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【UFN188】オクタゴン7連勝と挑戦権獲得へ、イェン・シャオナン「中国にベルトを取り戻す」

【写真】ジャン・ウェイリはオクタゴン4戦目で王座挑戦を実現させた。イェン・シャオナンは今回の試合で勝てばUFCで7連勝となる。十分にチャレンジャーになる資格があるだろう(C)Zuffa/UFC

22日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN188:UFN on ESPN+46「Font vs Garbrandt」のコ・メインでイェン・シャオナンが、カーラ・エスパルザと戦う。

2017年11月のUFCデビュー以来、これまで6勝で負け無しという戦績を残すイェン・シャオナン、確実にタイトル挑戦が近づいている彼女に──タイトル挑戦を踏まえて、今回の試合をどのように捉えているのかをZoomインタビューで尋ねた。

すると彼女は「中国にベルトを取り戻す、そのためにフィニッシュで勝つ」と言い切った。


──エスパルザ戦が迫ってきました。今の調子はいかがですか。

「精神的は100パーセント、肉体的には計量のために減量をしないといけないから100パーセントとは言えない状態ね(※インタビューは19日に行われた)。あと3.5キロだから、それほど大変じゃないんだけど」

──UFCで戦うようになって現状、6連勝と素晴らしいレコードを残せています。

「1試合、1試合、しっかりと集中して戦い、1つ勝てば、また次を頑張ってきたので6連勝中という結果にはエキサイトしているわ。そうやって勝ち星をかさねてくることでタイトル挑戦に近づくから」

──特に過去2戦ではタイトル挑戦経験のあるカロリーナ・コバケビッチ、クラウジア・ガデーリャに勝利しています。そしてエスパルザは元世界王者。タイトル挑戦に近づいている実感があるのではないでしょうか。

「そうね、だから今週末の試合は私がMMAデビューをしてから、最も重要な試合になると思っているわ。この試合はフィニッシュすることが大切で。ここでしっかりとカーラに勝って、挑戦権を手にし中国に世界女子ストロー級のベルトを取り戻さないといけない。

UFCのタイトル挑戦に近道はないから、この試合で絶対にフィニッシュしてタイトル戦を実現させるわ」

──先月、ジャン・ウェイリが世界王座から陥落しました。世界チャンピオンが同朋の中国人でない方が挑戦のチャンスが広がるかと思いますが、その辺りはどのように考えていますか。

「う~ん、私はプロフェッショナル・ファイターだから誰に挑戦するのかは気にしていないわ。とにかく、私の目標はベルトを巻くこと。その相手がローズ・ナマジュナスだろうが、ジャン・ウェイリだろうが関係なくて、挑戦できる時のチャンピオンに勝つだけよ」

──その準備は万全ですか。

「この試合に向けては1カ月を中国で練習して、それからもう1カ月間、米国で準備をしてきたわ」

──米国ではどこで練習を?

「ベガスのUFC PIよ。それ以外のジムでは練習していないわ。練習仲間とコーチも一緒に……チームの皆でラスベガスにやってきて、ずっと練習してきたからしっかり準備はできているわ」

──ベガスでトレーニングする利点はどこにありましたか。

「PIのストレングス&コンディショニング・コーチについて、最高の設備でトレーニングできたこと。それに試合直前にベガス入りするのではなくて、1カ月滞在することで気候、食事など環境に馴染むことができたわ。遠征先ではなくて、ホームのアドバンテージがあって戦う様な感じね」

──さきほど大切な試合になると言っていましたが、エスパルザの印象を教えてください。

「とにかく彼女のイメージは初代UFC世界女子ストロー級だったことね。

スタイルとしては、絶対的にレスリングが得意ね。身長でもリーチでも私が優っていて、体力的にも遅れを取るところはないわ。テイクダウン防御には自信があるし、今の私は誰と戦っても簡単にテイクダウンされない。結果、打撃で優位に戦えるはずよ」

──エスパルザがボディロックで組んで来たら、散打流の首投げを決めるチャンスでしょうか。

「そうね。私のベースは散打だし、このマーシャルアーツは打撃だけでなく投げも含まれている。散打のコンビネーションが私に有利に働くことは間違いないわ」

──ところでイェン・シャオナン選手は、パンチを打つたびに『ハッ』という声を発しますが、あの掛け声には何か意味があるのですか。

「そこを気にされたことはなかったわ(笑)。う~ん、意識したことはなかったし、自然と声を出してきたので。ブルース・リーも攻撃するときに声を出しているでしょ?(笑)。でも、ホントに意識して出しているわけじゃないから……なぜ、声が出ているか私にも分からない。ただし、あの掛け声がリズムになっているかもね。自然と出てくるわけだし、あの声が出ると戦闘モードに入っているんだと思うわ」

──今大会は無観客なので、シャオナン選手の掛け声が会場に響き渡りますね。

「ハハハハ。楽しみにしていて。無観客大会は去年の11月に経験しているけど、やっぱり凄く静かで。常にファンが会場に戻って来られるように早くなってほしいわね」

──ところでそのファンですが、ジャン・ウェイリはフロリダのファンに大きなブーイングをされました。米国ではアジアン・ヘイト・クライムも問題になっています。

「ブーイングは問題じゃないわ。そういうモノだと思っているし。中国でUFCが開かれた時は、外国人選手が中国のファンからブーイングされているのと同じよ。私は米国で試合をして、ブーイングがあっても全く気にならないわ」

──なるほど。シャオナン選手は本当に気持ちが強いですね。今日はありがとうござました。

「こちらこそ、ありがとう。私はアジアを代表してUFCで戦っているので、日本のファンが私を応援してくれると嬉しいわ」

■視聴方法(予定)
5月23日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

■UFN188計量結果

<バンタム級/5分5R>
ロブ・フォント: 136ポンド(61.69キロ)
コディー・ガーブラント: 135.5ポンド(61.46キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン: 116ポンド(52.62キロ)
カーラ・エスパルザ: 116ポンド(52.62キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ: 265.5ポンド(120.42キロ)
ジャレッド・ヴェンドラー: 264 ポンド(119.74キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ファリシア・スペンサー: 145ポンド(65.77キロ)
ノルマ・ドゥモント: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジャック・ヘルマンソン: 186ポンド(84.37キロ)
エドマン・シャバジアン: 185ポンド(83.91キロ)

<フェザー級/5分3R>
ヒカルド・ラモス: 146ポンド(66.22キロ)
ビル・アレジオ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ベン・ロズウェル: 265.5ポンド(120.42キロ)
クリス・バーネット: 263ポンド(119.29キロ)

<ウェルター級/5分3R>
クラウジオ・シウバ: 170.5ポンド(77.34キロ)
コート・マッギー: 169.5ポンド(76.88キロ)

<フライ級/5分3R>
ヴィクター・ロドリゲス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ブルーノ・シウバ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュア・クリバオ: 146ポンド(66.22キロ)
シェ・イラン: 146ポンド(66.22キロ)

<フライ級/5分3R>
ダヴィッド・ドヴォルザーク: 126ポンド(57.15キロ)
フアンカミーロ・ロンデロス: 128.5ポンド(58.28キロ)

<ライト級/5分3R>
ヤンシー・メデイロス: 155ポンド(70.31キロ)
ダミア・ハゾヴィッチ: 156ポンド(70.76キロ)

<ライト級/5分3R>
ダミール・イスマグロフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ハファエル・アウベス: 154.5ポンド(70.08キロ)

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