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【LFA110】惜敗、堀内佑馬に訊く─02─ハグ拒否。「ああいうことができるヤツって──」

【写真】試合を終えて、オーヤマ・コーチの言葉を受け止めた堀内。そしてジョンソンのしたたかさに関しても肯定する気持ちを抱いていた (C)LFA

2日(金・現地時間)にLFA暫定フライ級王座決定戦でチャールズ・ジョンソンに惜敗を喫した堀内佑馬インタビューPart.02。

インタビューPart.01ではレフェリング問題に関して、ケヴィン・ニックス審判員との確執(??)を話してくれた堀内に、試合のハグ拒否の真相を訊いた。

<堀内佑馬インタビューPart.01はコチラから>


──試合中のラウンド終了時のジョンソンのタッチグローブ、試合終了後のハグを拒否しました。あの行為はジョンソンに対する怒りなのか、レフェリングも含めたことへの気持ちの表れだったのでしょうか。

「試合中はフィーリングというか……怒りの感情はなかったです。

試合後はフラストレーションがたまっていたので、そこが出た感じですね。アイポークにしても、指は入っていなかったと思っているし。三日月蹴りが入って、腹が効いていて。それが明白だったなかで、アイポークのアピールでしたから。

最初は取られても、そこから盛り返して黙らせようと思っていたら、黙った。そのタイミングで、アレかと。あの試合で起こった全ての出来事に怒っていました。試合中にはなかった……ムカつくという気持ちが、ハグに来られた時は出てしまいました。あのあとも対戦相手とは一切話さなかったです。

ただ今となったは、ああいうアピールができるのもインサイドワークなのかと思います。試合運びとして」

──確かに我々の感覚だと、潔くないです。その一方で、そこまで勝利に拘っているのか感じるモノもありますね。

「ハイ。日本ではネガティブな行為でしかないですよね。でも、試合が終ってからはああいうことができるヤツって強いのかなって思うようになりました。いうたらメイウェザーとか、そういうことじゃないですか。アレができるのは、一つの技術ですよね」

──堀内選手は注文したモノと違う料理が出てきたら、どういう反応をする人ですか。

「普通の状態……何かにムカついていたり、疲れたりしていないと──代えてくれとは言わず、『このままで良いですよ』って感じで出されたモノを食べます」

──自分たちってそうですよね。手違いでも、せっかく創ったのだからって。順番抜かしされても、注意とかしないというか……。

「そうですね。なんだよぉって思っていても、そのまま待っていますね」

──それが自分らのメンタルだと思うんです。一度、マカオのUFC後にフェリーで香港の空港に向かう時、中国人か香港人がどんどん割り込んだことがあって。『いい加減しろよ』って思っていると、一緒にいたフランキー・エドガーのコーチのマーク・ヘンリーがFワード連発して、怒って。横入りした連中を後ろに並ばせたんです。あのエネルギーは凄いと思いました。

「そのメンタルの違いはありますね。僕たちは我慢しちゃうし。言わないと、こっちの人は負けてしまうという精神構造なのかと思います」

──それが領土を奪い合って来た人たちの子孫ということかもしれないです。ところでラウンド毎の裁定で、公平に見て初回と最終回は落としていました。

「僕もそうだと思います。1Rの右フックはマジで効きました。これまでのキャリアで、一番効いたと言えるぐらいです。本当に効きました。見えていない角度から被弾したので、その分効いたんだと思います」

──そこから盛り返し、ラウンドを取り返したのですが、最終回はジャブ、ストレートを被弾する数が他のラウンドより増えました。結果、判定負けが告げられた。

「ハイ」

──判定が下った直後に、LAに20年以上住んでいて、今は名古屋でsmArtの経営者でもある前田桂さんから『これ佑馬君の勝ちじゃないんですかね』とメッセージをありました。

「あっ、今回の試合前とか僕も前田桂さんとずっと連絡を取り合っていました」

──イングラム系の渡辺健吾渡部 謙吾さんの時代から、オーヤマ・コーチとも親交があるんです。その桂さんから、3分後ぐらいに「オーヤマ・コーチが『行くべきところでいかない。ユーマの悪いところが出た』と言われています」というメッセージが送られてきました。あの試合で、オーヤマ・コーチは堀内選手が出ていないと言い切ってしまう。そういう世の中で戦っているんだと改めて理解できたような気がしました。

「その通りですね。冷静に分析してくれています」

──感情論に流されず、すぐに試合を振り返ることができるのですね。

「この世界のことをコーチは熟知していると思います。それは試合前からそうでしたし、試合後もそうです。この期間で凄く感じたことです。終わったあとのアドバイスも、本当にここからの僕に役立つモノばかりでした」

──「よくやった」という声は?

「それは言ってくれました。レフェリーのことも言及した上で、『B○ll Sh○t』だとも。でも、コーチの言う通りもっと行っていたら印象点で上回っただろうし、倒せることもできていたかもしれないです。本当にコーチの言っていることは、全て正しいと思います」

<この項、続く>

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