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【EUG02】1万ドル争奪柔術8人制Tに、脅威の20歳ダウプラと脅威過ぎる17歳ミカエル・ガルバォンが参戦

【写真】ルタリーブリと柔術の二刀流、17歳──脅威過ぎる新星ミカエル・ガルバォン (C)GLAYTONE JONES/WNO

12日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのラスベガス・ハーレーダビッドソンにてEUG (Evolve Ur Game)プロモーションの第2回大会が行われる。4月の旗揚げ戦では160パウンド以下級の8人トーナメントを開催し、アンディ・ムラサキの衝撃的な黒帯デビューが見られた同大会。
Text by Isamu Horiuhi

今回の目玉は、170パウンド以下級の8人トーナメントだ。前回同様道着着用で行われ、優勝賞金も前回同様に10000ドルとなっている。


残念ながら、前回大会優勝時に出場を予告したムラサキの名前は見当たらないが、彼と共に今後の柔術界を背負うニュースターが複数エントリーしている。

1 回戦の組み合わせは以下の通り。

ジョナタ・アウヴェス(ブラジル)
マイケル・リエラ・ジュニア(米国)

ジョナタス・グレイシー(ブラジル)
マテウス・ルナ(ブラジル)

タイナン・ダウプラ(ブラジル)
ハファエル・ドス・アンジョス(ブラジル)

ダミアン・ニトキン(米国)
ミカエル・ガルバォン(ブラジル)

「ハファエル・ドス・アンジョス」の名前を見て胸を躍らせた方もいるかもしれないが、この選手は元UFCライト級王者とは同性同名の別人。ブラジル出身にして2018年にヨーロピアンの紫帯を制覇、そして今年の1月にコブリーニャことフーベンス・シャーレスから黒帯を得た24歳の若者だ。

そのドス・アンジョスと1回戦で当たる20歳のタイナン・ダウプラこそ、このトーナメントの最注目選手だろう。ブラジルのフロリアノポリス出身、5歳の頃から柔術をはじめたダウプラは、14歳でコスタメサに移住しメンデス兄弟のAOJに参加。ジュブナイル、アダルト青帯の世界大会優勝をはじめとして、柔術界の未来を担う若手として輝かしい業績を上げてきている。

そして2020年のパン大会の茶帯ミドル級決勝にて、今回の一回戦の相手でもあるドス・アンジョスを倒してその場で黒帯昇格した。今年に入ってからは、黒帯としてIBJJF系のローカル大会を中心に20戦近くをこなして全勝──しかも、その大半が一本勝ちだ。

一本勝ちを逃した試合では、72-0という驚異のスコアで勝利している。今回のトーナメントにエントリーしているマイケル・リエラ・ジュニアには5-2で、マテウス・ルナには腕十字で完勝しており、黒帯初の大舞台である今回、すでに優勝候補筆頭と言えるだろう。

まず引きこんで強固なオープンガードから上を取る展開が多いダウプラだが、最大の武器はトップゲーム。相手の下半身をコントロールするグリップをがっちりと確保した後に、強烈無比な上半身のプレッシャーを用いて低く体重をかけて相手の腰と足を無効化して超えてゆき、最後は胸を合わせて完全制圧を達成する。その無類の圧力と安定感は、まさに師であるメンデス兄弟を彷彿させる。

このダウプラと並んで注目したい若手選手が、マナウス出身のミカエル・ガルバォン。こちらはさらに若い17歳だ。2歳から柔術をはじめ、10歳からはルタリーブリも学んだミカエルは、(少年用の)緑帯時代にアダルトの茶帯選手を一蹴するなど注目を集めた。

2019年にはヨーロピアン大会のジュブナイル青帯の部決勝でタイ・ルオトロに勝利して、階級別と合わせて完全優勝。続く同年の世界大会では、ミドル級の体格ながらスーパーヘビー級にエントリーして優勝を果たしている。

柔術では昨年末に茶帯になったばかり。茶帯初の大会となった年末のパンノーギ大会では4試合中3試合一本勝ちで優勝。今年に入って、柔術に先立ってルタ・リーブリの黒帯を先に獲得している。

そして先月のWNO 09大会では、プレリミナリーファイトに登場。一歳上のアンドリュー・タケットを下から崩し、回転系の動きでバック狙いからマウントに繋いで主導権を握ると、その後も攻撃を継続。数回パスを決めた上でマウントを取ったミカエルは、終盤はテイクダウンを狙ってきたタケットに迅速のカウンターでバックテイクを決め、タケットが反転したところに三角絞めから腕を伸ばしかけた。結局極めきることはできなかったものの、文句なしの判定勝利を収めた。

道着の有無にかかわらず活躍し、トップからもボトムからもきわめてダイナミックな動きと強烈な極めを使いこなすミカエル。「ゴードン・ライアン以来の逸材」とすら呼ばれるこの17歳が、超一流の黒帯選手たちを相手にどのような戦いを見せるのか。

(C)SATOSHI NARITA

さらに、AOJにおけるダウプラの兄弟子の22歳、ジョナタ・アウヴェスも有力候補だ。

前回の160パウンドトーナメントにおいて優勝候補に挙げられながらも、一回戦で世界王者マテウス・ガブリエルに惜敗しただけに、今回こそという思いは強いだろう。実際、アウヴェスとダウプラのAOJ新世代がクローズアウトを達成する可能性は高い。

■視聴方法(予定)
6月13日(日・日本時間)、
午前8時30分~ Flograppliong

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