この星の格闘技を追いかける

【Bellator263】復活へ=クリス・ゴンザレス戦控えるゴイチ・ヤマウチ「完全に変わった僕の姿を」

【写真】確かに体が大きくなっているゴイチ。155.5ポンドで計量を終えている (C)BELLATOR

31日(土・現地時間)カリフォルニア州ロサンゼルスのザ・フォーラムでBellator263「Pitbull vs McKee」が開催され、ゴイチ・ヤマウチがクリス・ゴンザレスと対戦する。

パンデミック以降、計量ミスと判定負けというゴイチに、再起戦への意気込みと同時に──なぜブラジルからは次々と新鋭が誕生するのかを尋ねた。


──ゴイチ、タフな新鋭クリス・ゴンザレスとの試合が近づいてきました。今の気持ちを教えてください。

「良い調子だよ。体中にエネルギーを感じている」

──コロナの影響が大きかったブラジルですが、クリチバの方でいかがですか。

「ブラジル自体が米国ほどでないけど、事態が好転している。チームや周囲のほとんどがワクチンを接種しているし、以前の生活を取り戻しつつあるよ。まだ僕はワクチン接種はしていないんだけどね」

──それは副反応で試合の調整に影響を出したくないから?

「それもあるけど、単に年配の人から接種は始まっていて僕の年齢は、まだということだよ。でも、試合が終わり、順番が回ってくれば打とうと思う。それこそ試合前は副反応が嫌だから、接種しないようにするけどね」

──ところでゴイチが2019年の末にBellator Japanで試合をした数カ月後にはパンデミックが起こり、去年の12月の試合は体重オーバーでドタキャン、4月はダン・モレットにスプリット判定負けと流れが良くありません。

「そうだね……チャンピオンになるには、タフな時期を残り越えないとね。自分のミスもあってタフな状況になっている。だからこそ、クリストの試合ではこの時間を経験して完全に変わった僕の姿を見てもらえればと思う」

──ブラジルのコロナ禍が、計量オーバーや敗北に関係していると考えていますか。

「パンデミック後は大変だった。ジムに行くにも警察に見つからないようにして、移動して……。でも、いくらロックダウンがあってもマーシャルアーチストにトレーニングは欠かせない。いつでも試合に応じられるような状態は保っておかないと、マーシャルアーチストではなくなってしまう。そういう意味では練習パートナーの確保さえ困難だった時期は、ハードだった。でも、今は問題ないよ。これまで通りとまではいえないけど、しっかりとコントロールして、試合が戦える状況にはなっているから。

それにパンデミックは僕にだけ起こったことではなく、世界中が影響を受けている。僕がこれまで戦ってきた相手、今回の対戦相手、次の対戦相手、皆がパンデミックが起こり、それまでのように練習ができなくなって、それぞれが解決策を練ってトレーニングをしてきたんだ。タフな状況を乗り越えようとしている最中で、そんななかで今回はファンも会場に戻ってくるよね」

──ハイ。

「前の試合は無観客で、本当におかしな気分だった。さいたまスーパーアリーナの大観衆の前で戦った次の試合で、ファンがゼロになってしまったのだから。僕は自分の動きに対するファンのリアクションがモチベーションになり、よりエキサイティングできる。だからファンの前で戦えて嬉しいよ」

──では対戦相手であるクリス・ゴンザレスの印象を教えてください。

「正直を言えば、あまり分かっていないんだ。たった6試合だけだし、映像も少なくてあまり研究材料がない。良いファイターなんだろうけど、十分じゃないよ」

──テイクダウンとコントロール、そしてパウンドも強烈無比です。自身のフィジカルをしっかりと武器にしている印象です。

「でもライト級は僕にとってベストな階級だから。特にパンデミックが起こり、ウェイト・トレの時間が増えて体が大きくなった。それでも他の国まで飛行機に移動して、2日ほどかけて体重を落とすっていうのは簡単なことじゃない。いずれはウェルター級に階級を上げることになると思うけど、今はライト級が適している。この階級では、まだ細い方だけど問題ないよ」

──パトリシオ・フレイレがフェザー級GPで戦ってきたため、ライト級のトップは動きがありませんでした。その階級が動き出す時期の試合で、王座挑戦に向けてどのような試合をしないといけないと考えていますか。

「ハイレベルにあることを示す、印象に残る動きをしないとね。クリスは経験が少なくて、失うモノがないから思い切り攻めてくるだろう。そこを注意いながら、力の差を見せなければいけない。なんせノーランカーだからね」

──ところで先日、LFAブラジル大会を視聴したのですが……ブラジルの無名の新鋭のポテンシャルの高さは凄まじいモノがありますね。このコロナ禍で、あれだけ選手が育っていることには驚かされました。

「だってMMAはブラジル人が創造したものだよ。ブラジルはグラップリングが盛んで、それほど良いストライカーを輩出している国ではない。日本のキックボクサーは、ブラジルのキックボクサーよりずっと強くて優秀だよ。でも、組み技と打撃をミックスすると話は別だ。きっと国民性も関係しているんだと思う。ブラジル人は強い精神を持ち、ギブアップをしないし、MMAに掛ける気持ちは他の国とは違うだろう。ベースとなる文化が違うからね。

日本から持ち込まれた柔術というマーシャルアーツを発展させたのは、この国だから。そこは他の国が持ちえないアドバンテージになっている。多くに国で……日本もきっとそうだろう、MMAファイターは柔術を重視しないケースが多い。打撃とレスリングを強化して。でもね、打撃と同じで柔術が強いからといってMMAが強いわけじゃないし。グレイシー一族がMMAを考えた。だから、僕らは強いんだ」

──パイオニアのアドバンテージが、未だにあるということですね。ゴイチ、貴重な意見をありがとうございました。では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のファンは、いつも僕の心にいる。コロナが終息したら、必ず日本に行くよ。何度もでも日本を訪れるつもりだ。皆のサポートに感謝している。それとサトシ・ソウザがRIZINでチャンピオンになったよね。ぜひとも、彼と戦いたいと思っている」

■視聴方法(予定)
8月1日(日・日本時間)
午前8時00分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前11時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■ Bellator263対戦カード

<Bellator世界フェザー級選手権試合&フェザー級ワールドGP決勝/5分5R>
[王者]パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
[挑戦者]AJ・マッキーJr(米国)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
エマニュエル・サンチェス(米国)

<ライト級/5分3R>
ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)
マニー・ムロ(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アーリーン・ブレンコウ(豪州)
ダイアナ・シウバ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マメドフ(米国)
ブレんと・プリマス(米国)

<ライト級/5分3R>
クリス・ゴンザレス(米国)
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ヴェネッサ・ポルト(ブラジル)
イララ・ジョアニ(ブラジル)

<150ポンド契約/5分3R>
ガジヒ・ラバダノフ(ロシア)
ダニエル・コーリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
カサン・マゴメドシャリポフ(ロシア)
ヨナタン・キロス(メキシコ)

<180ポンド契約/5分3R>
ジョニー・シスネロス(米国)
ジョシュア・ジョーンズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョージ―・カラキャニャン(米国)
キーファー・クロスビー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
ブライアン・ムーア(アイルランド)
ジョーダン・ウィンスキー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジャスティン・ベリー(米国)
ダニエル・コンプトン(米国)

PR
PR

関連記事

Movie