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【UFC ESPN26】MMA復帰=ルノー戦、ミーシャ・テイト─02─「夢を追うことで、より良い母になれる」

【写真】慈愛、そんな雰囲気がミーシャを覆うようになったように感じる (C)Zuffa/UFC

17日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN26「Makhachev vs Moises」でマリオン・ルノーと対戦するミーシャ・テイト・インタビュー後編。

4年9カ月振りにMMAに復帰するミーシャは、2人の子の母として夢を追い続ける姿を見せたいという。女性が母親になっても、夢を追求できる──彼女の試合はそんな世界を実現させる世代へのメッセージとなる。

<ミーシャ・テイト・インタビューPart.01はコチラから>


──マリオン・ルノーは現在4連敗中、UFCからするとミーシャが今もオクタゴンで戦う力を持っているのか査定する相手になると話そうと思っていたのですが、もうその返答をしてもらえましたね(笑)。

「アハハハ。ホント、力説しちゃったけど……私は心の底から彼女は大した人物だって思っているの。彼女は私と同じように母であり、柔術黒帯。どれだけ努力をし続けてキャリアを築いてきたのか。本当に彼女のことを尊敬しているわ。

全くためらいがないのよね、私と戦うことも。ありがたいことだわ。マリオンはこの試合で、彼女の全てをぶつけてくるでしょうね。だから私も最高の状態で彼女を迎え撃ちたいと思って、最高のキャンプを過ごしてきたわ。

私のMMAファイター人生の第2章には、以前の成功は一切関係ない。過去の栄光は関係ない、全てはここから始まるのよ」

──長女のアマイアちゃんは、お母さんが戦うことを理解しているのでしょうか。

「そうね、自分の母親が友達のお母さんたちとまるで違うことは分かっているみたいね。私自身、MMAファイターの自分と家にいる時の自分はまるで違うようにしているけど。ジムに行ってスパーをして、ボクシングをして、レスリングをして、ファイトしている。そして家に戻って、あの子たちにキスをするの。

こんなに素晴らしい経験をしたことは、今までなかったわ。まるで別のことを同時に行う自分の人生を誇りに思っている。これが私の生き方なの。私は愛することをやっていきたいから。

娘は3歳、息子は1歳。息子は当然、何も分かっていないわよね。アマイアは話している内容では、分かったような感じになっているわ(笑)。『マミーがレスリングし、ボクシングをしている』って感じでいるけど、それが何を意味しているのかは分かっていないでしょうね」

──3歳ですからね。ただ私の娘たちはかつて、締め切り間際のピリピリ感を感じていたようです。なので試合前のミーシャの空気の違いを感じるのかと想像していました。練習と家では全く違うようにミーシャが過ごせているのが、凄いなと思います。

「でもママが戦う、パパが戦う。その練習をするジムに来ることは、彼女は好きみたい(笑)。友達に「ファイトしたい?」って聞いているから」

──Oh、凄くキュートですね。母になったミーシャ・テイトはそれ以前より、人として強くなったと思えますか。

「そうね、ファイターだけでなく、母親になることって素晴らしいプロセスだと思うわ。母親であることが、どういうことなのかを理解して戦えるようになった、凄くラッキーね、私は」

──誰もが母親にはなれます。でも、ママであることは本当に色々な困難が伴います。

「子供ができて自分の母が凄いと思えるようになったの。彼女は本当によく私を育て上げてくれた。それがどれだけ大変だったか分かるようになってきたし、そうやって育てた娘がMMAを戦うことをよく認めてくれたと思うわ。

あのね、女も母親になることで夢を諦める必要はないの。ずっと長い間、男は夢を追うことと父であることを維持してこられたわ。子供ができても、キャリアの続きを積むことができた。対して母親になることで、その責任の全てを背負う女性が多かった。

でもね、私はこう思うの。夢を追うことで、より良い母親になれているって。そして、私はその姿を子供たちに見せたい。娘も性別に関係なく、夢を追い続けることができるようになってほしいから。私は彼女の良い手本になるためには、どんな努力だって厭わないわ。

母親も夢を追いかける。それを男性陣がサポートする社会が実現するから。ジョニー(ヌネス)はこの試合だけでなく、シンガポールに移ってONEで働くこともサポートしてくれたわ。そして、私がまた戦いたいと言った時も、反対意見は全く口にしなかった。

彼は自分がどれだけのことができるか、限界のようなことを全く口にしたことがなく、ずっと私を支え続けてくれた。私がベストを尽くせるように、常にサポートしてくれたの。ジョニーはONEと契約していて、なかなか試合のチャンスが巡って来ないけど、その時が来れば今度は私が100パーセント、彼のサポートをするわ。ジョニーがやり切れるためにね。私たちは、お互いをそうやってサポートし合っていくのよ」

──素晴らしいです。

「私がUFCで戦うことは、娘や他の子供たちにそういうメッセージを送ることになるの。彼女達が大人になった時、『私は母親になるし、夢も追い続ける』と言えるようにね。

皆、大変な局面って人生に訪れると思うの。でもね、そんな時だからこそ自分の人生の選択は、自分自身でしてほしい。色々とサポートしてくれる人の意見には、耳を傾けるわ。そういう人たちがいてくれて、私は戦える。でも、私をコントロールするのは私自身。今、MMAファイター人生の第2章がどうなるのか、楽しみでならないの。

これまでに色々と成し遂げてきたとは思っている。でも、私のベストはこれからなの。そういう私が経験したこと、これから私が経験することを──これから、この道を歩もうという世代に伝えていきたい」

──私も今一度、ミーシャが話してくれたことを噛みしめて、自分の人生に生かしたいと思います。本当にありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「今、ファイトウィークを過ごし、ここに戻って来られたことが凄く嬉しいわ。マリオンと最高の試合をするから、また私のファイトを見て楽しんでほしい。私はただファイトをするために戻ってきたわけじゃない。またチャンピオンになるために戻ってきたの。まだこれから、もっと強くなる。その一歩を日本の皆に見てほしいわ」

■視聴方法(予定)
7月18日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC ESPN26計量結果

<ライト級/5分5R>
イスラム・マカチェフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
チアゴ・モイゼス: 156ポンド(70.76キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー: 136ポンド(61.69キロ)
ミーシャ・テイト: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ジェレミー・スティーブンス: 156ポンド(70.76キロ)

<ミドル級/5分3R>
ホドウフォ・ヴィエイラ: 186ポンド(84.37キロ)
ダスティン・ストーツフス: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
ビリー・クゥアンティロ: 146ポンド(66.22キロ)
ガブリエル・ベニテス: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ダニエル・ロドリゲス: 171ポンド(77.56キロ)
プレストン・パーソンズ: 169.5ポンド(76.88キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス: 115.5ポンド(52.38キロ)
モンステラ・ルイス: 113.5ポンド(51.48キロ)

<バンタム級/5分3R>
カリド・タハ: 135.5ポンド(61.46キロ)
セルゲイ・モロゾフ: 135ポンド(61.24キロ)

<バンタム級/5分3R>
アンデウソン・ドスサントス: 135.5ポンド(61.46キロ)
マイルズ・ジョンズ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<フライ級/5分3R>
フランシスコ・フィゲイレド: 125.5ポンド(56.92キロ)
マルコム・ゴードン: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ホドリゴ・ナシメント: 259ポンド(117.48キロ)
アラン・ボドウ: 246ポンド(111.58キロ)

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