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【ONE Battle Ground03】ONE初陣、パンダの都の王子=バンマードォーチー─01─「今の僕があるのは…」

【写真】ニックネームはプリンス=王子。Zoom取材中も何度もヘアスタイルを気にしていた王子様だが、部屋は汚かった(笑)。どのようなONEデビュー戦を見せてくれるか、楽しみだ(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、ONE「Battle Ground03」が放送される。

7月30日にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録された同大会には13日放送のBattle Ground02のメインでエドゥアルド・フォラヤンに勝利したジャン・リーポンと並び、気になる中国人ファイターがONEに初出場している。

それが27日中継分で元ONE世界ストロー級王者デェダムロン・ソーアミュアイシルチョークと対戦するバンマードォーチーだ。

キャリア13勝1敗、13のKO勝ちを誇る男前ファイターはモンゴル人、ウィグル人に続く、第3の少数民族の潮流を作りつつあるチベット族のファイターだ。7月28日に収録した、注目のバンマートゥーチー・インタビューをここで紹介したい。


──デェダムロン・ソーアミュアイシルチョークとのONE初陣が近づいてきました。今の気持ちを教えてください。

「ONEで初めて戦えることで凄くハッピーで、もの凄く楽しみだよ。明後日の試合、自分自身でも本当に期待しているんだ」

──過去2年、試合をしていなかったです。

「それはKunlun Fightとの契約がこじれてしまったせいだよ。僕のチームとクンルン側の交渉が、ずっと続いた。結局、2年間試合に出られないまま、契約満了となり僕は自由になれたんだ。そして、ずっと戦いたいと思っていたプロモーションの一つ、ONE Championshipと契約できたんだよ。

この2年間、色々なことがあったけど一つだけ忘れないにしていたことがある。毎日、ハードに練習するということ。毎日がファイティング・キャンプのようだった。この間のトレーニングがあったから、いつ、どこでどんな相手でも戦えるだけの準備はできていたよ」

──バンマーは13勝1敗という素晴らしい戦績を残していますが、正直なことをいうとONEで戦うことが決まるまで日本では知られていなかったです。今回はデェダムロン戦を控え、バンマーのファイティングキャリアについて教えていただけないでしょうか。

「もちろんだよ」

──ところでバンマードォーチーというのは漢民族の名前ではないことは私も理解でいるのですが、何族になるのですか。

「僕はチベット族だよ。バンマードゥチーというのはチベット語で仏陀、美男子という意味なんだ(笑)」

──名前の通りに成長できたのですね(笑)。

「アハハハ。ありがとう」

──もともとどのような格闘技歴があるのでしょうか。

「8歳の時に散打を始めた。成都市のチャンピオンとスーワン(四川)省のチャンピオンになり、中国のナショナル選手権でも戦ってきた。自分でいうのもなんだけど、そこそこ立派な結果を残してきたと思うよ(笑)」

──では四川省成都の出身なのでしょうか。

「僕は四川省のアバチベット自治州の出身だよ。アバはパンダの街として有名なんだ(笑)」

──パンダの街ですか……日本では成都のイメージが強いです。

「違うよ、成都の動物園にいるパンダはアバで発見され、保護されているんだ。アバこそが、パンダの都だよ(笑)」

──なるほど、拘りポイントですね(笑)。そんな散打で結果を残してきたバンバーがMMAの練習を始めたのは?

「15歳の時だったと思うけど、TVでMMAの試合を視たんだ。僕のなかで散打がもっともタフで漢のスポーツだと思っていた。でも、MMAを見た時から散打はただの子供の遊びだと感じてしまうぐらい、衝撃を受けたんだ。MMAこそ本当の漢、漢の中の漢の戦いだってね。

そしてすぐにどこかでMMAの練習ができる場所はないかと探して、エンポ・ファイトクラブのエンポに出会ったんだ。エンポは中国の散打、MMA界で最も偉大な指導者の1人だよ。エンポはMMAの練習をしたいという子供たちの想いを成就させてくれる素晴らしいコーチで、UFCのスムダーチーを始めたくさんのMMAファイターを育てているんだ。

※エンポはスムダーチーやバンマードォーチーと同様に四川省のアバチベット自治州出身で中国人民墓相警察隊時代に散打の練習を始め、中国軍事競技大会で散打と摔跤のチャンピオンになると、除隊後の2001年には成都にアバ武術散打チームを結成する。軍事指導者の頃から孤児や貧しい家庭の子供に無償で散打の指導し、彼の下で育った子供たちは成人し警察官などの職に就れるようになっており、名士としても知られる。

その後も散打チームは発展し、MMAの指導も始めると2014年にエンポ・ファイトクラブ(恩波格斗)を正式にオープンしMMAと散打の指導を続ける。UFCファイターのロン・チュウやスムダーチーらが在籍している。

エンポは僕の父親のような存在だよ。誰よりも大切な人だ。16歳の時から僕はエンポの下でプロMMAを戦ってきた。エンポの教えを受けて、13試合連続でKO勝ちてきた。中国国内では、もうこれ以上やるべきことはない。ONEという国際的な舞台でチャンピオンになることが、僕の次の目標だよ。そんな今の僕があるのは、全てエンポのおかげだよ」

──師との素晴らしい信頼関係を築いているのですね。

「チベット系中国人のファイターは僕らのチームから、もっともっと国際的な舞台で活躍するようになるから注目してほしい」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
8月27日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground03対戦カード

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<57.7キロ契約/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
バンマードォーチー(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
シェ・ウェイ(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ベン・ロイル(英国)

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