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【LFA110】タイトル戦で惜敗、堀内佑馬に訊く─03─今後。「LFAで戦っているプライドもある」

【写真】 8月の第3週頃まで、日本に滞在する予定の堀内。今回の試合を今後に生かして欲しい(C)LFA

2日(金・現地時間)にLFA暫定フライ級王座決定戦でチャールズ・ジョンソンに惜敗を喫した堀内佑馬インタビュー最終回。

今大会タイトル戦の舞台裏や、振り返りをしてもらった堀内に今後について尋ねると──LFAで戦う自負、LFAへの想いが伝わってきた。

<堀内佑馬インタビューPart.02はコチラから>


──随分と昔の話ですが、渡部謙吾選手がMMAを戦えない体調で引退を決めていた時に、日本の大手プロモーションから試合のオファーがありました。謙吾さん自身は最後の舞台として戦いたいという気持ちがあったようですが、オーヤマ・コーチが「私はケンゴに試合に出て勝ってほしいけど、それよりもケンゴの人生が大切なんだ。だから、今の体調で試合を受けてはいけない」と伝えたという話を聞きました。それ以来、私のなかでコリン・オーヤマは絶対的に信頼がおける人物なんです。

「そんな話があったのですか!! そのコーチが僕には行くべきときに行けというのは、本当に冷静に分析してくれているということですよね。今回の試合を通して、試合前の練習や試合が終わってからのアドバイスにしても、コーチはこの世界での経験値が凄く高いです。それが伝わってきました。だから、コーチが行くべきだったというのは、その通りだと思います」

──ストリーミングの画面で視るのと、ケージサイドで見るのではジョンソンのパンチの印象が違っていたのかもしれないですね、コーチにしてもジャッジにしても。

「5Rは前に出てないといけないと思って出たのですが、相手の攻撃を貰ってしまいました。あの時は焦りはありました」

──ABEMAの解説を務めていた水垣偉弥さんが、メッセージをくれて堀内選手を絶賛していました。その水垣さんが実況中にも、5Rには関してはパンチを受けて印象が悪いと指摘していましたね。

「水垣選手はそうやって戦っていた選手ですし、そうやって言ってもらえることが嬉しいです」

──足立区界隈の格闘家のSNSも、この試合を見て感じ入ることが多くあったような風でした。

「アハハハ。やっぱり足立区って繋がりが強いんです。本当に面白いです」

──平本蓮選手は「ミルウォーキーに早く行きたい」と呟いていたそうですね(笑)。

「蓮とは試合をしたこともありますし、日本に戻ると会う仲なんです。そうやって皆に試合を視てもらえた。でも勝てなかった……。試合が終わった直後は、絶望感しかなかったです。それでも友人や家族が電話をくれて、元気づけてくれて。視てくれた人にベルトを巻く姿を見せることができなかったのは、やっぱり悔しいです。

でも今はそういう人たちのためにも頑張りたいし、自分ももっと強くなりたいという気持ちになっています」

──あとはチャールズ・ジョンソンがUFCと契約できるか。そうなれば堀内選手もUFCと契約できる力があるということになります。

「あぁ、そういう考え方もあるのですね。コーチと話していてベスト・シナリオは、ジョンソンがUFCと契約できずにリマッチをして勝つということだったんです。僕はダイレクトリマッチでも勝てる自信は、絶対にあります。もっと削ることができると思いますし。それでも、ダイレクトリマッチよりも他の選手と戦って、より経験を積みたいと思っています」

──クリスチャン・ナティヴィダッドやクレイトン・カーペンターら楽でなく相手がいます。

「いやぁ、そこなんですよ。やっぱりLFAを知らない人は簡単に勝てると思っているところがあって……。そういうことをツイッターで言っていた人もいました」

──あぁ……そういう風に思う人もいて然りですよね。今の世の中、発言する権利は誰もが平等に持っているので。

「ただ試合後で、カチンときちゃって。『舐めんな』ってリアクションしてしまったんです……結構、それがバズってしまって」

──ありゃりゃ、気持ちは分かります。でも、気にしないことですし。それこそ堀内佑馬という選手が認知されるプロセスでもあるのかもしれないです。そうやって考えると、ファンの意見は有難く耳を傾けるということで良いかもしれないです。

「今からすれば本当にアホなことをしてしまったと思います。あれを書いてしまったことで、せっかくの作品に汚点を残してしまったなと思います」

──画竜点睛を欠くを地で行ってしまったわけですね。でも分かる人は分かりますから。試合の翌日に修斗の大阪大会で『ああいう経験を今の日本ではできない。凄く良い経験になっている』という意見も聞かれましたよ。

「あぁ、そういう事を言ってもらえると本当に嬉しいです。やはり『舐めるな』っていう気持ちや、LFAで戦っているプライドもあるし。無敗、1敗、2敗の選手ばかりで、8勝6敗とか11勝8敗とかの選手っていないんです。そういう選手たちの気合の入り方が凄くて。勝つのは当たり前で、どうフィニッシュするか。そういう部分で戦っています。

僕からすれば本当にレベルが高いと思っているので、LFAが日本人で戦っている選手が無双できるという風には思われたくはないです」

──ブランドン・ロイヴァル、ジミー・フリックス、ケイシー・ケニー、3人ともLFAのフライ級王者ですからね。ところで試合を終えたばかりですが、次というのは?

「実は明日から8月の途中まで、日本に帰国するんです」

──おっ、そうなのですね。元々予定していたのですか。

「いえ、試合でケガをしてしまって。1カ月ほど練習できないので、なら日本に戻って休もうかと。頭も痛いし、5分✖5Rの代償ですかね(笑)。それと運転免許の更新をしないといけないので、このタイミングで帰国することにしました。

本音をいえばアーバインに残って練習していたいですけど……。アレックス(ペレス)もアスカル・アスカロフとの試合が決まっているから、凄く気合が入っていて。ここで勝てば、またタイトル挑戦が見えてくるでしょうし。僕もそんなゆっくりなんてしていられないっていう気持ちはあるのですが、今は体を休めようと思います」

──ではリフレッシュ帰国前に、MMAPLANETの読者の方たちに試合後を終えてのメッセージをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。試合は……チョット負けてしまったのですが、色々と改善するところが見つかったので……これからもシン日本人を見せられるように頑張ります」

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