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【Grachan49】日沖発&タクミ──試合直後、同時インタビュー「ラバー狙いでしたよね?」、「その通り」

【写真】試合後に戦った両者同時インタビューは、MMAPLANETでも初めての試み。グラップリングならではの話が聞かれた (C)MMAPLANET

8日(日)に大阪府豊中市の176boxで開催されたGrachan49で組まれたグラップリングマッチ=日沖発✖タクミは時間切れドローとなった。

攻める日沖、凌ぐタクミ。一見、このように映った試合の裏でどのような駆け引き、判断が見られたのか。

日沖はタイトな抑えからのパスは見せず、草刈りスイープを食らった。

タクミは上半身は裸でロングスパッツを着用していた。

大会終了直後、戦った当人に同時に──彼らしか分からない水面下の精神戦、駆け引きを深堀りしてもらった。


──見どころの多い試合でした。

タクミ ありがとうございます。練習ではもうチョット極めることができているんですけどね(笑)。発君のぐらいのレベルになると、早々仕掛けることはできなかったです。極めはおろか……。

──それでも負けない。攻め込まれないという試合ができました。日沖選手は1Rはトップからパスを中心に攻めましたが、足を越えることができなかったです。

日沖 あそこ動いていて、途中で気づいたんです。タクミさん、クローズド狙いでしたよね?

タクミ ハイ、そうです(笑)。

日沖 僕はパスでは密着系のパスが得意なんですけど、距離を取ってのパスになって……。あの時、スイープ狙いとかよりもガードのテンションと、クローズドに入れてラバーガードを狙っているなって気付いたんです。

タクミ その通りです。まさにその通り(笑)。

日沖 だから途中でポジショニングよりも、足系に切り替えました。一度、僕の足が揃って草刈りスイープを仕掛けられた時があったじゃないですか? 

アレは実は久米と立てた作戦の1つで。展開が止まったら、わざとスイープをされながらマウントとか取りに来るタイミングで、スクランブルを作ろうかなとも思ったんです。

タクミ それ、僕も気づいたんで行かなかったんです(笑)。上に行ったら、バクって何かやられそうな気がして。

──いやぁ、そんな精神戦。騙し合いが行われていたのですね。

日沖 動きを創る展開にさせてもらえなかったです。

──自分がタクミ選手の敵陣営だったら、長袖ラッシュを着てくださいと主催者に要望を出します(笑)。タクミ選手の新陳代謝は半端ないですからね。

日沖 ハハハハ。

タクミ 今日もめちゃくちゃ汗が出ました(笑)。で、ラバーを取る作戦だからロングスパッツを履いたんです。

練習通りにはいかなかったですけど(笑)。

日沖 ルールミーティングが当日で、どういう服装で戦うのか分かっていなかったので、僕も上から下までロングタイツ、ショート、ラッシュと揃えていたんです。

裸なのかどうかも、分かっていなかったので。結果、特に規定がなかったので滑らないようにラッシュを着て、下も履きました。

勝負を賭けようと思いました。でタクミさんを見たら、ロングタイツだったので作戦を考えてきているなって(笑)。

──してやったりでしたね。それにキム・スーチョルとグラップリングで戦った時より、ずっと動きも良かったです。

タクミ レスリングやスクランブル、あれこれ全部を練習しても発君には追い付けないと思いました。だから下の一点突破、クローズドからラバーもしくは下からヒールで一発を狙う。そのどっちかだけとしぼって、そればっかりを練習してきました。全部、防がれてしまいましたけどね(笑)。

──足関節を仕掛けられた時の反応も良くて。50/50やサドルを組ませることなく対処していたじゃないですか。

タクミ 来たらサッと回転して逃げる。そこも……僕から行くことも考えていたんですけど、怖かったです。

日沖 一度、右足をタクミさんのワキの下において、誘ってみたんですけど乗ってくれなかったです(笑)。

──アハハハ。最後の最後に日沖選手がバックを取るという動きが見えました。

タクミ あれは……僕的には時間的にバックマウントから絞めが来ても耐えることができると思って。その動きで足関節を狙おうと思いました。

バックをとられながら、カウンターで足関節にいく。だから、行かせたというとアレですけど、流れを使おうかと思いました。もう時間もないし、一本決着のルールだったので。

──一見、攻めているのは日沖選手。でも譲らない妙を見せたのはタクミ選手のようにも見えました。

タクミ そういう風に見える試合だったかもしれないです。

日沖 この試合用に作ってこられましたよね?

タクミ そうですね。それはセコンドに就いてくださった岩崎(正寛)さんに指導をしてもらってきました。僕だけでなく、関西中のパラエストラ勢がお世話になっています。いつも練習後に細かいアドバイスをしてもらえて。それが凄くありがたいです。

──岩崎さんからすると、この勝負はどのように見ていたのですか。

岩崎 やっぱり全体で考えたときに、不利ではあるので。最初に崩されると、徹底される。だから最初をしっかりと守る。それを徹底してもらいました。

日沖選手は凄く丁寧に攻撃されることは分かっていたので。それと同じぐらい丁寧にしないと、攻め込まれて危ないよということを伝えて、作戦を立てたんです。

──日沖選手、最後は悔しさを露わにしていました。

日沖 最後は行きたかったですね。行きたかったけど、入る感じのところまでは持っていけなかったです。

──試合直後に戦った当人を同時に、しかもセコンドの岩崎さんも試合を振り返っていただきありがとうございました。より2人の試合が楽しめるので、ここで聞いた話を頭にいれて後日アップされる予定のYouTubeを楽しみたいと思います。

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