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【DEEP JEWELS33】アトム級GP&パク・シウ戦へ、大島沙緒里─02─「下からでもいけるパターンがある」

【写真】分かっていても掛かるのが、必殺技。キムラへの仕掛け、その緻密さでパク・シウ越えなるか(C)MMAPLANET

20日(日)、東京港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS33で、アトム級GPに挑む大島沙緒里のインタビュー後編。

GP準決勝の相手パク・シウとは、昨年12月に対戦し、判定負けを喫した。ミクロ級に続きアトム級で2階級制覇を目指す大島にとっては、リベンジを賭けた一戦でもある。

ここではパク・シウとの再戦とGP決勝戦。そしてその先に見据えるものとは何かを訊いた。

<大島沙緒里インタビューPart.01はコチラから>


――修斗でプロデビューし、2戦目で現女子スーパーアトム級王者の黒部三奈選手と対戦しました。

「黒部さんとの試合は、緊急事態宣言が出た直後で、体重が当日計量で52.5キロだったんですよ。だから、ほぼストローじゃないですか。それに黒部さんが強くて……」

――大島選手の場合、柔道時代から体格の問題があるのですね。

「修斗では減量なし、普段の体重で試合に出ました。そのあとDEEP JEWELSでミクロ級になりますけど、身長でいえばミクロ級の中でも一番小さいぐらいなんです。でも柔道の時も44キロ級に出ていましたし、ミクロ級があるなら出たいと思って」

――その希望が叶い、DEEP JEWELSのミクロ級に出場して、ベルトも獲得しています。

「修斗で大きな選手と対戦してからミクロ級の試合に出たので、相手がすごく小さく感じられました。それは良かったと思います」

――次にアトム級トーナメントに参加し、DEEP JEWELSで2階級制覇を目指すこととなりました。

「ミクロ級のベルトを獲ったあと、ノンタイトル戦でパク・シウに負けてしまって、アトム級トーナメントのオファーを頂いた時も、正直迷いました」

――迷った?

「トーナメントの組み方が、抽選でしたから。そうすると、パク・シウと1回戦で当たることもあるじゃないですか。私としては、再戦までにもう少し時間が欲しいと思ったんです」

――アトム級だと相手の体格も大きくなりますが、それは気にならなかったのですか。

「体重は普段が50キロぐらい、アトム級だと少し減量するぐらいなので、相手の減量幅を考えると、ちょうど良いとは言えないですね。でも、過去に50キロで試合をしたので、アトム級の47.6キロならいけると思いました」

――なるほど。

「それと、前アトム級チャンピオンの前澤智さんと1回だけ練習したことがあるんですけど、私は今149センチで、前澤さんは私と身長が同じぐらいだったんです。同じ体格の方が、その階級で戦っていたんだと知って、私も考え方が変わりました」

――では改めてパク・シウ選手についてお聞きします。前回は2020年12月に対戦し、判定負けを喫しました。その時の印象を教えてください。

「まず会場の新宿FACEって、リングが小さめなんですね。

そこでパク・シウと向かい合った時、相手のことがすごく大きく感じられて。試合中も、それだけで相手の圧力を感じてしまいました。リングも小さいし、回れないし……という感じだったんです」

――試合ではテイクダウンして、何度かサブミッションのチャンスもありました。

「1Rにテイクダウンしてからヒザ十字が取れるチャンスがあって、惜しいところまで行ったのですが、極めることができませんでした。一つひとつポイントを抑えることができていなくて……。試合では一つでもチャンスを逃すと勝てない、と思いました」

――確かに、あのヒザ十字は最大のチャンスでした。他にも腕十字を狙っていく場面もありましたね。

「私の攻め方がパターン化していると思うんです。とにかくテイクダウン、みたいな。でも最初から圧力を感じてしまっていたので、それでは倒しきれないですよね」

――ただ、大島選手の場合はテイクダウンだけではなく、下から仕掛けるというパターンもあります。さくら戦(2020年7月、キムラで一本勝ち)では、下からキムラを固めて支点としてリバーサルしています。

「実は私、柔道時代から下のポジションも得意なんです。さくら戦の返し方も、高校の時から練習していました。下になるとパンチをもらってしまうこともありますけど、『ここを持てれば下からでもいける』というパターンがあって。それが富松さんとの試合(2021年3月、富松恵美のシングルレッグに、キムラクラッチ&引き込み返しからキムラロックで勝利)でもハマりました」

――形にハマれば勝てる。そうした絶対的な自信があるのですね。

「はい。でもパク・シウとの試合では、その形まで持っていくことができませんでした。相手もフィジカルが強くて、逃げ方も巧かったので」

――その得意パターン、得意な形に周囲は気づいているのでしょうか。

「細かいポイントまで分かっている人は、いないと思います。次のパク・シウ戦でも、最終的に狙う形は同じですけど、戦い方のイメージは変わってきています。再戦では最終的な形に持っていくために、いろんな準備をしていますね」

――試合場はリングではなく、ケージになります。

「リングよりも広いし、ケージのほうが好きですね。今まで試合もケージでやっているほうが多いので」

――先ほど、アトム級トーナメントに参戦するうえで、「パク・シウとの再戦までには、少し時間が欲しい」と言っていました。再戦が決まった今の心境は?

「再戦が決まってから、自分の気持ちを創りあげてきました。本当は準決勝ではなく決勝でやりたかったですけど(苦笑)、抽選で決まったからには、もうやるしかありません」

――当日はパク・シウ戦に勝つと、もう1試合……トーナメント決勝戦があります。

「今のところ、それを考えている余裕はないですね。まずパク・シウと戦い、勝つこと。それしか考えていないです」

――では、トーナメントの先も……。

「その先のことも、まだそんなには考えていないですね。私も、その先に何があるか分かっていないので(苦笑)。トーナメントで優勝したら、アム・ザ・ロケットとのタイトルマッチがある。それぐらいです。でも優勝したら、何かが変わると思います。そのためにも、今回のトーナメントは勝ちます」

■視聴方法(予定)
6月20日(日・日本時間)
午前11時30分~PPV SPWN

■DEEP JEWELS33対戦カード

<DEEP JEWELSアトム級GP決勝/5分2R>
TBD
TBD

<DEEP JEWELSフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 本野美樹(日本)
[挑戦者] 伊澤星花(日本)

<フライ級/5分2R>
奈部ゆかり(日本)
ARAMI(日本)

<ストロー級/5分2R>
藤田翔子(日本)
HIME(日本)

<51キロ契約/5分2R>
音波(日本)
竹林エル(日本)

<ライト級/5分2R>
ひしぬまjujcyさやか(日本)
ぽちゃんZ(日本)

<DEEP JEWELSアトム級GP準決勝/5分2R>
青野ひかる(日本)
にっせー(日本)

<DEEP JEWELSアトム級GP準決勝/5分2R>
パク・シウ(日本)
大島沙緒里(日本)

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