない。そんな状況だったんだ。熱もなかったし。ただ無症状で練習をして、チームメイトに感染させていたらと考えるとぞっとする。あの時、検査で陽性だと分かった良かった」

──それがCovid19の怖いところですね。今も、練習環境や普段の生活は問題ないですか。

「チーム・ラカイの練習は元に戻っているよ。バギオやその一帯は、以前のように戻りつつあるから大丈夫だよ。でも、マニラは酷い状態なんだ。コミュニティ隔離措置が一度は制限緩和することが決まったけど、感染状況が悪くて継続されることになったんだ(アラート4を呼ばれる措置で、屋外飲食サービスはキャパの30パーセントまで。屋内飲食はワクチン接種をした者に限られ、かつキャパの10パーセントまでしか認められない。パーソナルケアサービスは美容院、ネイルサロンなどが飲食と同じ条件でサービスが許されるが、ミーティング、展示会、カンファレンスなどは禁止されている)」

──この間、ジョシュアが試合に出ていなかった間に。スティーブン・ローマン、ジェレミー・ピカティウ、さらにマーク・サンジャオ・コーチの息子であるジャンロ・サンジャオがONEとサインをしました。

「マーシャルアーツの最大の舞台の一つで彼らも戦えるようになり、とても嬉しいよ。もう、これまでに実力があることは証明しているしね。スティーブンとジャレミーはすぐにトップ戦線で戦い、ONEでもチャンピオンになれる可能性は十分にある。僕はそう思っているよ」

──その一方でチームを長年引っ張ってきたエドゥアルドは、厳しい状態が続いています。なぜ、彼はオファーを断ることなく試合を受け続けるのでしょうか。ジョシュアはエドゥアルドがオファーに応じ続けることをどのように思っていますか。

「言いたいことは分かるよ。でも、エドゥアルドも試合後は体を休めているし、練習に戻ってくるとどこも問題なく動けている。今日もエドゥアルドは朝の練習に参加していた。そして、弱点を克服するためにハードにトレーニングを続けている。新しい技術を学び、ドリルで身につけようと努力しているんだ。僕はエドゥアルドは戦い続けることができると信じている。

僕も試合ができる状態なら、オファーを断ることはないよ。チーム・ラカイのメンバー、皆がそうだろう。僕らはプロフェッショナル・アスリートだから。これは僕らの仕事でもあるしね。仕事ができる状態なら、仕事の依頼を受けるのは当然のことだよ。ホント、それだけのことだからね」

──それがチーム・ラカイに浸透している考えなのですね。ところでこの間、チームメイトのリト・アディワンが同じストロー級でも存在感を増してきました。

「リトは去年、お母さんを亡くすという本当に辛い時間を過ごした。そこを乗り越えて試合に出て、KO勝ちしたんだ。フィジカルだけでなく、メンタルでもハードなチャレンジを自らに課して、乗り越えた。個人的にも彼は本当にハートが強くなったと思う。あの状況で試合を戦ったことで、リトはさらに強くなった。今ではリトは僕の最高のパートナーの1人だよ」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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