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【Grachan48】桜井隆多戦へ、長岡弘樹─02─「タイトルマッチに勝って、チャンピオンになりたかった」

【写真】声を出して、このベルトの持ち主だというために長岡は桜井と戦う(C)MMAPLANET

20日(日)、東京都大田区の大田区産業プラザPIOで開催されるGRACHAN48で、桜井隆多とのGRANDウェルター級王座統一戦に挑む長岡弘樹のインタビュー後編。
By Shojiro Kameike

インタビュー前編で、41歳という自身の年齢に触れた暫定王者の長岡だが、対する正規王者の桜井も現在49歳と、まさに大ベテラン同士の一戦だ。

前回の試合から1年半、コロナ禍のなかで、長岡はどのように過ごしてきたのか。試合に向けた意気込みとともに聞いた。

<長岡弘樹インタビューPart.01はコチラから>


――前回のウィル・チョープ戦は、長岡選手の持ち味が生かされていたと思います。ケージ際のスクランブルで競り勝ち、3Rにバックマウントを取られても切り返して、判定勝利を得ました。

「ウィル・チョープ戦のオファーが来た時は、『これは強い相手が来たなぁ』と思いました(苦笑)。実績もあるし、MMAだけではなく、いろんな競技の試合経験も積み続けていますからね。でも挑戦者決定戦ということで、『これに勝ったらタイトルマッチだ』というモチベーションは高かったです。そのベルトを目指してやってきたので」

――チョープ戦の勝利で、GRANDウェルター級王者・桜井隆多選手への挑戦権を得ました。この試合は昨年9月20日に実現するはずでしたが、この試合は桜井選手の負傷で延期という形になり、今回に至っています。

「試合ができないと聞いた時は、さすがに『えぇっ!?』という気持ちになりました。この試合に勝つために、このベルトを獲るために練習してきましたから。でも怪我は仕方ないことですし、改めて桜井選手とベルトを賭けて戦いたい、という希望を伝えたんです」

――その希望を受けて長岡選手は暫定王者に認定され、今回の桜井選手との試合は「王座統一戦」という形になりました。

「暫定王者に認定していただいたことは、本当に感謝しています。でも、僕はタイトルマッチで勝ってチャンピオンになったわけではないんですよね」

――挑戦者決定戦に勝って、試合延期の経緯から暫定王者に認定された形です。

「本当は、桜井選手がベルトを獲得してから1年以内に防衛戦を行うことができなければ、ベルトを返上する契約だったと聞いています。すると暫定王者に認定された僕が、そのまま正規王者になっていたかもしないですよね」

――はい。その選択肢もあったと思います。

「でも僕はタイトルマッチに勝って、チャンピオンになりたかった。だから主催者に、改めて試合を組んでいただけるようにお願いしたんです」

――その後、試合の延期もあり、チョープ戦から約1年半の期間が空きました。特に昨年から、コロナ禍の影響はありましたか。

「練習の面では、特に影響はないです。その間に、しっかりと練習することができていました。ジムのほうが心配でしたね。このままジムを続けていけるのかどうか……と」

――……そうですよね。現役の選手であると同時に、ジムの代表でもあるわけで。

「去年、緊急事態宣言が出てから、しばらくはジムの休会や退会の連絡が止まらなかったです。おかげさまで今はなんとか大丈夫なのですが、あの時は不安でした」

――そのような状況下で、練習中にジム経営の不安がよぎったりすることはなかったのですか。

「それはなかったです。そんな時だからこそ、練習に集中しようと。去年9月のタイトルマッチは延期になりましたが、その間もしっかり練習することができました。ヤン坊とか、他の選手も育ってきていたので」

――では次の試合について、正規王者・桜井選手の印象を教えてください。

「僕がDEEPの中盤で試合をしていた頃、トップで戦っていた方なので尊敬しています。当時はそのポジションだったので、戦うとは想像もしていなかったですけど……」

――そもそも階級が違いましたからね。長岡選手はライト級かウェルター級で、桜井選手はミドル級でした。

「確かに、そうですね(笑)」

――ということは、両者の間にはそれだけの体格差があります。身長だけでも、長岡選手が170センチで、桜井選手が178センチです。

「うーん……でも、体格差でいえば、ウェルター級では自分より大きな選手とばかり試合してきましたから。それこそ、ウィル・チョープとか」

――確かに(笑)。チョープは193センチでした。

「180センチ超の選手が、たくさんいましたからね。それより、桜井選手といえば、ルクク・ダリ戦のような展開になると……。あれだけ打撃をもらいながら、最後は一本勝ちって、本当に凄いと思います」

――桜井選手はDEEPでも大逆転劇がありましたし、そんな桜井選手と長岡選手の試合は、最後まで我慢比べ、競り合いが続きそうです。

「はい。最後まで一瞬たりとも気の抜けない試合になると思います。でも、最初にも言いましたが、楽して勝てる試合なんてないですから。そのための練習をしてきました。

正直、今のままでは周りにも『自分はチャンピオン』って言えない気持ちがあるんです。桜井選手に勝って、胸を張って『オレはGRANDのチャンピオンだ!』と言います」

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