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【UFC ABC02】16歳で母国チリを離れたイグナシオ・バハモンデス、彼こそシン・ドミニク・クルーズ?!

【写真】 要注目、チリの新感覚ファイター=イグナシオ・バハモンデス(C)Zuffa/UFC

10日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ABC02「Vettori vs Holland」が開催される。2015年4月のUFN63 以来となる米国メインランドでのデーゲームとなる今大会にチリ人ファイターのイグナシオ・バハモンデスが、ジョン・マクデッシを相手にUFCデビュー戦を戦う。

昨年11月のコンテンダーシリーズにおけるエジソン・ゴメス戦で変化自在のフォームから打撃で試合を創り、最後は前蹴りでKO勝ちを収めたバハモンデス。このフィッシュシーンの動画再生が180万回を越え、一躍その名を知らしめることとなった。

本来はライト級ながらコンテンダーシリーズではウェルター級で戦い、さらに体重オーバーだったゴメスを相手にバハモンデスはスイッチスタンスから左右&上中下の蹴り、ステップインしてのジャブ、下がりながらのカウンターとフィニッシュに至るまでの展開でも印象に残る打撃を見せていた。

23歳、10代でMMAファイターを目指し故郷、両親と離れ米国に移り住み──ついにUFCデビューを迎えたイグナシオ・バハモンデスにZoomでインタビューを行った。


──ジョン・マクデッシとのUFCデビュー戦が間近に迫ってきました。

「ジョンとの試合でUFCデビューを迎えることは、僕やチームにとっても最高にハッピーなことだよ。この試合に勝利するためにしっかりと準備をしてきた」

──チリ人MMAファイターというのは、今でもあまり耳にすることがないですが、イグナシオはなぜMMAファイターを目指そうと思ったのですか。

「チリでMMAは決して人気のあるスポーツじゃなかったよ。もちろんサッカーがずば抜けてポピュラーで。それほどコンバットスポーツは人気はなかった。ボクシングは世界王者もいて、キックボクシングも比較的注目されていたかな。

そんなチリで、僕は3歳の時から父にケンポーカラテを習っていた。父はケンポーカラテの黒帯で、キックボクシングでも南米王者だったんだ。僕も3年間カラテを習い、そこからキックに進んだ。14歳のときにチリの王者になったよ。アマチュアのキック戦績は35勝0敗1分、17歳でMMAに転向したんだ」

──なぜキックで世界を目指さず、MMAへ?

「MMAは柔術もレスリングも必要で、これ以上チャレンジングなことはないと感じたんだ」

──今から6年前ですが、チリでMMAの練習はできたのでしょうか。

「あの頃はなかった。だから、僕はチリを離れて米国に来たんだ。今はチリも状況が良くなっていて、僕の父は最高の打撃チームを率いているし、いくつか柔術チームもある。チリはストライカーが多いけど、それでも優れた柔術家も育ってきているよ。

MMA人気は凄く高まっていて、UFCでなくても僕の試合を多くのチリの人達は視聴してくれるようになっていた。そしてMMAやUFCの人気も同時に高くなっているんだ」

──なるほど。チリでのMMA人気をけんいんするイグナシオは17歳でMMAファイターになるために、米国に移り住んだということですか。

「16歳の時にMMAの練習をするために米国にやってきた来た。大きな決断だったよ。でも両親や家族の皆がサポートしてくれた。父は『トライすることが大切だ。上手くいかなければ、戻ってくれば良い』と言ってくれたんだ。

最初はフロリダへ行き、2年間高校に通いにながらジムで練習した。で、まずはMMAでなくキックの試合に出て、自分より大きな相手を倒し続けたんだ。

その後、レスリングキャンプでシカゴを訪れ2カ月滞在し、街の雰囲気、ライフスタイルが凄く気にいった。マイク・バイルの指導は最高だったし、良い練習も相手もいるから。一度フロリダに戻り、すぐにシカゴに引っ越した。

以来、ずっとマイクのバイルフロー・ストライキングで練習し、シカゴに住んでいるよ。ジャイー・ロドリゲスやアレハンドロ・フローレスがトレーニング・パートナーだ」

──あの独特な打撃スタイルはお父さん譲りなのですが、それともマイク・バイルの指導によって身につけたモノなのでしょうか。

「父もそうだし、マイクもそう。マイアミ時代もそうだし、僕は必要なモノを全てミックスして、自分のスタイルを創ってきた。色々な試合をして、もちろんドミニク・クルーズやフランキー・エドガーの試合映像もしっかり見て研究した。

そして彼らのダッキングやステップを試して、使えると思ったものは採り入てきたんだ。

テイクダウン防御にも自信があるし、寝技になっても勝てる。グラップリングを恐れることがないから、打撃で相手を倒すことができると思っている」

──マクデッシも空手とキックを融合させたストライカーです。

「経験豊かな選手だね。でも、ジョンが僕と打撃戦をしたいと思っているなら大きな間違いだよ。彼に勝ち目はない。彼の経験値の高さを軽視することはないけど、打撃勝負が来るなら願ったり叶ったりさ」

──土曜日はこれまでのキャリア、これまでの人生で最も大切な試合になるかと思います。どのような戦いを魅せたいですか。

「僕のスタイルを見てほしい。距離、アングル、タイミング、スイッチ、キック、ボクシング、フットワーク、ボディへのヒザ蹴り、顔面へのヒザ蹴り、エルボー、テイクダウン……全てを皆に披露するよ。

ここが最初の一歩だ。今年中にトップ10になる。そしてコロナが終息すれば、僕の力でUFCサンチアゴ大会を開くんだ」

──イグナシオ、今日はありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。僕のルーツは父から習ったマーシャルアーツで、カラテは日本からやってきた。日本の皆が大切にしてきたマーシャルアーツ、カラテを僕も大切にしている。そして、その大切なモノを使って土曜日は必ず勝つから、僕をサポートしてほしい。ムーチョス・グラシアス!!」

──デナーダ。エスペロ・ケ・ベンガス・ア・ハポン。

「おお、スペイン語が話せるのかい?」

──大学の時に勉強して、これだけ覚えている感じです。

「アハハハハ」

■視聴方法(予定)
4月11日(日・日本時間)
午前0時30分~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<ミドル級/5分5R>
マーヴィン・ヴェットーリ(イタリア)
ケビン・ホランド(米国)

<フェザー級/5分3R>
アーノルド・アレン(英国)
ソディック・ユースウ(米国)

<ミドル級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ジュリアン・マルケス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ニナ・ヌネス(米国)
マッケンジー・ダーン(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・ペリー(米国)
ダニエル・ロドリゲス(米国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
ジョー・ソレツキ(米国)

<ライト級/5分3R>
スコット・ホルツケン(米国)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<女子バンタム級/5分3R>
ノルマ・ドゥモント(ブラジル)
エリン・ブランクフィールド(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
イグナシオ・バハモンデス(チリ)

<ヘビー級/5分3R>
ヨーガン・デ・カストロ(米国)
ジャルジス・ダンホー(シリア)

<バンタム級/5分3R>
ジャック・ショア(英国)
ハンター・アジャー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ルイス・サルダーニャ(米国)
ジョーダン・グリフィン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン(韓国)
ウィリアム・ナイト(米国)

<ウェルター級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
サーシャ・パラトニコフ(香港)

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