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【LFA110】惜敗、堀内佑馬に訊く─01─即減点。「試合前にレフェリーが控室に来て。あっ、あの時の……」

【写真】まだまだ激闘の痕が、顔に残る堀内 (C)MMAPLANET

2日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されたLFA110「Johnson vs Horiuchi」のメインで堀内佑馬が、チャールズ・ジョンソンと暫定王座決定戦を戦いスプリット判定負けを喫した。

激闘、一歩も引かずに戦った堀内だが不可解ともとれる減点や、厳しい裁定結果が待っていた。試合から3日を経て(※取材は現地時間、5日に行われた)堀内にインタビューをした。


──右目がかなり腫れていますね。

「これでもかなり良くなってきました。眼窩底骨折はなくて。鼻は折れちゃったかと思ったのですが、それも大丈夫でした」

──それは良かったです。とはいえLFAフライ級タイトルは奪取できず、悔しい判定負けでした。戦いから3日を経て、今の気持ちは?

「まぁ……ちょっと自分の甘さが出た試合でした。もっと行けたと思います。オーヤマ・コーチとも話して、そう思います」

──長身、リーチのあるジョンソンにジャブやストレートを被弾しても前に出続けてボディを効かせ、中盤の3つのラウンドは攻勢だったと思います。

「そこもコーチが授けてくれたプラン通りでした。初回と2Rはローで前足を削って、ボディを打っていく。3Rと4Rはボディを効かせて、5Rにポイントを取りきって勝つ。そういうゲームプランだったのですが、凄く的を射ていました。コーチの頭の良さを実感しています。あのゲームプランは、しっかりとはまっていました。

そこに僕のもっと前に出るという姿勢があれば、ポイントアウトできていたと思います」

──実はチャールズ・ジョンソンの過去の試合映像を見て、厳しい相手だ。勝つのは難しいと思っていました。彼がここまで負けた相手はショーン・センテーラとブランドン・ロイヴァルですし。

「あぁ……僕はあの戦績を見て、凄く面白いなって思っていました。ドノヴァン・フリローもそうですけど、ちゃんとした相手にしか負けてない。そういう選手がいるのがLFAなので。

それに圧力を掛けることにおいては、負けないという自信がありました。ずっとはたいていて、それで相手も手を出せない。下がっていましたし、あの手と手が触れることができる距離で色々な戦いがありました。ちょっとしたフェイントだったり……でも、あの選手は普通に強かったです」

──もっと行けばという言葉がありましたが、ジャブに関しては当てられ、顔も腫れました。ただし、堀内選手が前に出ているのだから、それほど有効なのかとは思ってしまうんです。倒されたわけではないですし。繰り返しますが2Rから4Rは前に出て、当てている堀内選手のラウンドだったと思いましたが。判定については、どのように思っていますか。

「まぁ……もう負けたので、何も言えないです。ただし、言いたいことはあります」

──それは?

「SNSとかで、LFAは日本人に厳しいっていう書き込みが多くて……。でも、審判はオクラホマ州のコミッションの要請で来た人たちで、LFAは裁定には関係ないんです。そこは分かって欲しいと思いました。

LFAのエド・ソアレス代表も試合後に僕のところへ来てくれて、『ユーマが勝っていた』と言ってくれたんです」

──エドがそういう風に言ってくれたのですか。

「ハイ、ABEMAで中継があることも本当に喜んでいましたし。PRIDEで日本に行った時の話とか、ホテルのレストランで会った時にしてくれました」

──エドはこの業界に珍しいほどのスーパーナイスガイですね。とはいえ、あのレフェリーはどういうつもりなのか。2Rのローブロー、どう見てもアクシデントで、それほどダメージもないのに一発で減点というのは、本当に解せなかったです。結果的にペナルティがなくても判定で落としていたとしても、あの1点で堀内選手もジョンソンもやることが変わってくるわけですし。

「やっぱり……戦い方には影響がでますよね。でも、それも起きてしまったことなので……。そこについても、終わったことです」

──いやぁ、それにしても前回の試合であったケージ掴みにしても、クラッチを組んでいて背中越しで、試合の流れで何かっているなぁぐらいのなかで、急にブレイクが掛かり減点。今回の急所蹴りと同様に余り見たことがないです。

「う~ん、実は……試合前に控室にレフェリーが『今日は私が担当なので、質問はあるか』と言いに来たんです。その時に『あっ、あの時のレフェリーだ』って……。コミッションからの指名なんですけど、コーチとも目が合って……『アイツだ』みたいになって(苦笑)」

──前回の試合も同じレフェリーだったのですね……。

「ハイ。で、立った状態でのエルボーの確認をしたんです。垂直じゃない落とし方の。そうしたら、あのレフェリーが『ダメだ、禁止技だ』って言うんです。

でもユニファイドでは認められているだろうって、コーチも反論をして。コーチは筋が通っていないことは、納得するまで意見を曲げない人なんです。それで相当揉めていて……気まずい空気でした」

──う~ん、そういうことがあったのですね。結果、エルボーの方は?

「なんか他のレフェリーにも確認を取ってくるということになって、結局使っちゃダメになりました。そのあと、コーチとも『あのレフェリーは気を付けないと』っていう話をしていたんです。そうしたら、一発で減点を食らってしまいました(苦笑)」

──それで心象を悪くした影響などでなかったことを望みます。いずれによせ、ケヴィン・ニックス──要注意です。以前にケージ掴み、垂直エルボーを見落として、動画で相当に叩かれたことあるんですよね、あの人は。

「そうだったんですか……。ただ僕はもう『こういうことがあるんだ。こんなアウェイなんだ』って燃えることができて、楽しかったです」

──なんとも強心臓ですね。

「ただ繰り返しますけど、LFAという団体がそういうところだという風にだけは勘違いしないで欲しいです」

<この項、続く

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